ツイッターは方針を180度転換し、バイデン一族の汚職を報じるNYポストの記事を検閲しないと発表
わずか2日前、ツイッターは過去に例を見ない情報統制を行い、NYポストが報じたバイデン親子によるチャイナとウクライナとの汚職を具体的に示すeメールについてのスクープ記事を投稿禁止にしていた。しかしアメリカの世論や政治家たちからの猛批判を浴び、ツイッターは10月16日(金曜)、このNYポストの記事をブロックすることを撤回すると発表した。
ニューヨークタイムズ紙が、金曜午後、このニュースを最初に報じた:
(ツイッターは)ユーザが、まだ実証されていない、ハンター・バイデンに関するNYポストの記事へのリンクを共有することを許可し始めた。これまで、この記事へのリンクを同社プラットフォーム上ではブロックしていた。
ツイッター社の広報担当者は、The Hillにこの事実を認めた。ツイッター社は、「訴訟免除の保護措置」を保証している通信品位法のセクション230特権が剥奪されることを恐れたようだ。同社の広報担当者はThe Hillに対して、ユーザはすでにこのNYポストの記事のリンクをツイートすることも、DMで送信することも可能となっていると語り、方針を180度転換した理由について次のように語っている:
「かつては個人情報であったものが(この記事には)含まれていたが、現在では報道やその他のデジタル・プラットフォーム上で広く閲覧可能になっているため」。
しかし3日間にわたって自社プラットフォーム上でなりふり構わない検閲を行ったという事実は、ツイッターやフェースブックなどの大手SNS企業が明らかな政治バイアスを持っていることを世界に露呈させた。
上院商務委員会は、すでにツイッターのジャック・ドーシーCEO、フェースブックのマーク・ザッカーバーグCEO、グーグル(アルファベット)のスンダー・ピチャイCEOを10月28日に証人喚問することを決定している。この委員会では、IT企業へ「訴訟免除の保護措置」を保証しているセクション230を改革することについて議論される見込み。
ツイッターのジャック・ドーシーCEOは、金曜朝、ふたたび謝罪ツイートを投稿している:
Straight blocking of URLs was wrong, and we updated our policy and enforcement to fix. Our goal is to attempt to add context, and now we have capabilities to do that. https://t.co/ZLUw3YD887
— jack (@jack) October 16, 2020
【訳】URLをただブロックするというのは誤りだった。そこで我々は(誤りを)正すために、我々のポリシーと執行を更新した。我々の目標は、文脈を追加しようと試みることであり、現在、当社はそれを行う機能を追加している。
バイデン支持を公表している左派メディアのニューヨーク・タイムズ紙ですら、今回のツイッターとフェースブックによる検閲行為は冷笑の的だと酷評している:
ツイッターとフェースブックが矢継ぎ早に(検閲ポリシーを)変更したことは、両社を笑い者にし、また、両社を規制する動きを活性化した。
ハーバード大学公共政策大学院(ケネディスクール)のショレンスタイン報道・政治・公共政策センター、そのリサーチ・ディレクターであるジョアン・ドノバンは次のように語っている:
「ポリシーは行動を取るための指針である。しかしこれらプラットフォーム企業は、彼らのポリシーに責任を取っていない。彼らは、ただ単に世間のプレッシャーに反応しているだけであり、そのため彼らは将来的に政治家による影響力に左右されることになるだろう」。
最大の皮肉は、ツイッター社がセクション230の特権剥奪というリスクを犯してまで大規模な検閲を行ったにもかかわらず、NYポストの「ハンター・ゲート」記事は全米の誰もが知るニュースとなったということだ。
【10月17日(土曜)追加情報】
ツイッター社は、いまだにNYポストのオフィシャル・アカウントの凍結を解除していない。
Day 3 @nypost account access has not been reinstated.
— Emma-Jo Morris (@EmmaJoNYC) October 17, 2020
【訳】3日目。NYポストのアカウント凍結がまだ解除されていない。
金曜ツイッター社はポリシーを変更し、ハンター・バイデンの秘密のeメールについて投稿することを許可すると発表した。ただし、「ハッカーやハッカーと協力して行動している者によって直接シェアされている場合は例外」と説明している。しかし、この新ポリシーは、過去に遡っては適用されないという。つまり、NYポストは自社記事へのリンク先を投稿したツイートを削除しなければ、公式アカウントの凍結を解除してもらえないことを意味している。
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