アイオワ州の公立校で子供たちに共和党の「MAGAムーブメント」はレイシストと教えるよう教師たちを指導——アメリカ版『文化大革命』が全米の教育機関に浸透中
共和党の地盤であるはずの内陸アイオワ州で、トランプ支持派の共和党有権者たちの間に広がっている「MAGA(アメリカを再び偉大に)ムーブメント」をレイシストであると教育するよう、公立学校が教師たちに指導している資料(冒頭の画像)が、告発者によって外部に流出した。保守系ケーブル局のNewsmaxが6月27日(日曜)に報じた。
この流出資料を報じたNewsmaxのベニー・ジョンソン氏は、「いったい、どうして私たちはこんな状況になってしまったのでしょうか?」と疑問を投げかけている。
Newsmaxの番組動画:
この流出した資料にあるピラミッドの図は、その頂点に「KKK(クークラックスクラン)」などの人種差別グループや人種差別行為が記され、左上には赤字で「あからさまな白人至上主義(社会的に受け入れられない)」と書かれている。そしてその下に横線が引かれ、それ以下は「暗黙の白人至上主義(社会的には受け入れられる)」と緑字で記されている。
この「暗黙の白人至上主義」の中で一番上位に記されているのが、赤く囲まれた「MAGA(アメリカを再び偉大に)ムーブメント」となっている。その右横に書かれた「雇用差別」や「警察による殺人」よりも上に位置している。
ここで疑問となるのは、トランプ大統領の集会には多くの黒人やヒスパニック系、そしてアジア系の人たちも参加しているということだ。アイオワ州の公立学校は、様々な人種や宗教、そして中には国籍を超えて起きている「MAGAムーブメント」を、どういう理論で白人至上主義のレイシストだと「教育」しているのだろうか?
アメリカという国は白人による組織的な人種差別主義(systemic racism)に基づいて建国されたという考え方は「クリティカル・レイス・セオリー(CRT)」と呼ばれ、その代表が左派メディア・ニューヨークタイムズ紙の記者によって始められた「1619プロジェクト」と呼ばれる修正歴史史観である。トランプ政権は、それに対抗して「1776レポート」を作成したが、バイデン政権は就任直後にそのレポートが掲載されたホワイトハウスのサイトを削除した。
共和党のアイオワ州知事や州議会の下院議長に公立学校が「クリティカル・レイス・セオリー(CRT)」を教育していることについてNewsmaxが質問したところ、次のような回答を得ている。
キム・レイノルズ知事:これは教育ではなく洗脳です。これこそ、まさに私がアイオワ州の学校で分断を生む概念や「クリティカル・レイス・セオリー(CRT)」を教えることを禁止するために行動を起こした理由です。子供たちは何を考えるかではなく、どのように考えるかを教えられる必要があります。
パット・グラスリー下院議長:「クリティカル・レイス・セオリー(CRT)」は、人々の人格ではなく、人種や性的自認を元にしたレッテル貼り、ステレオタイプ付け、そして邪悪視することを学生たちに教えます。さらなるレイシズムでレイシズムと戦うことはできません。
アイオワ州における共和党の政治家たちは、来月から「クリティカル・レイス・セオリー(CRT)」を教えることを禁止しているとNewsmaxは報じている。
* * *
学校で「クリティカル・レイス・セオリー(CRT)」を教える動きは全米で起きており、それに危機感を抱いた保護者たちが教育委員会との対話集会で詰め寄る場面が頻繁に報じられている。バージニア州ラウドン郡の教育委員会では、先週、トランスジェンダーの子供たちと「クリティカル・レイス・セオリー(CRT)」に関するパブリック・コメント集会が開かれた。それに参加した少なくとも2名の男性保護者が、議論が白熱するあまり退出要請を受けるも、それを拒否したため警察に逮捕される事態に発展している。
Newsmaxのこの番組の後半では、全米各地で子供たちや保護者たちが肌の色によって他人を差別することを教える「クリティカル・レイス・セオリー(CRT)」は間違っていると、非難するスピーチをまとめて紹介している。
フロリダ州のデサンティス知事は、6月22日(火曜)、共産主義と全体主義政府の「邪悪性」について学校で教えることを義務付ける2件の公民教育に関する法案に署名している。同時に、州内の大学機関で保守的なイデオロギーを排除することを阻止する1件の法案にも署名している。
BonaFidrをフォロー