英国政府の国民医療サービスNHSが新型コロナ感染者との「接触通知アプリ」に誤って50万件の警告を送信——「10日間の隔離」を命じられたユーザが大量にスーパーに押し寄せ食料品不足に
先週、英国政府の国民医療サービス(NHS)は、新型コロナ感染者と接触した利用者にそのことを通知する「接触通知アプリ」に誤って50万件の警告(ピング)を送信してしまうアクシデントが発生した。この通知は、「10日間の隔離」を命じていたため、それを受け取った大量の人たちがスーパーに押し寄せ、棚から食料品が消えたとインディペンデント紙が7月22日(木曜)に報じた。英国の各メディアはこれを「ピング・デミック」と呼んでいる。
英国全土のスーパーの棚から食料品が消えたと報じる英国のデイリー・メール紙の一面にも「ピング・デミック(pingdemic)」の文字が踊る。
(Image via Daily Mail)
新聞やSNS上には、空になったスーパーの棚の写真が数多く掲載・投稿されている。
Empty shelves seen in supermarkets as public warned ‘don’t panic buy’ as #pingdemic cripples Britain pic.twitter.com/0j811H36pl
— The Sun (@TheSun) July 22, 2021
【訳】国民は「パニック買いするな」と警告されているにもかかわらず、スーパーマーケットでは空の棚が見られた。#ピングデミックは英国を活動不能にした。
Popped out for some juice and crisps … #panicbuying #pingdemic #staylocal pic.twitter.com/mRrEJzmY67
— Robin's Runs (@runnerGWR) July 22, 2021
【訳】ジュースとフライドポテトを買いに出たが・・・#パニック買い #ピングデミック #地元に滞在
https://twitter.com/richardjportman/status/1418175709235777542
【訳】おい待て ― 国民にパニック買いするなと要請するな、よ・・・(ため息)#ピングデミック
Just for those who still think Brexit was a good idea and that food shortages was a Remainer "scare-mongering" tactic … #Brexit #BrexitShambles #panicbuying #pingdemic #ToriesOut pic.twitter.com/sSGUCp0vap
— Brandon Hamilton (@brandonham_) July 22, 2021
【訳】ブレグジットは良いアイデアで、食糧不足は残留派の「不安を煽る」戦術だったとまだ思っている人のために・・・#Brexit #BrexitShambles #panicbuying #pingdemic #ToriesOut
英国のボリス・ジョンソン首相は、今週月曜の深夜をもって残るコロナ関連の規制を完全に撤廃したが、その後にこの「ピングデミック」が英国全土を襲っている。
さらに、食肉業界の団体は、英国の食品サプライチェーンは労働力不足により「破綻」の危機に瀕していると警告していた。英国の大手スーパーマーケットIcelandも、労働力不足により最近、数週間にわたっていくつかの店舗の閉鎖を余儀なくされていた。こうした問題も、今回の「ピングデミック」を悪化させる要因となっている。
* * *
一方、フランスに続き、英国でも9月末から一部の公共施設でワクチン・パスポートを義務付けるとボリス・ジョンソン首相が7月19日(月曜)に発表したが、早速、その対象施設が続々と追加されている。
英国のワクチン担当大臣ナディム・ザワウィ氏は下院で行った演説で、スポーツ・イベントやビジネス関連イベント、教会、コンサート会場、フェスティバルなども対象になるだろうと語った。
Nadhim Zahawi confirms vaccine passports in UK.
— TalkTV (@TalkTV) July 22, 2021
He also reiterates double jabs becoming a condition of entry at any venue where “large crowds gather and interact”, such as nightclubs, concerts and theatres.
“We reserve the right to mandate its use in the future.”#talkRADIO pic.twitter.com/5lvRgAHKMS
【訳】ナディム・ザワウィが、英国でワクチン・パスポートを(義務化することを)認める。
彼はまた、ナイトクラブやコンサート会場、劇場など、「大勢の人が集まり、交流する」会場では、2回のワクチン接種が入場の条件になることを再確認した。
「我々は、将来的にこの利用(ワクチン・パスポートの利用)を義務付ける権利を有している」。
しかしイギリス人の有名ミュージシャンであるエリック・クラプトン氏は、7月21日(水曜)、COVID-19ワクチン接種を証明することを義務付ける会場では演奏することを拒否すると発表している。
友人で映画プロデューサーのロビン・モノッティ・グラジアデイ氏のテレグラム・アカウントにその声明が投稿された。エリック・クラプトン氏は、アストラゼネカ社製ワクチンを2回接種したが、ひどい副反応に苦しみ、一時期は2度とギターが弾けなくなるとまで言われたと今年5月にローリング・ストーン誌に語っていた(日本語記事)。その際、実験段階のワクチンを2度も受けさせるよう推進する「プロパガンダ」を批判していた(ローリング・ストーン誌の英語記事)。
今回、エリック・クラプトン氏は次のように声明を発表している:
2021年7月19日(月)に行われた首相の発表を受けて、光栄にも私からも発表させていただきます。私は、観客が差別されるようなステージには出演しないことを発表します。すべての人が入場できるように配慮されていない場合、私はショーを中止する権利を有する。
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