亡命したと噂されていた石正麗氏がチャイナ国営TVに出演し武漢ウイルスは「氷山の一角でしかない」と語る|ホワイトハウス国家安全保障担当補佐官は「チャイナ版チェルノブイリ」と批判
フランスの米国大使館(領事館)に亡命申請したと噂されていた武漢ウイルス研究所の主任研究員、石正麗氏が、最近チャイナの国営テレビに出演してインタビューを受けた。5月25日、ブルームバーグがこれを報じている。石正麗氏を含めて最低5人が国外に脱出したと噂されていた。一方、こうしたネット上の噂話を否定する報道を、チャイナ国営のタブロイド紙Global Timesが報じていた。
コウモリを宿主とするコロナウイルスの研究者「バット・ウーマン」として知られる石正麗氏は、チャイナ国営テレビであるCGTNに出演し、今回新たに発見されたウイルスは「氷山の一角でしかない」と語った。
もし人類が次に起きる感染症のアウトブレークから身を守りたければ、私たちは、自然界の野生動物を宿主とするこれら未知のウイルスを学ぶために事前に行動を起こし、早期に警告を発しなければいけない。・・・もし私たちがこれらウイルスを研究しなければ、また新たにアウトブレークが発生する可能性が高い。
しかし現実はその逆で、安全性が杜撰だと散々指摘されていた武漢ウイルス研究所でこれら危険なウイルスを研究していなければ、パンデミックは発生しなかった可能性が高い。
石正麗氏が出演したこのチャイナ国営テレビのインタビュー動画をデイリー・メイル紙が掲載している(以下)。このインタビューがいつ撮影されたかは不明である。
石正麗氏をはじめ、武漢ウイルス研究所の所長や中共政府は、新型コロナウイルス(武漢ウイルス)が同研究所から漏れ出たものであるという疑惑を一貫して否定している。しかし、中共政府は、国内の研究機関に対してウイルスの検体や研究結果を全て廃棄するよう命令を出していると報じられている。
さらに武漢ウイルス研究所は、今回発生したコロナ災禍と自らの関係性を断ち切るために、同研究所にあるウイルス・データベースを改竄していることが明らかになっている。今月初め、ニューヨークポスト紙が次のように報じている:
武漢海鮮市場が消毒される何日も前、内部告発者たちは処罰され、ウイルスの検体は廃棄された。そして高度なセキュリティーが敷かれている武漢ウイルス研究所では、世界的パンデミックに発展する可能性のあった新型コロナウイルスのアウトブレークと同研究所との関係性を断ち切ることを誰かが試みており、研究所のウイルス・データベースを検閲・改竄していた。
ニューヨークポスト紙のミランダ・デバイン記者は、英国の諜報機関の分析官がこの事実を発見したと報じている。この分析官は、オープンソースの分析手法を複数利用することで、データベースで改竄が行われていることを発見したという。
一方、今年2月26日、北京を拠点に活動する報道機関、財新(Caixin)が、「新型コロナウイルスの遺伝子配列の起源を追跡する(“Tracking the Source of New Coronavirus Gene Sequencing”)」という記事を掲載した。その中で、湖北省衛生健康委員会が昨年12月28日、新型コロナの遺伝子配列を解析した研究所に対してその検体を廃棄し、解析情報を公開しないよう命令していたと報じた。この記事が投稿されると瞬く間に話題となったが、すぐにこの記事は取り下げられており、現在は閲覧できなくなっている。
武漢ウイルス研究所のデータベースで行われた改竄は、湖北省衛生健康委員会が遺伝子配列の解析を行った研究所に検体を破棄するよう命じた2日後の昨年12月30日の夜に行われたという。また、改竄は大規模なものであったとニューヨークポスト紙は報じている。これは、中共政府がWHOに対して、武漢で新たな肺炎患者のクラスターが発生していると報告した前日のことである。
そしてこの大規模な改竄が行われたウイルス・データベースの主たる連絡窓口は、他の誰でもなく石正麗氏その人である。石正麗氏は、武漢で2人の肺炎患者が確認された時、上海で開かれていたカンファレンスに出席していた。すぐに武漢に戻るよう命令を受けた石正麗氏は、そこから夜行列車に乗って武漢に戻ったという。石正麗氏が列車に乗っている頃にデータベースは改竄されたとニューヨークポスト紙は報じている。
ほとんどの改竄は、「野生動物」といったキーワードを削除するものだった。これは重大である。なぜなら、世界の健康衛生に関する研究者たちは、このウイルスが別の野生動物を経由してコウモリからヒトに飛び移ったと語っているためだ。野生動物は、COVID-19の感染の連鎖の中で重大な「ミッシング・リンク」だからだ。
石は、彼女が管理しているコウモリのウイルスに関するデータベースが珍しく特殊なものであると自慢していた。その理由は、コウモリ以外の別の野生動物で見つかるウイルスの変異体についても含んでいたからだ。
彼女のデータベースは、野生動物の中でウイルスが種を超えて感染することに言及していたために、(マスメディアなどの)詮索の目をそれから逸らすために検閲・改竄されたのだろうか?
例えば、このデータベースのタイトルは、この夜、「野生動物で発生したウイルス病原体データベース」から「コウモリおよび齧歯動物(ネズミ)で発生したウイルス病原体データベース」へ変更された。
このデータベース上では、「野生動物」が「コウモリおよび齧歯動物(ネズミ)」へ最低10回置き換えられた。また、「媒介節足動物」への言及が削除された。
このデータベースと今回のアウトブレークを関連づける可能性があるような検索を促すキーワードも削除された。「野生動物サンプル」、「ウイルス病原体データ」、「新興感染症」、そして「異種間の病原体感染」というキーワードが、改竄前の元のデータベースとは関連付けされていた。
12月30日、これらキーワードは「コウモリ」、「ネズミ」、「ウイルス」へと置き換えられた。–New York Post
このデータ改竄をつきとめた英国諜報機関のアナリストは次のように語っている:
このデータベースを全く別のものに「イメージ変更」することで、今回のアウトブレークと彼らの研究プロジェクトとの関係を断とうと、大急ぎで行われた一貫性のない行為のように見える。新型コロナウイルスのアウトブレークについて連絡を受けてから数時間以内に行う行為としては奇妙である。
もし武漢ウイルス研究所が、(コウモリのコロナウイルス)RaTG13 と、SARS-CoV-2 (武漢ウイルス)との間のミッシング・リンクを発見していたとすれば、それは石のデータベースだ。
* * *
こうしたチャイナによる武漢ウイルスへの対応について、ホワイトハウス国家安全保障担当補佐官であるロバート・オブライエン氏は、チェルノブイリ原発でメルトダウンが起きた際にそれを隠蔽しようとしたソビエト連邦のようだと語った。
5月24日、NBCニュースに出演したオブライエン氏は、昨年賞を受賞したHBO製作のチェルノブイリ原発事故についてのドキュメンタリー番組について言及し、次のように語っている:
彼ら(チャイニーズ)がこのウイルスについて行った隠蔽行為は、後に歴史でチェルノブイリと並び語られるだろう。この先、10年後か15年後か、HBOの特別番組として(チャイナによる隠蔽の真実について)我々は見ることになるだろう。・・・
これは深刻な問題であり、アメリカそして世界中で何万人もの人命を犠牲にした。なぜなら、本当の情報が発信されることが許されなかったからだ。・・・
これは隠蔽だった。そして我々は、最終的に、真相を明らかにするだろう。
以下はオブライエン氏が出演したNBCニュース番組:
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