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新型コロナ報道の虚構:米国における今年の「新型コロナ入院患者」の約半数は軽症または無症状——全米のコロナ入院患者約5万人の電子記録を調査

Photo via Flickr

米国における「新型コロナ入院患者数」の信頼性とその意味を疑問視する、新しい研究結果が発表された。「COVID-19感染症で入院した人のほぼ半数は、軽症または無症状の症例である」ことを示す新たな研究結果を、アトランティック誌が9月13日(月曜)に報じた。

 

「新型コロナ入院患者数」は、パンデミックの深刻さを議論する際に最もよく耳にする指標であるが、それがかつて多くの人が考えていたほど意味のある数字ではないかもしれない。

 

アトランティック誌は、エコノミスト誌と並んで左派リベラルのインテリ層が愛読する雑誌。

 

昨冬には、アトランティック誌も、「新型コロナ入院患者数」は「最も信頼できるパンデミックの指標」と言っていた。しかし現在、全米の入院記録を調査した結果が発表され、アトランティック誌はこの過去の発言を撤回することを意味する報道を行なっている。

 

ハーバード・メディカル・スクール、タフツ・メディカル・センター、そして退役軍人医療制度の研究者たちは、入院した人の中で新型コロナの症例がどの程度深刻だったのか、また、新型コロナによる入院とカウントされた人の中で、実際に新型コロナのために入院した人と、他の病気で入院した後に新型コロナの検査を受けた人がどの程度いるのかを調査した。

 

この研究は「全米に100以上ある退役軍人病院のコロナ入院患者、約5万人の電子記録を分析した」。そして、国立衛生研究所(NIH)が定める「重度の新型コロナ」の基準を満たしているかどうかを判断するために、「各患者が補助酸素を必要としていたか、または血中酸素濃度が94%以下であったかどうかを確認した」とアトランティック誌は紹介している。

 

この研究でわかったことは、2020年3月~2021年1月まで、これら病院内での新型コロナ症例の36%が軽度または無症状だったということだ。デルタ型の感染が拡大した2021年1月~6月にかけては、この数字が一気に48%まで上昇した。ワクチン接種済みの入院患者では、57%という驚くほど高い数字になった。

 

アトランティック誌は次のように伝えている:

この研究によると、2021年に新型コロナの統計指標に現れる入院患者の約半数は、まったく別の理由で入院していたり、軽度の疾患を呈していただけだった可能性がある。

 

今回の調査の限界は、調査対象が退役軍人病院ということで、女性はほとんど含まれていないことや、子供は全く含まれていないため、米国の全ての人口を代表するサンプルではないことである。しかし、「それでもなお、今回の結果は、小児科の入院患者を対象とした2件の研究の結果と同じである」とアトランティック誌は指摘している。

 

一方、ピッツバーグ大学メディカルセンターの感染予防・病院疫学部門の医長であるグラム・スナイダー医師は、この研究では、ワクチンがどれだけ効果的であるかというリード情報が埋もれていると語っている:

ワクチンがどれだけ人々の生活をより良いものにしてくれるか、どれだけ病気になりにくくしてくれているか、入院しても悪化しにくくしてくれているか、ということはあまり報道されていません。それがこの研究の秀逸な部分です。

 

コロンビア大学の感染症専門医であるダニエル・グリフィン医師も同様の意見を述べている:

『いずれ入院することになるのなら、なぜワクチン接種を受ける必要があるのでしょうか?』と私は人々から質問されます。しかし私は、『いずれあなたは退院することになりますよ』と答えています。

 

今回の研究の共著者で、タフツ・メディカル・センターの病院疫学者で感染症内科医でもあるシラ・ドロン医師は、次のように語っている:

私たちは、入院の定義を改善する必要があります。新型コロナ以外の理由で入院しているこれらの患者たちは、この指標に分類されるべきではありません。

 

そしてアトランティック誌は、この研究を次のように総括している:

この研究はまた、ジャーナリストや政府関係者が引用する新型コロナの入院率は、慎重に考えないと誤解を招く可能性があることを示している

(太字強調はBonaFidr)

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