J&J製ワクチンを接種した米人男性の皮膚が真っ赤に腫れ表皮剥離の副反応——ドイツ政府はアストラゼネカ製ワクチンを60歳未満に投与することを制限
ジョンソン&ジョンソン製の新型コロナワクチンを接種した米国の男性に、皮膚が真っ赤に腫れ剥離するという副反応が発生した。地元バージニア州のテレビ局WRICが3月29日(月曜)に報じた。
この副反応を発症したリチャード・テレルさん(74歳)は、WRICのインタビューに次のように語っている:
これは瞬く間に起きました。私の皮膚は剥がれてしまった。今でも、私の手の皮膚は剥がれ続けています。
テレルさんは3月初旬にワクチン接種を受けたが、その後すぐにバージニア・コモンウェルス大学(VCU)のメディカルセンターに搬送された。
ワクチンの副反応を起こしたテレルさんの皮膚
ワクチン接種を受けてから4日後、この副反応症状は現れ始めた。違和感はかゆみに変わり、患部が炎症して腫れ始めた。
テレルさんはさらに次のように語っている:
刺すような痛み、焼けるような熱さ、そしてかゆみがありました。
脚や腕を曲げると、例えば膝の内側など、皮膚が腫れているところはとても痛くて、皮膚が擦れあうんです。
バージニア・コモンウェルス大学(VCU)で皮膚科の総合医であるフヌ・ヌタン医師は、医師たちがテレルさんに起こった症状はワクチンへの反応であるという結論に至ったとWRICに語っている:
私たちは、あらゆるウイルス感染の可能性を排除しました。新型コロナ(武漢ウイルス)そのものの可能性も排除しました。彼の腎臓や肝臓に問題ないことも確認しました。そして最終的に、私たちは彼が接種したワクチンが原因であるという結論に達しました。
ヌタン医師は、FOXニュースのインタビューに次のように語っている:
多くの患者たちが診察にやってきて、「私はワクチン接種を受けたところ、こんなことが起きてしまいました。これはワクチンのせいだと思う」と言います。私たちがそのような患者を診察するときは、とても慎重になります。私たちは、そうした反応を引き起こすのに(ワクチンよりも)一般的な原因を完全に排除しておきたいと考えます。最もよくある原因は、患者が服用した抗生物質か他の何かだったり、市販されている薬だったりするのです。
ヌタン医師は、テレルさんにこうした副反応が起こったのは、彼の遺伝子構造とワクチンの種類と関係している可能性が高いと語っている。また、こうした副反応は非常に稀であるため、依然としてヌタン医師は人々に新型コロナワクチンを接種するよう勧めると語っている:
(新型コロナ)ウイルスに感染するリスクと、ワクチン接種によるメリットを比べた場合、このリスク便益分析はやはりワクチンに軍配が上がります。
米食品医薬品局(FDA)は、ジョンソン&ジョンソン製のワクチンに対して、2月末に緊急利用許可を承認している。
2021年3月30日時点で、全米では9600万人が少なくとも1回、新型コロナワクチンの接種を受けている。自己申告製のパッシブな副反応報告システムである米CDCのワクチン有害事象報告制度(VAERS)によると、米国でワクチン接種後に皮膚に問題が生じた事例は1005ケース報告されている。ワクチン接種後に副反応が生じた事例は、合計16万137ケースが報告されている。
米CDCは、公式HP上で次のように説明している:
このようなアレルギー反応は、ほぼ常にワクチン接種後30分以内に発生する。安心なことに、ワクチンを提供する施設は、ワクチン接種後にアナフィラキシー反応を起こす患者を迅速かつ効果的に処置できる医薬品を備えている。
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テレルさんに起きた副反応とは関係ないが、米国時間で3月31日(水曜)、ジョンソン&ジョンソンは同社製新型コロナワクチンの1回の出荷分が、「品質基準に達していなかった」ことを認める発表を行った。
この日、Emergent BioSolutionsが運営するバルチモアの製造工場で、1500万回分のワクチンが損なわれたとニューヨークタイムズ紙が報じていた。同製造工場の作業員たちがワクチンの原料でミスを犯したという。このインシデントにより、連邦政府の規制当局は同工場の製造ラインを承認できなかったと同紙は報じている。
ジョンソン&ジョンソンは、水曜午後に発表した声明の中で、このエラーは品質管理プロセスの中で見つかったため、この出荷分は「当社の製造工程の中で、梱包や仕上げの段階まで進むことはありませんでした」と記している。何回分のワクチンが影響を受けたかは明らかにしなかった。
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一方、3月30日(火曜)、ドイツ政府はアストラゼネカ製ワクチンを60歳未満の若年者に投与することを制限すると発表している。これをウォールストリートジャーナル紙など複数メディアが報じた。理由は、同社製ワクチン接種を受けた若年患者の間(ただし少数)に血栓ができるインシデントが複数発生しているため。調査チームが、オーストリアとドイツで発生した稀な血栓ができた事例を9件調べた結果、この判断に至っている。
これら9人の患者のうち、8人が女性で男性は1人。年齢の中間値は36歳(患者の年齢幅は22歳〜49歳)。ワクチン接種を受けてから4日〜16日で血栓症を発症した。7人の患者に脳静脈血栓症(CVT)、1人の患者に肺塞栓症、そして1人の患者に内臓静脈血栓症と脳静脈血栓症が発生した。最終的に4人の患者が死亡した。
3月31日(水曜)時点で、60歳未満の人はアストラゼネカ製ワクチンの接種を受けたいと具体的に指名し、なおかつ医師により患者の申請が承認された場合にのみ、同社製ワクチンの接種を受けることができる。ドイツ政府はこれを30日(火曜)に発表している。
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