トランプ陣営は選挙結果を「無効化」するために州政府関係者を訴えるとパウウェル弁護士——ウィキリークスが暴露した国務省の外電もスマートマティック社はベネズエラ人が所有と報告
2006年7月10日付けの機密の外交公電には、「スマートマティック社と同社の投票機械に対するカラカス(米大使館)の視点」という題名がつけられている。興味がある人は、ぜひ全文を読むことをおすすめする。この外交公電は、カラカスにある米国大使館で、当時、政務参事官であったロバート・ダウンズ氏が執筆した。以下はその外交公電から一部抜粋して翻訳したものである(太字強調は編集部):
ベネズエラ人に所有されているスマートマティック社は、その所有者とオペレーションの両方において謎めいた存在だ。同社の機械が、ウゴ・チャベス大統領と彼の支持者たちによるいくつかの地滑り的(そして紛争に発展した)大勝利を監視していたという事実が、その存在をいっそう複雑なものにしている。この電子投票機の会社は、小さなテクノロジー・スタートアップ企業から、わずか数年のうちに市場での重要なプレイヤーへと急成長した。2004年8月の罷免に関する国民投票に参加したことで、突然、重要なプレイヤーとして躍り出た。スマートマティック社は米国が原点であると主張しているが、しかしその真の所有者たち——おそらく、いくつかの政治的血統を持つエリートのベネズエラ人たち——はオランダおよびバルバドスにある複数の持株会社による網の目の背後に隠れたままである。ベネズエラで利用されたスマートマティック社の機械は、不正の影響を受けやすいということが広く疑われている。ただし、そうだと決定的に証明されてはいない。同社は、ベネズエラの選挙からは身を引こうとしていると考えられており、現在では子会社であるセコイア社を通じて米国といった世界の別の場所にフォーカスしていると考えられている。サマリーは以上。
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誰がスマートマティック社を所有しているのか?
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2.(C)スマートマティック社は1990年代末、3人のベネズエラ人であるアントニオ・ムヒカ(Antonio Mugica)、アルベルト・アンソラ(Alberto Anzola)、そしてロヘール・ピナテ(Roger Pinate)によって設立された。ムヒカが近年、政治担当官たちと行なった会話によると、彼ら3人は、数千もの同時入力を処理することが可能なネットワークを開発した。初期に行われた(その技術の)応用は、メキシコのATMだった。しかし2000年に行われたアメリカ大統領選挙が、彼らグループを電子投票プラットフォームという考えに導いた。同社は、ベネズエラのテレコム企業CANTV(当時、ベライゾン社がその28%を所有)とSBCコンソーシアムを結成し、そしてビスタ(Bizta)社と呼ばれるソフトウェア会社を設立した。ムヒカは、スマートマティック社がこのコンソーシアムの51%を所有し、CANTVが47%、そしてビスタ社が2%を所有したと語った(aを参照)。後者(ビスタ社)はまたスマートマティック社の所有者たちに保有されていたが、2004年6月、ベネズエラ・ボリバル共和国のFONCREIと呼ばれるJV(合弁事業)ファンドから、20万米ドル相当の株式投資を受けたことで報道機関によって非難された。このFONCREIと呼ばれるJVファンドの取締役会には、チャベスの選挙顧問が就任している。ビスタ社は、株式公開を行なった際、「ローン」と呼ばれるものが払い戻されており、「チャベイズム」の取締役メンバーを解任している。
3.(C)ムヒカは数回の場で、政治担当官たちにアンソラ、ピナテ、そして彼自身がスマートマティック社の所有者であると語った。ただし、彼らは約30人の投資家リストを持っているが、彼らは匿名のままである。アンソラの義父(そして駐米ベネズエラ大使のベルナルド・アルバレスのいとこ)でもあるホセ・アントニオ・エレラは、2004年、政治担当官に、(スマートマティック社の)サイレント・パートナーたちは、主に上流階級のベネズエラ人であり、その中には、断固としたチャベス反対派がいると語っている。しかし、スマートマティック社の初期の収益は、ベネズエラの国防契約から来ていたという噂がある。この国防契約は、当時の国防大臣であるホセ・ビンセンテ・ランヘルによって提供された。チャベスは彼を後に副大統領に昇格させている。おそらく偶然かもしれないが、この副大統領の娘であるヒセラ・ランヘル・アバロスは、スマートマティック社が登録された際、地元の法人登録機関の責任者を務めていた。この事実が、副大統領が関与しているという主張の一因となっている。
4.(C)ムヒカは最初に、当大使館に2004年にアプローチしてきた。全く新しい電子投票システムを提供するために、全国選挙審議会(National Electoral Council: CNE)にこの会社が入札を行なった時であった。ムヒカは、スマートマティック社がデラウェア州で登録された米国企業であり、フロリダ州ボカラトンに事務所があると売り込んできた。実際、政治担当官たちは、ムヒカが米国で就労するためのL-1ビザの取得を手助けする間、彼と数回にわたってディスカッションを行なった。ムヒカは同社のオフィスがボカラトンにあると語ったが、約70人にのぼるリサーチ・スタッフのほとんどがカラカスに残ったままだった。スマートマティック社は、ベテランの選挙監視人AMCITのホルヘ・ティラドと彼のコンサルタント・チームを雇用することで、実質的に、その選挙に関する専門知識を金で購入していた。ティラドは、数回の選挙においてスマートマティック社と全国選挙審議会(CNE)の間の橋渡し役を務めた。
そしてこの公電の内容はさらに興味深いものになる・・・・
