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カルロス・ゴーンの海外逃亡事件で不透明な国際航空輸送産業の一端が明らかに:ベネズエラからの金塊輸送にも関わるトルコ企業MNGが関与していたとブルームバーグが報じる

カルロス・ゴーンの日本脱出事件で不透明な国際空輸輸送産業の一端が明らかに:ベネズエラからの金塊輸送にも関わるトルコ企業MNGが関与していたとブルームバーグが報じる

Photo via MNG Airlines

昨年末、カルロス・ゴーンが海外へ逃亡したというニュースが日本そして世界を駆け巡った。保釈中の身で国外への渡航が禁止されているにもかかわらず、2便のプライベートジェット機をトルコのイスタンブールで乗り継ぎ、国籍を持つレバノンに逃亡した。ブルームバーグ紙は、このプライベートジェット機2機を運行していたのがトルコのチャーター便運行会社MNG Airlinesであることを、トルコ政府高官による情報として報じ、さらにこの会社がベネズエラ政府が同国からイスタンブールに金塊を運び出すのにも加担していたと報じた

 

MNG Airlinesは、MNG Holdings Co.の一部門で、イスタンブールに本社を持つ貨物航空会社。MNG Holdings Co.はホテル業、金融業、輸送サービス業などに事業展開する複合企業。顧客企業には、アメリカの貨物運送サービス大手のUPSやDHLがある。MNG Airlinesは、ロシア、中国、カザクスタン、ドイツ、英国、中東でサービス提供している。その関連企業であるMNG Jetは、少なくとも6機の機体をイスタンブールのアタテュルク国際空港を拠点に運行している。

 

ジェット機をチャーターする顧客には、「プライバシーの隠れ蓑が提供される。ジェット機はとあるグループ所有であることが多いが、運行と管理は専門企業により行われている。ただし、機体のテールナンバー(航空機登録記号)と登録情報は追跡することが可能であるため、一部、顧客のプライバシーが見抜かれることにはなる。ゴーンの脱出劇においてMNGの社名が表面化したのは、これが理由である」とブルームバーグは報じている。

 

国際商取引法が専門の弁護士であるマイケル・バートン氏は、ゴーンの日本脱出が報じられてから、MNG社に誰もが注目しているとブルームバーグのインタビューに語っている。

 

MNG社は、顧客が望むものであれば、それが合法である限り、何でも同社の航空機によって運搬することができると述べている。また、同社は、ゴーンを違法に輸送したことに関して刑事告訴を行ったと発表している。

 

MNG社はブルームバーグへの取材に対してメールで以下のように回答している:

 

レンターカー会社と同様に、MNG  Jetは航空機を貸し出しており、搭乗者がそれら機体を使って行う行為に対していかなる責任も負わない。・・・国際航空規約によると、旅行の真の理由を調べることや、搭乗者が機体に持ち込む手荷物の中身を確認することは、MNG  Jetの役割、責任、また権利ではい。

 

今週木曜、国際刑事警察機構(インターポール)がゴーンに対する国際指名手配を発表した頃、トルコ政府はゴーンの逃亡に関与したとして7名を逮捕拘束した(1月4日更新:拘束された7名のうち2名は解放され、残る5名が逮捕された)。

 

トルコ政府当局により逮捕されたMNG社の社員1名は、ゴーンの搬送を行うために「フライト記録を偽装したことを認めた」。彼はまた、「MNG Jetの経営層はこのことを知らず、また彼らの承認なく、彼個人の権限内において行動したことを認めている」と同社は声明の中で記している。

 

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また、ブルームバーグは、ベネズエラのマドゥロ大統領が、金塊をイスタンブールに密輸するのにもMNGの機体を利用していたと報じている。金の投機家であるレザ・ザラブ氏(米国政府による対イラン制裁の違反を行ったことがある人物)が、MNG社に依頼し、彼のプライベートジェット機を管理・運行するよう手配していた。

 

MNG社とは関係ないが、ちょうど1年前、ロシアのNordwind航空に登録されたプライベート機のボーイング777が、20トンの金塊をベネズエラからロシアへ輸送したことが報じられている

 

さらに2019年2月、不透明な貨物機が、今度は8トンの金塊をベネズエラの中央銀行から海外に輸送したと報じられている

 

ベネズエラの野党議員らは、マドゥロ政権による金塊の略奪は違法行為であり、マドゥロは金塊を海外で売却する意図があると警告している

 

ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、独自調査により、アフリカの貴金属精錬所(ウガンダにいるベルギー人により建設された)が、このベネズエラの金塊密輸工作に関わっており、秘密裏にマドゥロが金塊を市場で売却する支援をしていることを明らかにしている

 

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ゴーンが複数のチャーター機を乗り継いで日本を脱出しレバノンへ逃亡した大脱出事件は、あらためて国際航空輸送産業の不透明な側面に光を当てることになった。それと同時に、ブルームバーグ紙やその他過去の報道により、ベネズエラ政府が不法に金塊を国外に持ち出し、国家存続のための資金源としていることにも、こうした国際チャーター便が悪用されていることが改めて浮き彫りとなっている。

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