HSBCがさらに1万人の社員解雇を検討とFT紙:コスト削減プロジェクト『Project Oak』が進行中
英国が拠点の大手銀行HSBCが、内部で「Project Oak」と呼ばれているコスト削減プロジェクトを進めていると報じられた。欧州そして世界の金利が低下し、母国ではブレグジットの不安定リスクがくすぶり続け、さらに香港では不動産価格が急落したりATMから現金が不足するなど社会的な不安定性が蔓延する中、HSBCはすでに報じられている同行4700人の社員削減に加えて、さらに1万人を削減する検討を行っているとフィナンシャル・タイムズ(FT)紙が報じた。
前任のCEOジョン・フリント氏の後を継いだ、暫定CEOのノール・クイン氏は、様々なコスト削減計画を検討しており、その中に1万人の雇用を削減する案も含まれている。この件に関して説明を受けた人物の1人は、次のように語っている:
我々は、何年もの間、当社のコスト基盤について何かを行う必要があることに気がついていた。その最大の要素が人だ。我々はついにその茨の道を進み始めている。
非常に困難なモデルの構築が行われている。アジアの一部地域で2桁台のリターンが得られているのに、なぜ我々はこれほど多くの人員をヨーロッパに抱えているのかと自問している。
HSBCにおける最新のコスト削減対象は、主に高い給与を受け取っている役職に集中していると報じられており、内部で「Project Oak」と呼ばれる社内改革に基づいて実施されている。このプロジェクトは、銀行幹部や管理職に対して、彼らのチームを縮小するよう促すもので、中央集約された資金プールから運営費を分配することで重複している給与をターゲットにしている。
HSBCによるコスト削減の動きは、その他のグローバル金融機関が何万人もの重複人員を削減する動きに追随したものである。最近では、ドイツ銀行が、バークレイズ銀行、ソシエテ・ジェネラル銀行、シティバンク銀行に引き続いて大量解雇を発表していた。銀行業界は、低金利やマイナス金利、そして減少する投資銀行部門の売上といった課題に直面している。
HSBCは、今月末に行われる第3四半期の収益報告を行うタイミングに合わせてコスト削減を開始していることを正式に発表する可能性があると、情報源である1人の人物がFT紙に語った。HSBCは、人員削減計画を正式に公表する最終決定をまだ行っていない。
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