ハンター・バイデンは対諜報活動や強要に関与した懸念と、売春・人身売買組織にも関わっていた可能性がある|米上院議会が調査報告書を公開
アメリカ上院議会はハンター・バイデンについて調査を行ってきたが、9月23日(水曜)その待望の調査報告書が公開された。(この調査報告書は上院議会の公式サイトで公開されている。)
ハンター・バイデンは民主党から大統領選挙に立候補しているジョー・バイデンの息子であり、オバマ政権時代に副大統領を務めた父親の代理人として、大規模な汚職に手を染めてきたのではないかという疑惑の渦中にある。
上院議会が発表した調査報告書は、ハンター・バイデンがウクライナ、チャイナ、そしてロシアの企業と行ってきた金融取引が潜在的に「金融犯罪、対諜報活動、そして強要行為(を行なっている)という懸念」を生み出していると報告しており、組織売春・人身売買から贈収賄に至るまで、潜在的な犯罪行為が行われたと警告している。
この調査報告書は、共和党が多数派を占める上院国土安全保障政府問題委員会と上院財政委員会が共同で発表した。この報告書が公開されたのは、第1回目の大統領討論会が開かれるわずか6日前となっている。
上院国土安全保障政府問題委員会のロン・ジョンソン議長のツイート:
OUT TODAY: Report with @chuckgrassley found millions of dollars in questionable financial transactions between Hunter Biden & his associates and foreign individuals, including the wife of the former mayor of Moscow. https://t.co/R1MxQ4xGKP
— Senator Ron Johnson (@SenRonJohnson) September 23, 2020
【訳】本日公開:チャック・グラスリー上院議員との共同報告書で、ハンター・バイデンおよび彼の関係者たちと、海外の個人らとの間で、数百万ドルにものぼる疑わしい金融取引が行われていたことを発見した。こうした海外の個人には、モスクワ市長の元妻も含まれている。
保守系ニュースサイトDaily Callerのチャック・ロス氏は、ハンター・バイデンが保有する複数の企業とロシアおよびチャイナ出身の外国人との間で行われた疑わしい金融取引は、深刻な懸念を生んだと報じている。こうした外国人には、中共政府とつながりのあるチャイナのビジネスマンも含まれていた。さらに、父親であるジョー・バイデンがオバマ政権のウクライナ担当窓口であった時期に、息子ハンターがウクライナのエネルギー企業大手であるブリズマ社の取締役に就任していたことについて、アメリカ国務省の職員たちは2015年から2016年にかけて懸念していたとも報じている。
さらにロス氏は次のように報じている:
政府官僚であるアモス・ホッチスタイン氏は、当時副大統領であったジョー・バイデンに対して、2015年10月、ブリズマ社取締役会の役職にハンター・バイデンが就任していることは「ロシアによるデマ情報キャンペーンを可能にし、米国によるウクライナ政策を弱体化させるリスクにさらしている」と伝えたと、上院国土安全保障政府問題委員会と上院財政委員会に語った。
ハンター・バイデン(現在50歳)は、彼の父親ジョー・バイデンがオバマ政権の対ウクライナ主要連絡担当に就任した直後の2014年4月、ブリズマ社の取締役会に就任した。
Daily Callerのロス氏は、今回発表された調査報告書がハンター・バイデンによる犯罪行為の直接的証拠は示していないと指摘している。その一方で、共和党議員たちは数々の証拠により、ハンター・バイデンが「彼の父親がアメリカの副大統領であった時期とそれ以降の期間に、彼が築いたビジネス・コネクションを元に、海外の出資者たちから数百万ドル」を受け取っていたという問題ある全体像を映し出していると語っている。
同報告書によると、ハンター・バイデンは、元モスクワ市長の妻であったエレーナ・バツリナからも350万ドルを電信送金で受け取っている。
Just The Newsのジョン・ソロモン氏は次のように報じている:
おそらく最も衝撃的な新事実は、違法行為である可能性がある活動の対価として、ハンター・バイデンと彼のビジネス・パートナーであるデボン・アーチャーが海外で受け取った支払いに対し、アメリカ財務省が警告を発していたということだ。
いわゆる『疑わしい取引の報告(Suspicious Activity Reports:SAR)』と呼ばれる通報により、ウクライナのガス会社ブリズマ・ホールディングス、ロシアの新興財閥イェレーナ・バツリナ、そして中共政府とつながりのあるチャイナのビジネスマンらから送金された数百万ドル分の送金に対して警告が発せられていたと、同報告書は記している。上院の調査員たちは、FBIやその他機関がこの懸念事項について捜査を行なったのかまだ断定していない。–Just The News
合計87ページにのぼるこの調査報告書は、「(上院委員会の両)議長たちが入手した財務省の記録は、ハンター・バイデン、彼の親族、そして彼の関係者であるウクライナ国籍、カザフスタン国籍、そしてチャイナ国籍の人物らの間で行われた取引と関係して、潜在的な犯罪行為があったことを示している」と記している。ハンター・バイデンが保有する複数の企業が関わっているその他の金融取引についても、「潜在的な金融犯罪活動」として財務省は警告を発していた。こうした取引には、ハンター・バイデンの叔父ジェームズ・バイデンに対する電信送金も含まれている。