2006年5月、ムヒカは政治担当官に、スマートマティック社の企業構造が変更になったと伝えた(その内容は2005年中に報道機関による報道で明らかとなった)。ムヒカは、スマートマティック社がオランダの持株会社の下、2つの異なる企業に分割されたと語った。米国で設立されたものは実質的にそのまま同じであり、デラウェア州で登録されボカラトンにある会計事務所が米国の事業活動を管理している。スマートマティック社は、米国の投票機械の会社であるセコイア投票システムズ(Sequoia Voting Systems)を2005年3月8日に買収したとムヒカは報告してきた。全ての米国の投票機械は、ニューヨークで組み立てられていると彼は語った。ムヒカは、彼らの米国事業は重要だと言いながらも、彼らの売り上げの半分以上がベネズエラや米国以外からのものであると語った。もう一つのスマートマティック社は、バルバドスのブリッジタウンを拠点にしていた。そこは国際的なセールス部門の拠点だとムヒカは語った。彼らの選挙機械やその他の電子機器のほとんどはチャイナで製造されているとムヒカは語った。いくつかのコンポーネントに関する作業は台湾で行われているとも語った。スマートマティック社はまた、オリベッティ社と呼ばれる会社を通じていくつかのアイテムをイタリアで製造している(オリベッティ社は、オリジナルのスマートマティック社の機械を製造した)。同社の研究開発部門は、いまだにカラカスに拠点があるとムヒカは語った。
そして公電の内容はさらに興味深いものになる・・・
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不正の影
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6.(C)もちろん、ベネズエラの対抗勢力は、スマートマティック社の機械が2004年8月の国民選挙で彼らから勝利を盗んだと確信している。それ以来、少なくともこの国民選挙の結果について、最低8件の統計分析が実施されている。これら調査のほとんどは、選挙結果と、出口調査、署名運動、そして過去の選挙結果とを照合している。一つの調査では、CANTVネットワークからデータ・ログを入手しており、スマートマティック社の機械に送受信機能があり、実際、国民投票が行われている間、これら機械が選挙結果を全国選挙審議会(CNE)の中央サーバに報告した内容に不規則性があったことを証明したと言われている。(注記:スマートマティック社のシステムにおいて最も疑わしいデータ・ポイントは、選挙結果を印刷する前に機械がサーバにコンタクトをしていたことであり、このことは少なくとも選挙結果を書き換え、国際監視団が設定した基本的なチェックを無効化する機会を与えてしまっている。2004年8月以降、全国選挙審議会(CNE)はこの行為を繰り返してはいない。)これらのどこか陰謀論的な報告書は、敗北した敵対勢力に活力を与える役割を果たしたかもしれないが、これらは決して最終的に不正があったことを証明してはいない。(bおよびcを参照)
公電はさらに興味深いものになる・・・
しかしスマートマティック社の機械は大打撃を受ける。それは2005年12月の国民会議選挙の前に行われたテストにおいて、反対勢力の技術者が、スマートマティック社の機械のランダムとされるストレージ・プロトコル、つまりは票の秘密を打ち破ることができた時に起きた。この技術者は、このコンピュータ化された機械がウィンドウズのOSを利用していたという事実を利用した。インターネットからダウンロードした簡易なプログラムは、機械がスマートマティック社の「ランダム化」ソフトウェアを処理する際に「順に」作成される、根底にあるウィンドウズのファイルにアクセスした。スマートマティック社の幹部たちは、もっともらしく、このようなコントロールされた結果は、実際の選挙の間に都合よく再現することはできないと主張した(dを参照)が、対立政党らはボイコットした。棄権率は少なくとも75%にまで上昇し、反対派の投票者たちの間における全国選挙審議会(CNE)への信頼は失墜した。この壊滅的な結果は、チャベスに国民会議の100%の支配力を与えたが、民主主義のようにみえるふりをする指導者にとっては頭痛の種となった。
最後に、この公電は驚くべき結論を導き出している:
スマートマティック社は謎めいた存在である。同社は、どこからともなく出現し、選挙プロセスにおける数百万ドルにものぼる契約を獲得した。そしてその選挙プロセスは、最終的にチャベスの為政権を再確認し、彼の政治的敵対勢力を全て壊滅させた。スマートマティック社との数回のディスカッションの後、我々が抱く評価は、同社が事実上ベネズエラの会社であり、ベネズエラ人によって運営されているということだ。スマートマティック社の真の所有者たちの身元は、依然として謎のままである。我々が考える最も有力な説は、おそらく数人のよく知られたベネズエラ人ビジネスマンが同社を支援しているということだ。彼らが持っている政治的な結びつきのため、または、もしかしたら彼らはベネズエラ政府の要人の利益を管理しているため、匿名でいることを望んでいるのかもしれない。
上記で引用したものは全て、2006年に作成された国務省の機密の外交公電である。
そして2006年以降、この「謎めいた存在」であり、「事実上ベネズエラの会社」であるスマートマティック社に起きた数々の目覚ましい変化に、人々は驚かざるを得ない。どこからともなく出現した同社は、2003年に大規模な政府契約を勝ち取った。このことは、米国務省をして、「選挙の経験もない無名も同然の会社が、一体どうすればこのように大規模の契約を獲得することができたのか」と言わしめている。さらに興味をそそるのは、この謎の会社が、これほど長年にわたって次から次へとベネズエラでの不正選挙の疑惑(共産主義独裁者であるチャベスとマドゥロが連続して「地滑り的大勝利」を果たしたこと)に直接巻き込まれていたにもかかわらず、その後、なぜか同社は米国市場に進出を果たしているということである。
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