ニュースレター登録

Loading

オールドメディアが伝えない海外のニュース

米ミッチ・マコーネル上院院内総務が政界引退を計画=報道

米・共和党ミッチ・マコーネル上院院内総務が政界引退を計画=報道

ミッチ・マコーネル上院院内総務(Photo via Flickr)

「アメリカの二階俊博」とも言える共和党のミッチ・マコーネル上院院内総務が、現在の任期が満了する前に政界引退を計画しているとの情報を、The Interceptが3月4日(木曜)に報じた

 

ミッチ・マコーネル上院議員(79歳)がまもなく政界引退かと報じられた理由は、同議員が、出身地であるケンタッキー州の州議会と、自身の引退戦略について協力していると報じられたため。

 

ケンタッキー州では、上院議員が任期満了前に辞任する場合、州知事が次回の選挙までの暫定的な後任者を独断で任命できる権限がある。マコーネル上院議員は、現在、ケンタッキー州議会と協力して、この知事の任命権限を剥奪し、州の共和党にその任命権を与える法案を可決する計画を進めていると報じられている。

 

ケンタッキー州の共和党は、すでに後任候補をリストアップしており、最有力候補は州司法長官のダニエル・キャメロン氏、次いで元国連大使のケリー・クラフト氏、そしてケンタッキー州の州務長官であるマイケル・アダムス氏が続くと報じられている。当然、彼らは全員、マコーネル上院議員と非常に近い人物。

 

ミッチ・マコーネル上院院内総務は1985年から上院議員を務めており、2020年の選挙で7期目の当選を果たした。これはケンタッキー州選出の上院議員として最長記録。

 

The Interceptによると、共和党は、ケンタッキー州のアンディー・ベシア知事(民主党)がマコーネル上院議員(共和党)の後任に民主党の候補者を選ぶことを懸念している。現在、連邦議会における上院の議席は、共和党と民主党(民主党寄りの無所属を含む)との間で50対50となっている。もしマコーネル上院議員の1議席が民主党に取られると、この均衡が崩れることになる。

 

なぜ今のタイミングで辞任するのか?

 

マコーネル上院議員が、なぜこのタイミングで辞任を計画しているのか?というのは大きな疑問となっている。暫定的な後任者の任命権を知事から共和党に移譲する法案を共同提出した、ケンタッキー州・州議会のトム・バフォード上院議員は、「なぜ今なのか、具体的な理由は何もない」とThe Interceptに語っている。また、内部の人間がThe Interceptに語った情報では、マコーネル上院議員に健康上の問題はなく、むしろ、彼の政治家としてのレガシー(遺産)を確固たるものにすることを懸念しているという。

 

今年1月6日の議事堂襲撃の後、マコーネル上院議員はトランプ前大統領とたもとを分かつ言動をとったことで、マコーネル上院議員の政治家としてのレガシー(遺産)が足元から揺らいでいると報じられている。トランプ前大統領に対する2回目の弾劾裁判で、マコーネル上院議員は無罪評決を言い渡す方に1票を投じたが、弾劾裁判の公聴会では、トランプ前大統領は議事堂襲撃に対して「実質的そして道徳的な責任がある」と非難していた。

 

そしてもう一つの要因として、マコーネル上院議員の妻であるイレーン・チャオ前運輸長官が、連邦倫理法に違反していると今週報じられたことが挙げられる。

 

昨年12月、運輸省は、司法省に対してチャオ長官(当時)を捜査するよう要請したが、司法省はその要請を拒否していた。この司法省の判断に、マコーネル上院議員が圧力をかけたのではないかということが、当時からすでに懸念されていた報じられている

 

マコーネル上院議員がいつ引退するか、具体的な期限はないが、後任の任命権限を移譲することを可能にする州法が可決されれば、いつでもマコーネル議員は引退する準備が整うことになると報じられている。ケンタッキー州の州議会は、上下院共に共和党が多数派を占めているため、たとえベシア知事が反対しても、この法案は可決される可能性が非常に高い。

 

このニュースに対する一般市民の反応

 

https://twitter.com/Jupe511/status/1367716298608713729

【訳】マコーネル上院院内総務(別名、モスクワのミッチ・マコーネル)が自ら選んだ後任を要求できるよう、ケンタッキー州をゲリマンダー化することは、政治操作であり腐敗だ。

 

【訳】このニュースは、ケンタッキー州全土、いや全米のビルボード(電光掲示板)に掲載されるべきだ。人々が、いかにマコーネルが邪悪かを真に見ることができるように。

 

【訳】ミッチ・マコーネルは、ダニエル・キャメロンを育ててきた。そして今、彼はキャメロンに自分の上院議員の議席を譲ろうとしている。覚えているかもしれないが、ダニエル・キャメロンは、ブリオナ・テイラーを殺害した警察官たちのために、陪審員たちに嘘の罪状を提示したケンタッキー州の司法長官。

 

https://twitter.com/lindanjohnson1/status/1367601032356892673

【訳】ミッチ・マコーネルの脱出計画に、ただ単にノーと言おう

 

マコーネルの法案は、上院議員が任期を満了しない場合に後任を任命する権限を知事から剥奪するものだ。民主党のアンディ・ベシア(知事)は、ミッチ・マコーネルをお払い箱にする用意ができている。彼(マコーネル)は、彼の党——ケンタッキー州の共和党——に(後任を)選ばせたいと思っている。

 

【訳】これはケンタッキー州の有権者にとって、そして国にとって、とても悪いニュース。 ケンタッキー州民は、マコーネルが選ぶ彼の後任には投票しなかった。(彼らは、おそらくマコーネルにすら投票しなかった。)

 

ミッチ・マコーネルの妻イレーン・チャオ前運輸長官が連邦倫理法に違反=監察長官の報告書で判明

 

BonaFidrをフォロー

執筆者

error: コンテンツは保護されています。