ワクチン接種にためらうのは超高学歴と低学歴層に二極化——米大学の研究結果
米国のカーネギーメロン大学とピッツバーグ大学の研究者たちが行った新たな研究によると、最もワクチン接種を躊躇しているのは博士号取得者であることが判明した。この研究の査読前論文(プレプリント)が、7月20日に発表された。
研究者たちは、500万人のアメリカ人を対象に、新型コロナワクチンの接種を予定しているかについて問うアンケートを実施した。
このアンケート結果は、多くの人にとって驚く内容となっている:
「さらに驚くべきことは、教育レベルによるワクチンへの躊躇(ためらい)の内訳である。
躊躇と学歴の関係はU字型の曲線を描き、学歴の低い人と高い人の間で最も高い躊躇が見られることがわかった。修士号を持っている人が最も躊躇(ちゅうちょ)しておらず、博士号を持っている人が最も躊躇していることがわかった」とUnHerdは報告している。
(太字強調はBonaFidr)
(Graph via UnHerd)
この研究が示唆するのは、いわゆる高等教育とされる4年制大学や修士号を取得している層が、ワクチン接種を躊躇する率が最も低く、左派主流メディアによる「報道」の影響を最も受けていると考えられることだ。
時間の推移による意見の変化を見てみると、2021年1月~5月までの5カ月間では、最も教育レベルが低い層はワクチンへ躊躇すると回答した比率が最も減少した一方で、博士号を持つ人が最も考えを変えない傾向にあった(以下のグラフ)。
教育レベル
縦軸:ワクチンへ躊躇すると回答した比率(%)
横軸:時間(2021年1月~5月)
赤:高校以下 緑:4年制大学 オレンジ:専門職学位(JD法科大学院など)
青:短大等 紫:修士号 黄:博士号
(Graph via “Time trends and factors related to COVID-19 vaccine hesitancy from January-May 2021” )
この研究では、ワクチンの接種を躊躇している人の不安要素として、「副反応の可能性」が最も多く、2番目には「政府への信頼感の欠如」が僅差で続いていることも明らかになった。
ワクチン接種への躊躇(ためらい)は、人種や年齢層によっても大きな違いが現れている(以下のグラフ)。
(Graph via “Time trends and factors related to COVID-19 vaccine hesitancy from January-May 2021” )
特にワクチン接種をためらうと回答した比率が高いのは、赤枠で囲った44歳以下の黒人、54歳以下のネイティブ・アメリカン、そして75歳以上のヒスパニック系となっている。一方、緑の枠で囲ったアジア系は全ての年齢層においてためらうと回答した比率が低く、最も「従順」な人種/民族となっている。
米国では、政府がアフリカ系アメリカ人に対して行った悪名高い「タスキギー梅毒実験(Tuskegee syphilis experiment)」の記憶が今でも根強い。左派はこの米国における「負の遺産」を過小評価しているが、今回のワクチン接種の躊躇率を調べた結果に、その影響が如実に現れている。
左派メディアの代表格ニューヨークタイムズ紙の関連報道を揶揄する保守系記者ジャック・ポソビエック氏の投稿:
Vaccine mandates are systemic racism https://t.co/c8442Pgj1n
— Jack Poso 🇺🇸 (@JackPosobiec) August 13, 2021
【訳】ワクチン接種の義務化は「組織的な人種差別」(*)である。
(引用されたニューヨークタイムズ紙のツイート)
若年黒人ニューヨーカーのうち、ワクチンを完全に接種しているのは27%に過ぎないことをデータが示している。この不透明な時代に、彼らは政府に自分の健康を任せられないと恐れているのだと多くの人は言う。
「これは公衆衛生上の大きな失敗だ」と、とある疫学者は語っている。
(*米国には「組織的な人種差別(systemic racism)」が蔓延しているというのが、BLM/ANTIFAや左派の活動家が行っている主張。)
カーネギーメロン大学とピッツバーグ大学の研究者たちが行った今回の研究結果は、米国の左派主流メディアが流布している「ワクチン接種を躊躇するのは田舎の教育レベルが低い白人層」(つまりコアなトランプ支持派)というイメージを完全に否定するものにもなっている。左派主流メディアは、こうした共和党が主流の田舎を「頑固な地域」と呼んでネガティブキャンペーンを展開している。
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