米国政府はP社から1億回服用分のCOVID-19ワクチンを約20億ドルで購入する契約に合意
アメリカの保健社会福祉省(HHS)と国防総省(DOD)は、製薬会社のファイザー(Pfizer)から1億回服用分の新型コロナ用ワクチンを19億5000万ドル(約2000億円)で購入することに合意したと発表した。実際に購入するのは、ワクチンが試験を終え承認された場合という条件が付帯している。これをフィナンシャル・タイムズ紙が報じた。
今週初め、ワクチンを共同開発しているドイツのバイオテクノロジー企業BioNTechと米国を拠点とする製薬会社ファイザー(Pfizer)は最新の開発状況を発表していた。両社は、彼らが開発中のワクチンが人に投与しても安全であることを確立したと主張する初期段階の試験結果を発表していた。
今回締結した合意内容には、米国政府が追加で5億回服用分のワクチンを購入するオプションも含まれている。ただし、このワクチンが規制当局による承認を受けた場合という条件が付随している。
米国政府は、新型コロナ用ワクチンを全てのアメリカ国民に対して無料で提供することを目指していると発表している。
米保健社会福祉省(HHS)のアレックス・エイザー長官は、本日、約1時間後に金融系ケーブル局CNBCの番組に出演する予定。この番組内で、このワクチン購入の合意内容についてさらなる情報が明らかにされる見込み。
現在、人への臨床試験を行っている24のワクチン開発グループのうちの数グループとは、すでに数カ国の政府がワクチンを購入する合意契約に達している。こうした中には、アストラゼネカ(AstraZeneca)と提携してオックスフォード大学が開発しているワクチン候補が含まれている。各国政府によるワクチン獲得競争は激化している。
FT紙によると、英国政府は少なくとも8種類のワクチンを購入する合意締結を目標としていると、英国政府のワクチン・タスク・フォース責任者のケイト・ビンガム氏が語っている。これは、4種類ある主要なワクチン技術(遺伝子ワクチン、ウイルス・ベクター、不活化ウイルスワクチン、そしてタンパク質ベースのワクチン)について、各技術のワクチンを2種類ずつ購入する計画。
ワクチンの価格情報についてはほとんど詳細が報じられないが、今回、米国政府が「1億回の服用回数分の新型コロナ用ワクチンを19億5000万ドルで購入」と発表しており、単純計算で服用1回分あたり19ドル50セント(約2000円)の計算になる。
一方、ホワイトハウスのワクチン開発タスクフォースである「オペレーション・ワープ・スピード」は、3億回の服用分の承認済みワクチンを来年1月までに提供することを目標にしている。「オペレーション・ワープ・スピード」は、モデルナ社とジョンソン・エンド・ジョンソン社がそれぞれ開発中のワクチンに対して、すでに20億ドル以上の資金を投資している。
【追加情報】
本日、米保健社会福祉省(HHS)のアレックス・エイザー長官がCNBCの番組に出演した動画:
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