バイデン政権の“過激派”がSVBの売却を阻止「破綻銀行を買うことが許される企業とそうではない企業のホワイトリストがあった」——SVBとシグネチャー銀行は再オークション、ファースト・リパブリック銀行は「ジャンク」に格下げ
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規制当局のFDICは、シグネチャー・バンクの買い手には、シグネチャーの全ての暗号通貨事業を放棄することに同意するよう求めていると報じられている。
ニューヨークを拠点とするシグネチャー・バンクは、暗号通貨にフレンドリーな主要銀行の一つ。同銀行は暗号通貨業界で多くのパートナーシップ関係を締結していることで知られていた。
トム・エマー下院議員は3月15日、FDICに書簡を送り、連邦政府が合法的な暗号通貨を排除するために銀行業界に関する問題を「武器化」していることに懸念を表明している。
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破綻したシリコンバレー・バンク(SVB)を買収する民間の買い手が先週末に現れたが、米国連邦預金保険公社(FDIC)のマーティン・グルーエンバーグ会長が反対したと、事情を知る関係者の話を引用してウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙が3月13日(月曜)に報じた。そしてFDICは、破綻したSVBとシグネチャー・バンクを再びオークションにかけると3月15日(水曜)にロイター通信が報じた。
報道によると、SVBを国有化する代わりに、米財務省とFRBが好ましいと思う民間銀行がSVB買収に名乗りを上げていた。しかしバイデン政権の「過激派」がそれを阻止していた。
WSJは次のように伝えている:
(民間銀行に売却する)代わりに、規制当局は、未知数のコストを払って保険に加入していない銀行の預金者や他の銀行までも救済する解決策を提示した。その未知数のコストを、バイデン氏は白状していない。
トランプ政権下で経済諮問委員会の委員長を務めたケビン・ハセット氏は、Fox Businessに出演した際、「手を上げて(SVBを)買収しようとする買い手はいたが、FDICの過激派は根本的にそれを許すつもりがなかった… バイデン政権には、破綻銀行を買うことが許される企業とそうではない企業のホワイトリストがあった」と語っている。
Grabie Newsの創設者トム・エリオット氏は、「もしこれが本当なら、これはバイデンのまた新たなスキャンダルだ」とツイートしている。
【訳】WSJもこれを報じているが、もしこれが本当なら、これはバイデンのまた新たなスキャンダルだ。ある程度通常範囲内の銀行破綻を自由市場に解決させるのではなく、彼らはこの機会を利用してSVBを国有化し、税金を使って彼らの選挙資金提供者たちを確実に完全救済することにした。
ケビン・ハセットが明かす――「手を上げて(SVBを)買収しようとする買い手はいたが、FDICの過激派は根本的にそれを許すつもりがなかった… バイデン政権には、破綻銀行を買うことが許される企業とそうではない企業のホワイトリストがあった」。
そしてFDICは、破綻したSVBとシグネチャー・バンクを再びオークションにかけるため、買収に興味ある銀行は3月17日(金曜)までに入札するよう要請しているとロイター通信が伝えている。
ロイター通信によると、FDICの規制当局者たちは、先週末に失敗したSVBのオークションを再開させるため、投資銀行パイパー・サンドラー・カンパニーズのアドバイザーを起用したという。
先週木曜に420億ドルの預金引き出しがあり、その翌日に破綻したSVBを、FDICは差し押さえその経営権を取得している。
そして今週月曜、FDICの当局者らは上院の共和党議員たちに対し、SVBの破綻とそれが米国金融システムへもたらす脅威が明らかになったことで、同行の売却についてより柔軟な対応ができるようになったと語ったと、事情を知る関係者がWSJに語っている。
一方、SVBの親会社であるSVBファイナンシャルグループは、別途、自社の投資銀行部門と投資事業の売却先を探している。
そしてクレディ・スイスによるシステミック・リスクが米国の銀行株の足を引っ張る中、ファースト・リパブリック銀行をS&Pが「ジャンク」に格下げしたことで世界的なリスク回避の動きが加速している。
金融規制当局が破綻した銀行を救済し、ファースト・リパブリック銀行も積極的に借入可能額を増やしているにもかかわらず、同行からの流出リスクは依然として高いとS&Pは判断し、ファースト・リパブリック銀行の長期発行体信用格付けをA-からBB+に引き下げている。
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