ジョー・バイデン氏の初の議会演説は「アメリカに対する宣戦布告」——ライブ放送の視聴者数はトランプ大統領の初回一般教書演説の4分の1以下
ジョー・バイデン米大統領は、4月28日(水曜)、連邦議会の上下両院合同会議で就任後初の議会演説を行った。しかしその視聴者数は、トランプ大統領が初めて行った一般教書演説より約3600万人も少ない1160万人だった。トランプ大統領が2017年に初めて行った議会での一般教書演説は、4800万人が視聴した。
トランプ大統領がその在任期間中に行った一般教書演説4回の中で、最も視聴者数が低かった2020年でも3720万人が視聴した。
今年のオスカー賞受賞式もテレビの視聴者数が過去最低を記録し980万人しか視聴しなかった。バイデン氏の議会演説は、それをわずかに上回る数にとどまった。
https://twitter.com/greg_price11/status/1387853372615692288?s=20
【訳】一般教書演説の視聴者数データが入った:
4800万人 ― 2017年のトランプ
4600万人 ― 2018年のトランプ
4680万人 ― 2019年のトランプ
3720万人 ― 2020年のトランプ
1160万人 ― 2021年のバイデン
簡単なフォローアップ:ケーブル局とオンライン配信を加えることで、バイデンの視聴者数はさらに数百万人が上乗せされるだろう。彼が獲得した視聴者数は、多少増加し、1500万人程度になる見込み。しかしこれでもトランプが獲得した最低の視聴者数の半分以下でしかない。
ジョー・バイデンがこれまで行った記者会見やスピーチでも、視聴者数が圧倒的に低く、質問する記者たちとの即興のやりとりがほとんど行われないことが知られている。逆に、ホワイトハウスの公式ユーチューブ・チャンネルには、ネガティブ評価の数が圧倒的に多いことが指摘されている。
公式の記録では、ジョー・バイデンは2020年大統領選挙で8100万票を獲得したことになっている。これは過去のどの大統領候補者よりも多い獲得票数である。バラク・オバマが2008年に当選した際に獲得した票数より1100万票も多い。
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一方、この夜、バイデンが行った演説の内容について、テッド・クルーズ上院議員(テキサス州選出・共和党)は、「退屈だが過激」と3ワードで要約している。
Biden’s speech was boring but radical. pic.twitter.com/kYajek7Yyd
— Senator Ted Cruz (@SenTedCruz) April 29, 2021
【訳】バイデンの演説は、退屈だが過激だった。
For the millions of Americans who found something better to do tonight than listen to Joe Biden outline his socialist vision for our country, I can summarize his speech in three words for you: boring, but radical.
— Senator Ted Cruz (@SenTedCruz) April 29, 2021
【訳】オンラインでジョー・バイデン(の演説)を聞くよりもマシなことをしていた数百万人のアメリカ国民たちへ、私たちの国に対する彼の社会主義的ビジョンの要点をまとめるなら、私は彼の演説を3ワードで要約できる:退屈、だが過激。
The National Interestのコンラッド・ブラック氏も、「ジョー・バイデンの演説はアメリカに対する宣戦布告だった」と評しており、クルーズ議員の「過激」というコメントと呼応している。
トランプ前大統領も、翌日にFOXニュースに電話で出演し、この夜の演説でバイデン氏が南部の国境問題について全く触れなかったことを酷評している。
そしてバイデン氏の議会演説を最も的確に評したのはウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙の論説委員会である。WSJ紙が掲載した論説記事は、バイデン氏が提案している1.8兆ドルもの支出プランが、収入を得るために就労するという古い社会契約を否定していると論じている:
貧困を防ぐための『セーフティーネット』はもう終わりだ。
これからは、中流家庭への給付金をメインにして、彼らが政府に、そして政府の推進役となった民主党に依存するようにすることが目的となっている。
…(中略)…
これらはすべて、つまるところ、就労を義務とする社会契約とはほとんど無縁の、堅実で保証された年収(訳者中:ベーシックインカム)につながる。就労こそが、自立と自尊心へつながる真の道であるにもかかわらず。
新たな増税は破壊的であるが、ポスト・パンデミックの経済が急成長する中で、その影響が感じられるようになるまでには時間がかかるだろう。共和党は、税金と支出を無視すべきではない。
しかし、この(1.8兆ドルの支出)法案がリスクを冒してでも狙う、より強力な政治的な標的は、就労という尊厳を軽視し、アメリカ人を政府の監視下に置こうとする福祉国家にすることなのかもしれない。
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