ビットコインが大暴落した前日の5月11日、FRBのパウエル議長は米取引所コインベースのCEOと直接面会していた——中央銀行の「見えざる手」は株式市場だけでなく暗号通貨も操作?
最近公開された米連邦準備制度理事会(FRB)パウエル議長の5月のスケジュールから、5月11日午前11:15に、パウエル議長は米暗号通過取引所コインベースのブライアン・アームストロングCEOと直接面会していたことが明らかとなった。コロナ禍にある中、パウエル議長はほとんどのミーティングをズーム(Zoom)で行っており、直接面会するのは異例。
さらに特筆すべきは、この時のミーティングに共和党の元下院議長であるポール・ライアン氏も同席していたということだ。(2016年当時、マイク・ペンス氏とポール・ライアン下院議長はやりとりしたeメールの中で、大統領選に出馬しているトランプ氏を引きずり下ろそうと画策していた。そのeメールを、今年1月、リン・ウッド弁護士が公開し話題となっていた。)
パウエル議長の5月のスケジュールより
(Screenshot via “CHAIR JEROME H. POWELL MAY 2021 CALENDAR” )
さらにこのミーティングの翌日12日には、米国商品先物取引委員会(CFTC)の元委員長であり、現在「Digital Dollar Project(デジタル・ドル・プロジェクト)」(*)の責任者を務めているクリス・ジアンカルロ氏ともパウエル議長はミーティングを行っている。
(*)Digital Dollar Project(デジタル・ドル・プロジェクト)とは?
米国の連邦準備制度理事会(FRB)が発行する中央銀行デジタル通貨(CBDC)「デジタルドル」についての調査・研究・提案などを行うプロジェクト・・・
(出典)
そしてコインベースのアームストロングCEOとのミーティングが行われた5月11日から、ビットコインの価格は5万7000ドルから3万3000ドルへ1週間もたたず半分近くにまで暴落した。(以下のグラフ)
(Chart via CoinMarketCap)
ビットコインが大暴落した主な原因は、イーロン・マスク氏が5月12日に、環境問題を理由にテスラ社は自動車購入の支払い手段としてビットコインを受け付けないとツイートしたためと広く報じられていた。しかし、2017年12月以来、ビットコイン価格が最大の下落を記録した前日に、パウエル議長はコインベースのCEOに何を伝えていたのか?その発言がビットコインの価格に影響を与えたのか?という疑問が当然湧き上がる。
* * *
FRBや米財務省が金融市場を操作していることは以前から多くの市場関係者が指摘している。
最近では、6月21日(月曜)朝、ジョー・バイデン氏がFRBのパウエル議長、イエレン財務長官、SECのゲンスラー委員長と面会して以降、米国の株式市場は2週間、連続してほぼ毎日、上昇を続けており史上最高値を更新している。(以下のグラフ)
(Graph via Yahoo! Finance)
この面会が行われる前の週、米国の株式市場は下落が続き、NYダウ市場は過去8ヶ月で最悪の1週間を記録していた。そしてブルームバーグ通信は6月21日(月曜)、この日のミーティングを次のように報じ、株式市場の暴落を受けてバイデンが金融政策トップたちを呼びつけたと市場関係者の間ではもっぱら語られていた:
本日行われるバイデン大統領との会談には、パウエルFRB長、イエレン財務長官、ロスティン・ベーナム米商品先物取引委員会委員長代理が出席する。
また、他の出席者は以下の通り:
・ゲアリー・ゲンスラー 米国証券取引委員会(SEC)委員長
・デーブ・ウエヒオ 米国消費者金融保護局(CFPB)長官代理
・イェレーナ・マクウィリアムズ 米国連邦預金保険公社(FDIC)総裁
・マイケル・シュー 米国通貨監督庁(OCC)長官代理
BonaFidrをフォロー