ワクチン接種後に報告されている稀な「体の炎症」の副反応を欧州医薬品庁が調査——英国政府は健康な12~15歳の子供にワクチン接種を推奨しないと判断
欧州連合(EU)の医薬品規制当局である欧州医薬品庁(EMA)は、ファイザー社とBioNTech社が共同開発したCOVID-19ワクチンに関連した体の炎症リスクを調査していると9月3日(金曜)に発表した。
欧州医薬品庁の安全性委員会は、デンマークの17歳の男性が多系統炎症性症候群(Multisystem Inflammatory Syndrome:MIS)を発症したという報告を調査している。欧州医薬品庁は、この若者が完全に回復したと発表しているが、この症状は他のCOVID-19ワクチンを接種した後にも報告されていると付け加えている。
欧州医薬品庁はこの日発表した声明の中で次のように記している:
多系統炎症性症候群(MIS)は稀な疾患であり、COVID-19パンデミック以前の欧州5カ国での発症率は、20歳以下の小児および青年では10万人あたり年間2~6人程度、20歳以上の成人では10万人あたり年間2人以下であった。
現段階では、COVID-19ワクチンの使用に関する現行のEU推奨事項に変更はない。
欧州医薬品庁によると、この症状はこれまで、ワクチンとは関係のない、COVID-19感染症の後遺症として報告されていた。しかし、デンマークの17歳の若者にはCOVID-19感染症の病歴はない。
ファイザー社の広報担当者はロイター通信に対して次のようにコメントしている:
多系統炎症性症候群(MIS)に関する慎重な評価は現在も継続中であり、mRNAのCOVID-19ワクチンがMISを引き起こすとは結論づけられていないことを理解することが重要です。
欧州経済圏では、8月19日現在、ファイザー社のワクチン接種を受けた後に5件の多系統炎症性症候群(MIS)の発症が報告されており、ジョンソン・エンド・ジョンソン社とモデナ社のワクチンではそれぞれ1件の発症が報告されていると欧州医薬品庁は発表している。
欧州医薬品庁の安全性委員会は、ジョンソン・エンド・ジョンソン社製の新型コロナワクチンに関連して、静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism)として知られる静脈内の血栓の事例を調査しているとも発表している。
欧州医薬品庁はさらに次のように声明の中に記している:
静脈血栓塞栓症は、ヤンセン社製COVID-19ワクチンのリスク管理計画に、調査すべき安全性の問題として含まれている。これは、このワクチンを認可するために行われた最初の臨床試験において、プラセボ群と比べて、ワクチン接種群の間で静脈血栓塞栓症の症例が高い割合で観察されたことに基づくものである。
この発表の前日となる9月2日(木曜)、欧州医薬品庁は、完全にワクチン接種を終えた一般の人たちにはブースターショット(追加接種)は「緊急の必要性」がないと発表している。
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一方、英国政府のワクチン諮問機関である「ワクチン接種合同委員会(JCVI)」は、9月3日(金曜)、基礎疾患のある12~15歳の子供たちへの新型コロナワウチン接種を推奨すると発表したが、健康な子供たちにはワクチン接種のメリットがほとんどないとして、同年齢層の子供たちに一般的にワクチン接種を受けられるようにはしないと発表した。ただし、英国政府に存在している4人の主任医務官らがこの決定をさらに検討して最終決断を下すことになるとSky Newsは伝えている。
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今年8月、ファイザー社製の新型コロナワクチンはアメリカ食品医薬品局(FDA)により正式承認されたと広く報じられているが、正式承認されたのはBioNTech社製のワクチン「COMIRNATY/コミルナティ」だけであり、ファイザー社とBioNTechが共同開発したワクチンは依然として緊急使用許可を受けている状態であると米国のロバート・マローン博士は警鐘を鳴らしている。奇妙なことに、FDAは、正式承認したBioNTech社製ワクチン「COMIRNATY/コミルナティ」を、同じ日に別途ファイザー社製ワクチンに対して発行した緊急使用許可更新レターの対象範囲に新たに追加している。
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