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米CDC、P社製オミクロン株対応2価ワクチンへの追加調査が必要と発表 “65歳以上に虚血性脳卒中のリスク”——「CDCとFDAはオープンで透明性のある方法で迅速に調査を」=下院通商委員会議長

Official White House Photo by Lawrence Jackson

ファイザー・BioNTech社製のオミクロン株対応2価ワクチンを接種してから3週間以内の65歳以上に、虚血性脳卒中の事例が130件報告されたことを受けて、アメリカ疾病管理予防センター(米CDC)は米国現地時間の1月13日(金曜)、同ワクチンへの追加調査が必要であると発表した。虚血性脳卒中は、血栓が脳への酸素の流れを阻害することによって起きる。

米CDCは、公式HPで次のように発表している:

【発表見出し】CDCとFDA、65歳以上に対するCOVID-19ワクチンの安全性に関する初期シグナルを確認

・・・アップデートされた(2価の)COVID-19ワクチンが入手可能となり使用され始めて以降、ほぼリアルタイムの監視システムであるCDCの『ワクチン安全性データリンク(VSD)』は、ファイザー・BioNTech社製2価ワクチンを接種した65歳以上の人々に虚血性脳卒中に関する安全上の懸念があったかどうかの追加調査を行うよう促す統計基準を満たした。VSDにおけるこのシグナルの緊急対応調査では、ファイザー・BioNTech社製2価ワクチンを接種した65歳以上の人々が、接種後22~44日目と比較して、接種後21日以内に虚血性脳卒中を発症する可能性が高かったかの如何に疑問を提起した。

(太字強調はBonaFidr。以下同様。)

米食品医薬品局(FDA)によると、両社の2価ワクチン・ブースターは、「COVID-19感染症に対する広範な防御を提供するためのオリジナルのウイルス株の構成要素と、オミクロン変異株によって引き起こされるCOVID-19感染症に対するより良い防御を提供するためのオミクロン変異株の構成要素」を含んでいる。

米CDCは同時に、「この初期シグナルは、モデルナ社製の新型コロナ2価ワクチンに対しては確認されていない」と発表している。

また、米CDCは、「ワクチン安全性データリンク(VSD)におけるこのシグナルは、真に臨床的リスクを表している可能性は極めて低い」とし、「現時点でワクチン接種活動のいかなる変更も推奨されていない」と発表の中で2度も繰り返している。

一方、下院通商委員会の議長を務めるキャシー・マックモリス・ロジャーズ下院議員(ワシントン州選出・共和党)は、同日発表した声明の中で次のように米CDCに呼び掛けている:

過去3年間における透明性の欠如は、公衆衛生機関に対するアメリカ人の信頼を失墜させた。・・・CDCとFDAは、ワクチンの安全性を監視するシステムを備えており、今回の初期シグナルを確認した。今こそ、これらの政府機関は、報告された脳卒中(の事例)にワクチンが寄与した可能性があるかどうかについて、オープンで透明性のある方法で迅速に調査しなければならない。

* * *

一方、この日の米CDCの発表とは別に、FDAワクチン委員会のアドバイザーである ポール・A・オフィット博士(Dr. Paul A. Offit )は、医学情報誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン』に1月11日付けで掲載された意見記事の中で次のように述べ、若く健康的な人たちに2価ワクチン・ブースターを接種することを疑問視する意見を発表している:

数ヵ月後には消えてしまうかもしれない株のmRNAを含むワクチンをブースター接種することで、健康で若い人たちの有症状感染をすべて防ごうとするのはやめるべきだと私は強く信じている。

この意見記事の中で、オフィット博士は、武漢で発生したオリジナルのCOVID-19株とオミクロンの亜種であるBA.4とBA.5を対象とした2価ブースターを投与しても、「優れた免疫反応は得られない」とする2件の研究を引用している。

オフィット博士は次のように記している:

2価ワクチンを使ってBA.4とBA.5の中和抗体を有意に増加させる戦略はなぜ失敗したのだろうか?最も可能性の高い説明は、刷り込みだ。2価ワクチンを接種した人々は、全員が以前に(新型コロナ)ワクチンを接種したことがあり、こうした人々の免疫システムは、SARS-CoV-2の原型株に対して反応するようにプライミングされていた。したがって、彼らはおそらくBA.4とBA.5の新しいエピトープ(抗原決定基)ではなく、BA.4とBA.5と原型株とが共有するエピトープに反応したのだろう。

これらの研究を基に、オフィット博士は、「2価ワクチンによる(免疫の)増加は、1価ワクチン(従来ワクチン)による増加と似た程度の効果である可能性が高い」としながらも、「ブースター投与は、おそらく重症化に対する防御を最も必要とする人々にのみ行うのが最善である」と強調している。

「刷り込み」に関するオフィット博士の結論に同意している学者が他にもいる。ジョンズ・ホプキンス健康安全保障センターのシニア・スカラーであるアメッシュ・アダルジャ博士は、U.S.ニュースに対して次のように語っている:

人々の免疫システムは、原型株のスパイクタンパクに反応するようプライミングされているため、改良されたブースターは免疫システムを完全には刺激できないのかもしれない。なぜなら、それ(人の免疫システム)はオリジナル・バージョンのウイルスによってすでに『刷り込み』が行われてしまっているからだ。

一方、FDAの広報担当者アビゲイル・カポビアンコ氏はNBCニュースの取材に対して、オフィット博士が望む結論を導くために「選り好みした」データを使っていると主張しており、「入手可能なすべてのエビデンスが、すべての年齢層においてこれらのワクチンを使用することを引き続き支持していると私たちは強く信じています」と語っている

しかし当のFDAも、2022年12月、ファイザー社製コロナワクチンが65歳以上の高齢者の間で起きている血液凝固と関連していることを明らかにしている

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