ニュースレター登録

Loading

オールドメディアが伝えない海外のニュース

グレートリセットのためのコロナ・パンデミックとウクライナ紛争:しかし世界的な金融崩壊は不可避——元ブラックロック、エドワード・ダウド氏【インタビュー】

エドワード・ダウド氏(Screenshot via Jerm Warfare)

■ 2022年、金融破綻と経済破綻が進行中

ダウド氏:それから時間を早送りして2022年、さて何が起こっていると思いますか?事態は混乱し、インフレが猛威を振るっています。最悪の事態です。

私たちは、今、金融破綻そして経済破綻の危機に瀕しています。経済破綻はすでに進行しています。金融市場はそのことをかなり短期間のうちに把握しかかっています。彼らはすでに多少は把握しています。2022年1月から、米国株式市場が20%の調整に入ったのを覚えていますか?

その後、一時的な「サマーラリー(summer rally)」がありました。(「サマーラリー」とは、米国の株式市場において、夏場にかけて株価が上昇しやすい現象のこと。)数週間前にサマーラリーの相場はピークに達したと思います。私たち(米国の株式市場)は、これから米国中間選挙に向かって深刻で大規模な下げが始まるところにいます。

■ グレートリセットとしてのブレトンウッズ4

ダウド氏:・・・ブレトンウッズは、彼らが集まり物事をリセットする場所です。これから「ブレトンウッズ4」が開かれ、そこで彼らはまたリセットし、中央銀行デジタル通貨(CBDC)が導入されるだろうと私は確信しています。・・・それによってみなさんが行う全ての取引・経済活動を彼らはモニタリングし、あなた方を支配することができるようになります。もしあなたが正しい行動をしなければ、ソーシャル・クレジットスコア(社会信用スコア)によってあなたの支払い能力は「オフ」にされてしまいます。このリセットによってもたらされる支配・管理システムは、恐ろしく悲惨なものになると私は思います。だから私たちは戦わないといけません。そして新たなシステムを考える必要があります。私は新しいシステムを考えつくほど賢くはありません。そのシステムは、絶対に負債をベースとしたものにはならない。

■ 暗号通貨

Jerm氏:暗号通貨は今のシステムの代替となりうるでしょうか?

ダウド氏:暗号通貨ですが、私はタイミングを逃しました。私は暗号通貨オタクではありません。タイミングを逃しました。その技術は良いと思います。そのレッジャー・システム(管理台帳システム)は透明性があります。ただ、その他のあらゆる物事と同じように、暗号通貨も流動性にとらわれてしまい、独自のバブルを生んでいると思います。

暗号通貨、特にビットコインは生き残るでしょう。その他のコインのいくつかは破綻し、ゴミになるでしょう。しかしいくつかの暗号通貨、ビットコインとその他のいくつかは長期的に存続するでしょう。ただし、私たちが今年目にしたような最高値に戻ることはしばらくの間ないと思います。長期的には、富を保存する場所、そして私たちの「支配者(オーバーロード)」たちの目を避けて取引を行う方法になると思います。

Jerm氏:グローバル経済は、今、病院のベッドで生命維持装置につながれた状態にあると私は感じています。

ダウド氏:その通りです。企業発表を見ると、虹だったりユニコーンだったり(呑気なお花畑)であふれています。しかし実態経済は暴落しています。「バルチック・ドライ指数(Baltic Dry Index)」と呼ばれるものがあり、これはコモディティ商品を世界に出荷するための貨物船の運賃を示す指標です。これは経済活動のベースラインのようなものです。この指標が1、2週間前に過去最低を記録しました。株式市場と債券市場は、まもなくこれに追随して下落すると思います。

■ 恐怖に負ける人たち vs 自力で生きる人たち

Jerm氏:私たちは全く新しいパラダイムに突入しているのでしょうか?

