シリアのアサド大統領が「エプスティーン、ビン・ラーディン、バグダディは重要な秘密を知っていたために消された」とテレビ・インタビューで語る
今週木曜、シリアのバッシャール・アル=アサド大統領がロシアのインタビュー番組「Rossiya-24」に出演し、11月11日に死亡しているのが見つかったイギリス人のジェームス・ル・メスリエール(James Le Mesurier)氏は西側の諜報機関に殺害されたと語った。同氏(冒頭の写真)は、トルコのイスタンブール郊外にある自宅3階のバルコニーから落下し死亡しているのが見つかっていた。
ル・メスリエール氏は元イギリス軍の諜報官であり、物議を醸し出しているホワイト・ヘルメット集団の創設者であった。以前、アサド大統領は、ホワイト・ヘルメットのことを「アルカイダのための救出軍」と呼んで非難していた。ル・メスリエール氏の不可解な死については、トルコ政府が引き続き捜査を続けている。
ホワイト・ヘルメットについては、本サイトでも過去にここで報じている:
香港活動家のウォン氏は、今週ドイツの新聞Bildがドイツ国内で主催したイベントに参加している様子が写真に撮影されている・・・その写真ではウォン氏は、シリアの「ホワイト・ヘルメット」集団のトップ、ラエド・アル・サレ氏(Raed Al Saleh)と並んで写っている。
シリアの「ホワイト・ヘルメット」は、米国政府および英国政府から数百万ドルの金銭的支援を受けていることが複数の資料で明らかとなっており、そのためアル・サレ氏がこのドイツのイベントに招待されたことに対して、特にロシアのメディアやSNS上で大きな非難が沸き起こっている。
シリアのアサド大統領がテレビ・インタビューに出演するのは異例。このインタビューの中で、アサド大統領はル・メスリエール氏の死を、不可解な状況で死亡したジェフリー・エプスティーン、オサマ・ビン・ラーディン、そしてISISのリーダーであるバグダディに例える発言を行った。
これらの人物たちをつなげるのは、彼らが「巨大な秘密を知っていた」ということであり、そのために「諜報機関」−−最も可能性が高いのはCIA−−によって「消された」とアサド大統領はインタビューの中で語った。このインタビューはニューズウィーク誌やその他の西側の主流メディアが報じたため拡散している。
アサド大統領はロシアのテレビ局とのインタビューで次のように語った:
アメリカのビリオネアーであったジェフリー・エプスティーンは、数週間前に殺害されました。彼ら(政府関係者)は、彼が留置場で自殺したと語っていますが。しかし彼は殺害された。なぜなら、彼は、イギリス政府やアメリカ政府、そしておそらくその他の国々でも、政府の中にいる非常に重要な人々が関わった重大な秘密をあまりに多く知っていたためです。
そして今、ホワイト・ヘルメットの主要な設立者である人物が殺害されました。彼は将校であり、彼のキャリア人生全てにおいてNATOと共にアフガニスタン、コソボ、イラク、そしてレバノンで勤務していました。
あなたも私も、彼ら(ホワイト・ヘルメットの代表者たち)は、当然、アルカイーダの一味であることを知っています。これらの人々、そして過去に消されたビン・ラーディンとバグダディは、主に重大な秘密を知っていたという理由で殺害されたと私は確信しています。彼らはいったん役割を達成すると重荷になる。彼らが役割を達成した後、緊急に彼らを消す必要が表面化するのです。
ホワイト・ヘルメットの設立者であるル・メスリエール氏の死に関して、アサド大統領はCIAもしくはその同盟関係にあるトルコのMITなどの諜報機関が関わっていると名指ししている:
もちろん、これは秘密機関による仕業だ。しかしどの秘密機関だろうか?西側の秘密機関や、トルコ、そして我々の地域におけるその他の秘密機関について一般論を語ると、これらは主権国家の秘密機関ではない。これらは、本体の諜報機関、つまりCIAの支局だ。
この仕事は、トルコの諜報機関が外国の諜報機関からの指示を受けて実行した可能性が濃厚である。(太字強調は訳者)
It’s always a thrill when your research into 2 separate issues intersect. pic.twitter.com/i4b26WiKyJ
— Max Abrahms (@MaxAbrahms) November 15, 2019
【訳】シリアのアサドは、ジェフリー・エプスティーンは自殺していないと語る。
さらにアサド大統領は、次のように推測している:
ホワイト・ヘルメットの設立者は、自分の人生について自叙伝を執筆していた。これが受け入れ難いことだった可能性がある。これは推測だが、非常にまじめな推測だ。現時点では、それ以外の可能性は私には説得力がないように聞こえる。
アサド大統領は、8年目を迎えたシリア内戦に関して、過去数年にわたって定期的に大々的なインタビューに応じている。しかし今回行ったインタビューはかつてないほどの注目を集めており、すでに広く拡散されている。その理由は、エプスティーンがニューヨークの留置場で「自殺」した件について、アメリカなど西側の世論が広く「自殺」という公式見解を疑っているためだ。
しかし大手メディアのNewsweek誌は記事の中で独自の見解を差し込み、この件を「陰謀論」と一蹴している:
シリアのバッシャール・アル=アサド大統領は、ジェフリー・エプスティーンの自殺に関する陰謀論に干渉し、性犯罪者として有罪判決を受けた金融家(のエプスティーン)が、多くを知り過ぎた有名人を消すという西側の陰謀の一環で殺害されたと語った。
Photo via BBC
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