BLM(黒人の命は大切)組織が密かにホームページのマルクス主義に関する文章を削除|全米でBLMへの支持が急落する中
AP通信が新たに発表した世論調査によると、全米におけるBLM(黒人の命は大切)抗議デモに対するアメリカ国民の支持率が15ポイントも急落した。現在、ほとんどのアメリカ国民はBLM抗議デモに対して否定的な意見を持っているという結果が示されている。
この世論調査結果をSummit Newsが次のように報じている:
AP通信と全国世論調査センター(NORC)が共同で行った調査で、44%のアメリカ人が、黒人アメリカ人への警察の暴力に対する抗議デモを支持しないと回答した。それに対して、39%が支持すると回答した。6月の調査では54%が支持すると回答していた。この新たな世論調査は、9月11日〜14日に実施された。これはブリオナ・テイラー殺害の罪でルイビル市警察官が一人しか起訴されないという発表が行われた水曜より前のこと・・・
■ ブリオナ・テイラー殺害事件とは
警官起訴も死亡責任問われず 黒人女性射殺事件―米ケンタッキー州
【ニューヨーク時事】米ケンタッキー州ルイビルで3月、自宅アパートで黒人女性の救命士ブリオナ・テイラーさん=当時(26)=が警官に射殺された事件で、同州の大陪審は発砲に関わった警官3人のうちブレット・ハンキソン容疑者(免職)のみを起訴した。司法当局が23日発表した。ただ、テイラーさんを死なせた罪には問われず、地元のほかニューヨークなどで抗議デモが発生。米メディアによると、ルイビルでは夜間外出禁止令が出された。
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AP通信の最新の世論調査では、白人アメリカ人のうちわずか35%しかBLM抗議デモを支持していない。これは6月の53%から大幅の下落である。ヒスパニック系アメリカ人の間でも支持すると回答したのは、6月の調査の44%から31%へと下落している。黒人アメリカ人の間でも、6月の調査の81%から、今回の調査では63%へと下落している。
政党の支持層別で見てみると、共和党支持者の間では6月の調査の29%からわずか9%へと下落している。一方、民主党支持者の間では依然として70%がいまだにBLM抗議デモを支持している。しかし、民主・共和どちらの支持者たちの間でも、BLM抗議デモが「ほとんど、または全てが暴力的」と考えている。
実際、プリンストン大学の「米国クライシス・モニター(US Crisis Monitor)」が行った調査によると、5月26日〜9月12日の間に全米では637件の暴動が発生し、そのうちの91%がBLMムーブメントと関係があったことが示されている。
■ 選挙のカードには使えなくなりつつあるBLM
これまでBLM抗議デモに参加し、社会不安が高まっているのはトランプの失政のせいだと非難してきた民主党議員たちも、数週間前に「潮目」が変わったことにようやく気づき始めている。下院議長のナンシー・ペロシ議員(民主党)も、ついに先週、毎晩全米で繰り広げられている暴動を批判し始めている。
Speaker Pelosi: "We support peaceful demonstrations. We participate in them. They are part of the essence of our democracy. That does not include looting, starting fires, or rioting. They should be prosecuted. That is lawlessness." pic.twitter.com/Xq89RLR70f
— The Hill (@thehill) September 17, 2020
【訳】ペロシ下院議長:「我々は、平和的なデモ活動を支持する。我々はそうした活動に参加する。彼らは我々の民主主義の根幹の一部を成している。これには、略奪行為や放火、暴動を行うことは含まれていない。そうした行為は起訴されるべきだ。それは不法行為だ」。
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全米の世論の潮目が変わり、そしてこれまでBLMを支援してきた民主党の政治家たちの姿勢が変わってきたことを察知してか、BLMは公式ウェブサイトにある「我々の信念(what we believe)」のページを密かに削除している。
BLMが自分たちの組織についた「マルクス主義を信奉する組織」という悪いイメージを払拭しようとしていると、ジェイソン・ウィトロック氏は分析している:
BLMの『我々の信念(what we believe)』のページは、元来このムーブメントが強力にマルクス主義の影響を受けていることを暴露していた。このページは、核家族を破壊することを呼びかけていた。この一節を直接引用する:
「我々は、互いに拡張された家族そして集団で相互扶養する「村」として助け合うことによって、西欧社会に命じられた核家族という構造たるべきという要求を破壊する。母親、親たち、そして子供達が安心できるレベルで、特に我々の子供達を集団で相互扶養する」。
これはマルクス主義の概念だ。
ポスト・ミレニアル(The Post Millennial)のリビー・エモンズは、BLMの意図を簡潔にまとめて次のように記している。BLMは「『共有される子供たち』というマルクス主義の原理を信奉しており、アメリカの理想である個人主義と家族の結束という家族構造を破壊することを支持している」と。
人々は、ようやくキャッチーなBLMのスローガンに隠された本質に気づき始めており、本当の意図を見極めようとしている。彼らの意図は、カール・マルクスの、神を否定する親・共産主義の政治理論である。BLMは自分たちの「我々の信念(what we believe)」のページを削除した。なぜなら、賢い人々はBLMから距離を取り始めているからである。
BLMの公式サイトに、こうした共産主義思想の信念が長い間記載されていたにもかかわらず、アメリカの主流メディアはこの事実やBLMの背後にいる人物たちについて一切質問を行っていない。
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しかし世論は徐々に変わってきている。この夏、黒人選手が多く活躍するアメリカのプロ・スポーツ団体は、BLMのムーブメントに完全に飲み込まれていた。BLMのスローガンをアメフトの試合会場やバスケット・コートに表示して連帯を示している。一方、プレミア・サッカー・リーグはBLMと距離をとっている。
元プロサッカー選手のカール・ヘンリーさんは次のツイートを投稿している:
I think the majority of the UK have now had enough of that organisation.
— Karl Henry (@karlhenry08) June 29, 2020
A new inclusive and politically-neutral anti-racism movement to follow and get behind is much needed.
Black people’s lives matter! ✊🏾
The divisive #BlackLivesMatter organisation, however, DOES NOT! https://t.co/ekdjfvw5Dx
【訳】英国の大多数は、今この組織にうんざりしていると思う。
排他的ではなく政治的に中立な反レイシズム運動が新たに続く必要があり、それを支持することが必要だ。
黒人の人々の命は大切だ!
しかし分断を招くBLM組織は重要ではない!
今年のUSオープン・テニスで2度目の優勝を果たした大坂なおみ選手は、BLMのメッセージがプリントされたマスクやTシャツを着てその抗議デモへの支持を表明している。大坂選手にもBLMの政治的意図について早く気がついて欲しいものだ。
Black Lives Matterと印刷されたTシャツを着る大坂なおみ選手
Photo by Matthew Stockman/Getty Images via Insider
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