Daily Callerは次のように報じている:
本調査報告書は、中國華信能源有限公司(CEFC China Energy Co.)の設立者であるイェ・ジャンミン(叶简明)と、彼の関係者で米国を拠点にしているゴンウェン・ドン(董龚文)から、ハンター・バイデンが保有する複数の企業に電信送金された数百万ドルについて焦点を当てている。
共和党議員らによると、イェ(叶)はチャイナ政府と「広範囲に及ぶ」コネクションを持っている。
この上院議会の調査報告書は、2017年8月4日に、イェ(叶)が保有する企業の子会社でCEFC Infrastructure Investment (US) LLCという名称の企業が、バイデンの弁護士事務所であるOwascoに対して10万ドルを電信送金していると記している。
その1ヶ月後の2017年9月8日には、ハンター・バイデンとゴンウェン・ドン(董龚文)が共同で設立したペーパー・カンパニーであるHudson West III LLCの社名で、10万ドル分の与信枠(融資限度枠)を申請していたと同報告書は記している。
ハンター・バイデン、彼の叔父であるジェームス、そしてジェームスの妻サラ・バイデンは、クレジットカードを使ってこの会社の口座を利用しており、10万1291ドル分の買い物をしていた。共和党議員たちは、航空チケットやホテル代、レストラン、アップル・ストアでの商品といった「贅沢品」にこれら資金が使われたと語っている。–Daily Caller
* * *
さらに、この調査報告書が引用しているアメリカ政府の記録によると、売春組織および人身売買組織との潜在的つながりがあることについて懸念が見つかったという。
調査報告書は次のように記している:
ハンター・バイデンは、ロシアもしくはその他の東欧諸国出身の女性たちに対して金銭を支払っていた。彼女たちは(アメリカの長期滞在資格を持たない)非居住者。彼女たちは、東欧の売春組織もしくは人身売買組織とつながりがあるようだ。
上院国土安全保障政府問題委員会のロン・ジョンソン議長は、Just The Newsの取材に対して、ハンター・バイデンが行ってきた外国との取引の中に見つかった潜在的な違法行為の量を見るだけでも、ジョー・バイデンが違法に(外国政府に対して)影響力を行使したり強要行為を行ったのではないかという疑惑をさらに深めていると語っている。
さらにジョンソン議長は次のように語っている:
この報告書は深刻な疑義を提示しており、バイデン元副大統領はこれら疑問に答える必要がある。単純に、無視するにはあまりに多くの潜在的な利害の対立、対諜報行為、そして強要の脅威が存在している。
一方、バイデンの選挙陣営は、この上院の調査報告書が「我々の選挙の独立性に対する外国からの攻撃を、税金を使って支援するための活動」であり、「ずっと以前に真実ではないことが証明されている、筋金入り右翼の陰謀論」を広げるための活動であると反論している。
Biden campaign's @AndrewBatesNC calls Sen. Ron Johnson's report on Burisma/Hunter Biden an effort to "subsidize a foreign attack against the sovereignty of our elections with taxpayer dollars" and to push a "long-disproven, hardcore rightwing conspiracy theory" pic.twitter.com/LRDKEdu0fK
— Johnny Verhovek (@JTHVerhovek) September 23, 2020
【訳】バイデンの選挙陣営のアンドルー・ベイツは、ブリズマとハンター・バイデンに関するロン・ジョンソン上院議員の調査報告書のことを、「我々の選挙の独立性に対する外国からの攻撃を、税金を使って支援するための活動」であり、「ずっと以前に真実ではないことが証明されている、筋金入り右翼の陰謀論」を広げるための活動であると呼んでいる。
当然、左派メディアは、民主党からの大統領候補者であるジョー・バイデンを擁護することに懸命となっている:
A totally laughable headline from Politico, which was the go-to outlet for Democrats to pre-empt and undercut the Biden probe. https://t.co/vy7rfX6fZ2 pic.twitter.com/yqkLGla8GY
— Chuck Ross (@ChuckRossDC) September 23, 2020
【訳】(左派メディアの)Politicoが完全に滑稽な見出し。Politicoは、バイデン疑惑への捜査を回避しその効果をなくすために民主党が頼りにしている報道機関だった。
(記事の見出し)共和党の上院議員たちによる反バイデン報告書は、古い主張を焼き直ししたもの
しかしPoliticoの見出しとは反対に、この調査報告書には多くの新たな発見事項が記載されている。Daily Wireのライアン・サーベドラ記者が、その要旨をまとめたものをここで報じている(英語記事)。
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