ダウド氏:そうだと思います。そのパラダイムとは・・・他力本願な人たち、そしてすぐに怯えて怖がる人たちは、専制政治や全体主義がその足がかりを得るきっかけになります。しかし自由を欲する人たちからの抵抗が起きるでしょう。自力で生活の糧を得て、政府の目から遠ざかる、ルネサンス(再生)を起こす人たちです。これら2つの勢力の間で、握り拳がぶつかるようにせめぎ合いが起きるでしょう。

そして事件を企てる人たち(世界を牛耳る人たち)は、恐怖に怯える人たちを可能な限り多く増やそうとする。もし恐怖に怯えない私たちの人数を増やすことができれば、その人数が多いほど私たちの勝算はアップします。その数は増加していると思います。これまで何が起こっているかを理解しているのは人口の5%ほどだったと思います。しかし現在は15%~20%に増えていると思います。

そして政府が私たちを心理的にだまそうとし続けるほど・・・私がここで言う「政府」とは世界中の全ての政府です。世界中の政府が私たちをだまし、嘘をつく。その嘘はあまりに馬鹿げたものになっています。これまで何が起こっているのか気がついていなかったような人たちまでが、首をかしげて「それは筋が通らない」と思うようになっています。そんな時がまさに、その人の考えを変えるチャンスです。

ワ●チ●の大失敗の問題に私も関わっていますが・・・素晴らしいニュースは次のようなことです。彼らはあまりに致死率が高いものを作ってしまったために、人々は(覚醒し)・・・それは悲劇的なことですが、最終的には自由にとって・・・

私見ですが、計画ではスローキル(ゆっくりと殺す)作戦を実行するつもりだったのだと思います。しかしあまりに致死性が高かったので、あまりに急速に多くの人たちに障害を発生させてしまいました。効果すら全くないものです。多くの人たちが理解できず頭をかいている状態です。これは良いことです。必要なのは、私が言うところの「絶好の機会(window of opportunity)」、人々を改心させるための小さな絶好の機会さえあればいいのです。全てを話す必要はありません。「政府はあなたに嘘をついたじゃないか。なんで人を信じるんだい?」と言えばいいのです。

■ ドルとインフレ率が同時に上昇するのは史上初

Jerm氏:もし連銀(FRB)が金利を上げるとどうなりますか?

ダウド氏:連銀は景気後退(リセッション)に向けて金利を引き上げています。ちなみに彼らがそれをやったことは過去に一度もありません。ですので、それは金融パニックを引き起こすと思います。そしてレバレッジ解消が引き起こされ、全世界で巨大なマージンコール(追証)が発生するでしょう。

しかしちょっと考えてみると、彼らはそれを望んでいるのかもしれません。例えばあなたが世界基軸通貨だとして、世界中の誰もがドル建てで負債(債券)を発行していたとします。多くの人たちが実際にそうしています。チャイナもそうだし、欧州もそうです。ドル建ての負債(債券)が山のように発行されています。約15兆ドルです。

すでにお気づきかもしれませんが、ドル(の為替レート)は急上昇しています。2000年代初頭以来のドル高です。なぜこのようなことが起きているのか?その理由は、(借金をした)人たちが次々とデフォルト(債務不履行)を起こしていて、彼らが金利を支払うため先を争ってドルの資金調達を行っているからです。ドル建て負債の借り換えを行うために物を売っている(ドルの現金調達を行っている)のです。

ドルが下がると、それは通常、与信創造が起きている時です。つまり、事態は順調という状態です。ドルが上がると、信用収縮が起きていることを意味します。これは大きな問題です。

連銀(FRB)は景気後退(リセッション)に向けて金利を引き上げています。この他にも面白いことは、コモディティ・サイクルやインフレ・サイクルにおいて、ドルが上昇したことは一度もありません。通常であれば真逆の値動きをします。ドルが下がると、(石油、農産品、貴金属といった)コモディティ価格は上がるのです。コモディティ・サイクルとインフレ・サイクルにおいて、ドルとインフレ率が同時に上昇するのは今回が初めてです。オイルダラー(petrodollar)が導入されて以来、史上初のことです。

Jerm氏:それはなぜなのですか?(市場が)操作されていることを示唆しているのでしょうか?

