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NSAが「いつものだましのテクニック」で疑惑を否定:FOXのカールソン氏を標的にしたスパイ行為は行っていない——しかし最近、国防総省はNSAから「機密情報を不正開示した」という理由で安全保障担当者を停職処分

グレン・グリーンウォルド氏(右)とエドワード・スノーデン氏|映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』より(Photo courtesy of Citizenfour)

保守系FOXニュースの人気司会者タッカー・カールソン氏の番組をつぶすために、彼と彼のスタッフたちの通信内容をスパイしているという疑惑に対して、国家安全保障局(NSA)が反論コメントを発表した。

 

6月29日(火曜)に投稿した公式ツイートの中で、国家安全保障局(NSA)はこの疑惑は「真実ではない」と主張した:

【訳】最近行われた疑惑についてNSAからの声明:

 

2021年6月28日、タッカー・カールソンは国家安全保障局(NSA)が「私たちの電子通信を監視しており、この番組をつぶすためにその内容をリークする計画である」と主張した。この申し立ては真実ではない。タッカー・カールソンは当局の諜報活動の標的であったことは一度もなく、NSAはこれまでに彼の番組をつぶそうとするいかなる計画を持ったことは一度もない。

 

NSAは外国での諜報活動をミッションとしている。我々は、米国に危害を及ぼす可能性のある外国の活動に関する情報を収集するために、外国の権力者を標的にしている。NSA は、緊急時などの限られた例外を除き、明示的に許可された裁判所の命令がない限り、米国国民を標的にすることは許されていない。

 

当時NSAのコントラクターであったエドワード・スノーデン氏を支援し、彼が告発したNSAによる違法な諜報活動を報じたグレン・グリーンウォルド氏は、今回のNSAによる反論について次のようにコメントしている:

【訳】第1に、NSAが(そのツイートに)返信することを許可していないことは奇妙だ。

 

第2に、NSA は何年にもわたってこれと同じ「だまし(のテクニック)」を使ってきた:彼らはアメリカ人を「標的」にすることなく、アメリカ人の通信をスパイすることができるのだ。

 

第3に、NSA は1人の人間を「標的」にしなくても通信内容を収集できる極めて広範な権限を持っている。

 

カールソン氏の番組に6月29日(火曜)に出演した人権弁護士でリバタリアン党支持者のハーミート・ディロン氏も、「NSAは米国内にいる外国人を監視している中で、『偶然』アメリカ人の通信内容を傍受してしまう」という活動を行っていると指摘しており、カールソン氏がNSAの監視対象になっているというのは「驚きではない」と語っている(以下はその番組動画)。

 

カールソン氏もこの番組内で、NSA による主張は「失笑すべき虚偽発言だ」と語っている。その証左として、ディロン氏は、過去にジェームズ・クラッパー国家情報長官(当時)が連邦議会に虚偽発言をしたことを謝罪したことがあることを指摘している。

 

2013年7月2日にU.S. Newsが報じた記事

国家情報長官が、連邦議会に虚偽発言したことを謝罪

クラッパー長官は、3月に諜報特別委員会に対して行った返事は「明らかに誤り」だったと語る。

 

国家情報長官は、上院諜報特別委員会の委員長に対して、公聴会で虚偽発言をしたことを6月に謝罪していたことが、火曜に国家情報長官のウェブサイトで公開された書簡によって明らかとなった。

 

ジェームズ・クラッパー長官は3月に同委員会に出席し、ロン・ワイデン上院議員(オレゴン州選出・民主党)から、NSAは何百万人ものアメリカ人をスパイしているのかと具体的に質問された。クラッパー長官は “No”と答えていた。

 

NSAが行っている米国民に対する違法監視活動について、さらにグレン・グリーンウォルド氏は次のように連続ツイートしている:

【訳】私は、NSAがカールソンや他のFoxのホストたちの通信を収集していたという主張を承認するわけでも支持しているわけでもない。単に私は知らないからだ。

 

しかし、私が確実に知っているのは、これがNSAによる「否定にならない否定」であるということだ。彼らが国民を欺くためにいつも使っているのと同じ誤った枠組みを使た「否定にならない否定」だ。

+++

2013年、私はNSAの極秘文書を使って、NSAがどのようにして令状なしに、アメリカ人を「標的」にすることなく、アメリカ人の通信を収集、保存、監視しているかを詳細に報道した。これらの行為は行っていないとNSAは全面的に否定している:

https://www.theguardian.com/world/2013/jun/20/fisa-court-nsa-without-warrant

 

【訳】これもスノーデン報道の真っ只中に私たちが報道した記事。NSAは外国諜報活動偵察法(FISA)のプロセスについて常に嘘をついている。NSAにはアメリカ人の通信を収集する広範な権限がある——そしてしばしば実際に収集している——そしてその人を「標的」にすることなくそれを行っている:

https://www.theguardian.com/commentisfree/2013/jun/19/fisa-court-oversight-process-secrecy

 

+++

 

参考情報:国防総省は、最近NSAの「機密情報を不正開示した」という理由で親トランプ派の安全保障担当者を停職処分にした

 

(引用ツイート)

国防総省のサイバー担当トップのセキュリティクリアランス(機密取扱者の保全許可証)が停止された。機密情報を開示した疑いで。

 

ケイト・アリントン(サウスカロライナ州の議員)は、2018年の予備選挙でトランプの支援を受けてマーク・サンフォードを破ったが、一般選挙では敗北。

 

2019年に国防総省の役職に任命された。

 

https://bloomberg.com/news/articles/2021-06-29/top-pentagon-cyber-official-probed-amid-disclosure-concerns

(太字強調はBonaFidr)

 

【訳】これは、国民に嘘をつくことを目的とした安全保障国家機関が行うことであり、自らが投稿した虚偽の主張やプロパガンダの反証を誰にも見られたくない場合に行うことだ。ただただ異様だ:

(添付された画像は、NSAがツイートした反論コメント。それに返信できるのはNSAの公式アカウントが言及したユーザだけに制限されている。)

 

トランプ政権の上級補佐官を務めた弁護士のA.J.デルガド氏は、グリーンウォルド氏の投稿に返信する形で次のメッセージをツイートしている:

【訳】私もそのように考えていた。NSA は、タッカーの通信を傍受したかもしれないことも、彼のコミュニケーション内容の一部を持っていることも否定していない。そして彼らは、おそらく起こったこと(他の人/ことについて広範な情報収集をしている中で彼が巻き込まれたこと)についても否定していない。

 

  • タッカー・カールソン氏は、NSAの内部告発者から彼は監視されているという警告を受け取った。
  • そして最近、国防総省は、NSAの「機密情報を不正開示した」という理由で親トランプ派の安全保障担当者を停職処分にした。

 

この2つの「点」は、見る者につないでくれとばかりに眼前に横たわっている。

 

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