英国はファーウェイによる半導体チップ研究開発施設の建設を承認|米国務省は英国政府に改めて警告
英国サウス・ケンブリッジシャー地区の評議員たちは、今週木曜、9対1でファーウェイによる半導体チップの研究開発および製造施設を同地区に建設することを承認した。米国金融系テレビ局のCNBCなど複数のメディアが報じた。
一方、サウス・ケンブリッジシャー地区の評議員たちが同計画を承認してから24時間も経たずして、米国務省は英国に対して、ファーウェイが中共政府と関係しており国家安全保障上の脅威であるとする警告を改めて発表している。
国務省はCNBCと以下の声明を共有している:
我々は、全ての国々、特に英国のような同盟国および連携国に対して、ファーウェイのような信頼できない企業に機密情報へのアクセスを許可することについての長期的影響について、慎重に評価するよう要請している。・・・
正当な提携や違法な手口を通して、そして投資、共同研究、またはあからさまな窃盗によって(中共政府は技術や知的財産を)獲得している。
さらに、ファーウェイが「独裁政権の支配下にある」という事実は、同社に対する信頼が「存在し得ない」ことを意味していると国務省の声明は記している。
ファーウェイによる大型計画
ファーウェイは、オプトエレクトロニクス半導体チップや、インターネット上のデータ通信速度を高めるためのその他機器を研究開発しさらに製造することを目的に、この研究施設で300人〜400人を雇用することを希望している。
サウス・ケンブリッジシャー地区の評議員が同建設計画を承認してから数分後、ファーウェイは記者たちに対して、この先3年間でこの研究開発施設に10億ポンド(約1320億円)を費やす予定であると語った。当初、同社は4億ポンドを費やす予定であると報じられていた。
2018年、ファーウェイは、ケンブリッジシャーのソーストンにある小さな村に500エーカー(約2平方キロメートル)の土地を、事務用品メーカーのSpicers社から3750万ポンド(約50億円)で購入していた。この土地は、ケンブリッジ大学から約11キロメートルの距離にある。
ファーウェイは、この土地の約10%にあたる4645平方メートルに研究開発施設を建設予定である。グーグルがロンドンのキングス・クロス駅近くに巨大キャンパスを建設したように、ファーウェイもいずれこの土地に巨大なコーポレート・キャンパスを建設することを計画している
迷走する英国
ファーウェイによる英国への大規模投資のニュースは、英国政府がファーウェイの通信機器を同国の5Gネットワークに利用すべきかどうかを判断しようとしている最中に報じられている。
先月、英国の国家サイバーセキュリティー・センター(National Cyber Security Center:NCSC)は、本件について緊急の審査に着手しており、英国は3年以内にファーウェイの通信機器を国内の5Gネットワークから排除する計画を打ち出している。
一方、トランプ政権は、今週ファーウェイを含むチャイナの企業20社のリストを発表しており、これら企業は人民解放軍が所有または支配していると発表している。これにより、米国政府は、これらチャイナの企業に対する新たな金融制裁の道筋を開いたと報じられている。
今月、グーグルの元CEO、エリック・シュミット氏も、「国家安全保障において受け入れがたい活動をファーフェイが行っているというのは疑いようがない」と発言している。
英国の元首相であるトニー・ブレア氏も、Reuters Newsmakerのイベントで、英国は最終的にファーウェイではなく米国側につかなくてはならないと語っている:
我々は最終的に判断を下す必要があり、そしてそれは親米でなければいけないと私は思う。アメリカの安全保障に関わるものについて、我々がアメリカ側につかないということは非常に困難だ。
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