ダウド氏:いいえ違います。(身を乗り出しながら)これは、金融システムの終焉を示唆しています。

Jerm氏:(のけぞりながら驚きの)Oh~。

ダウド氏ドルは上昇しながら破綻するのです。ドル高を続けながら破綻するのです。

Jerm氏:なんてこった。

ダウド氏:多くの人たちがこのことを理解していません。だから金(ゴールド)を信じて買い続けている人たちには気の毒な気持ちです。ゴールドはいずれ素晴らしいものになるでしょうが、今の時点では予想された値動きではありません。なぜなら、ドルは上昇しながら破綻するからです。

そしてドルは、他の国々にとって非常に深刻な問題となるでしょう。これは大問題です。もしあなたが連銀だったとして、他の国の資産を安い値段で買いたいとしたら、ドルを高騰させたくはありませんか?

■ 対ロシア制裁

Jerm氏:このこと(ドル高)に関して、対ロシア制裁にはどういった役割があるのでしょうか?

ダウド氏:これらが引き起こした最大の問題は、ロシアの金融機関を国際的決済網のSWIFTというドル決済システムから排除すると脅したことによって、ドルの基軸通貨としての完全性を自ら攻撃してしまったということです。・・・バイデン政権がこれを意図して行ったのか、それとも愚かだからやってしまったのかはわかりませんが、これを行ったことによりドルに対する信用を下げてしまいました。

・・・基本的にこの行為(ドル決済システムから排除するという脅し)は宣戦布告です。もし世界金融システムにおいてその国の銀行機能を制限するということは、その国の人民に対して過度で不当な負担を押し付けることになります。そうなると他の国はこう考えるようになります。「彼ら(米国)がそんなことをロシアに対してするんだったら、私たちと米国との間で万が一にでも問題が生じた場合も・・・だったら別の決済システムを持った方がいいんじゃないか?」と。なので、結果的にドルの信頼を下げることになります。これは意図されたものかもしれませんし、単に愚かなだけなのかもしれません。・・・ロシアに対する制裁は、控えめに言っても愚かで馬鹿げています。

Jerm氏:それ(西側の経済制裁)はロシアに全く影響を与えていないように見えます。

ダウド氏:その通りです。ロシアのルーブルは下落はしましたが、その後、過去最高値を付けています。経済制裁の内容がどのようなものであれ、全く効いていません。

チャイナ経済はすでに破綻。次は戦争。

Jerm氏:こうした状況の中、チャイナはどれくらい影響力があるのでしょうか?

ダウド氏:チャイナは巨大です。1980年代に話を戻してみましょう。ブッシュ(シニア)、レーガン、クリントンです。クリントンが北米自由貿易協定(NAFTA)に署名し、チャイナが世界貿易機関(WTO)に加盟することを許しました。

正直に言いましょう。チャイナには、奴隷労働がありました。1980年代から現在まで、企業は多くの製造業務をチャイナに移管してきました。チャイナには増加を続ける巨大な人口があったので、西側企業からの製造業務の移転をうまく利用してきました。

そして現在、深刻な金融危機に直面していて、自らの経済を浮揚させ続けるために巨額の財政支出を行いました。その支出の多くは、私たちが言うところの「非生産的な資産」に使われました。つまり不動産です。街が建設されても、誰も人が住んでいないといった状況です。しかしそこには負債が連結しています。

最近チャイナで起きていることはというと、人口動態的な「壁」と言われるものに突き当たっています。人口動態は経済周期の中で大きな部分を占めます。人口動態を研究する人たちは将来を垣間見ることができます。彼らは2020年にこの壁に突き当たりました。日本が1990年代初頭に突き当たってデフレスパイラルに突入したのと同じようにです。

チャイナはかつて経験したことがない向い風に直面しています。彼らは文字通り崩壊の真っ最中です。そしてもしあなたが内部崩壊する場合、あなたが権力を持ち続けるために必要なのはあなたの国の外にいる人たちに責任を押し付けるということです。

ですので、チャイナが危険だというのは、内部崩壊していて外にスケープゴートを必要としているという意味で危険なのです。それは台湾かもしれないし、米国かもしれない。スケープゴートの対象はどこでもいいのです。

負債(借金)は、権力の座にある者たちを不自然な行動に駆り立てます。つまり、(金融、経済)システムそのものが戦争を引き起こすのです。私見ですが、戦争が始まります

4ページ目を読む>>

BonaFidrをフォロー

執筆者

error: コンテンツは保護されています。