【オピニオン】CIAとメディアは同じ犯罪陰謀団の一部 そしてCIAはウォール街が生み出した
エドワード・カーティン筆|2021年2月14日|Off-Guardian.org掲載
(太字強調はBonaFidr)
「CIAとメディアは同じ犯罪陰謀団の一部である」と、ダグラス・バレンタインは彼の重要な書籍『The CIA As Organized Crime(訳:組織犯罪としてのCIA)』の中で記した。
これは真実である。主流メディア企業は、国家安全保障国家(ディープステート)がアメリカ国民を狙って継続中である心理作戦の「速記者」にすぎない。彼ら主流メディア企業が、情報の受け手たちに対して国際的にも同じことをしてきたように。
私たちは長い間、この「情報戦争」にさらされてきた。その目的は、アメリカ人の心を掌握し、彼ら自身が共犯関係にありながら彼らの心理を被害者意識を抱くよう引きずり込んで制圧することにある。これと全く同じことが、随分と前にCIAによってベトナムで実践され、そしてニューヨークタイムズ紙やCBS他によってアメリカ人に対して実践された。アメリカという好戦国家が、何年にもわたって終わりのない戦争、クーデター、偽旗作戦(開戦の口実を作るために敵や第三者になりすまして行われる軍事行動)、そして国内外で暗殺を遂行してきたように。
このことについて別の言い方をすると、国内外の重要な問題に関わることとなると、CIAと主流メディア企業を区別することはできない、ということだ。
フレッチャー・プラウティがその著書『ザ・シークレット・チーム(The Secret Team)』の中で説明しているように、CIAがアメリカ政府のあらゆる機関に彼らの工作員を配置していることは歴史を読み、勉強する人にとっては長い間知られている。数ある中でもフランシス・ストーナー・サンダースが著書『文化冷戦(The Cultural Cold War)』の中で説明し、ジョエル・ホイットニーが著書『フィンクス(Finks)』で説明しているように、CIA職員のコード・マイヤーとフランク・ウィスナーは、知識人、ジャーナリスト、作家の間で知的自由について最も声高に擁護する数人を、逆に自由の束縛と検閲のためのCIAの代弁者にするため秘密の工作を運営していた。コード・マイヤーは、右翼はすでにCIAの手中に収まっていたため、「”相性が良い左翼”に言い寄る」ことに特に焦点を当て、成功していたという。
これらはすべて立証されており、異論の余地はない。 これが衝撃的だと受け止めるのは、自ら調べもせず、現在起こっていることを広い歴史的文脈に当てはめずに見る人たちだけだ。
オルタナティブ・メディアやインターネット上での幅広い異なる声の台頭により、エスタブリッシュメントは脅威を感じ、防御に転じた。したがって、同じエリート層に属するメディア企業が、戦争、不正選挙、外国のクーデター、COVID-19、予防接種、あるいはメディア企業自身の嘘が関わっているかどうかに関係なく、危険だと判断した人々への検閲と言論の自由の否定のために、今では率先して行動していることは驚くべきことではない。
すでにこれらの巨大メディアは、彼らのウェブページへ批判する人たちが書き込みを行うことを禁止したり、彼らのテレビ番組で発言することを禁止しており、反対意見の声を完全に黙らせようとしている。
つい先日、ニューヨークタイムズ紙はこのような大見出しをつけて報じた:
ロバート・ケネディーJr.、ウィルスについて誤った主張を行ったためにインスタグラムから利用禁止にされる
「ウィルスについて誤った主張を行った」という部分に「とされる」という一言が欠落していることに注意してほしい。これは大見出しによる犯罪行為だ。これは、報道のふりをした完璧なプロパガンダ記事の事例である。なぜなら、この記事は、立派で尊敬に値する人物であるケネディー氏を、虚偽で愚かであると非難しており、それゆえにインスタグラムによる利用禁止を正当化しているためである。そしてこの記事は、インスタグラムの親会社であるフェースブックによるケネディ氏へのさらなる検閲を誘発するものである。
タイムズ誌のジェニファー・ジェット記者が期待しているように、この(フェースブックによるケネディー氏への)利用禁止はすぐに行われることが予想される。なぜなら、ロバート・ケネディーJr.はフェースブック上で「30万人以上のフォロワーに対して同じ根拠のない主張を多く行っている」と非難する記事を彼女が書いているためだ。ジェット記者は、彼女の記事がmsn.comとボストングローブ紙にも確実に掲載されるようにしている。
これは現在進行中の検閲の一例であり、今後もさらに多くの検閲が行われることになるだろう。 かつては不作為を装って行われていたことが、今では公然と、そして大胆に行われており、米国憲法修正第1項(「言論の自由」条項)の擁護者であると二枚舌で主張したり、民主主義では自由な討論が重要であると不誠実に主張する人たちによってこうした検閲に歓声が上がっている。私たちは、いつの間にか非現実的な全体主義的社会秩序へと急速に陥落していっている。
これは、グレン・グリーンウォルドとマット・タイビの最近の著述へとつながる。二人とも、こうした検閲を強くそして正しく批判している。私の理解では、彼らの主張は次の通りだ。
第1に、メディア企業は今日、縄張りを分割しており、自分たちの聴衆にだけ繰り返し話しかけている——ニューヨークタイムズやNBCなどのようなリベラル(メディア)からリベラル(視聴者)たち(つまりリベラル「とされる」民主党)へ、というものと、FOXニュースやブライトバート・ニュースなどのような保守的(メディア)から保守(の視聴者)たち(つまり保守的「とされる」ドナルド・トランプ)へ、という棲み分けだ。
彼らは伝統的ジャーナリズムを放棄している。伝統的ジャーナリズムは、欠点はあるが、その限度内で適度に客観性、そして異なる事実や視点を報じることを伴っていた。しかしニュースがデジタル化されて以来、彼らの新しいビジネスモデルは、それが非常に金になる選択であるため、これらのばらばらに分断された視聴者をターゲットにしている。これはビジネスが主導した結果である。なぜなら、広告売上がシフトするのに伴い電子メディアが紙に取って代わり、そして人々が複雑な問題に集中する能力が大幅に低下したためである。
その結果、伝統的ジャーナリズムは苦境に立たされており、そのためグリーンウォルドやタイビ、クリス・ヘッジス(彼はタイビにインタビューして賛同している。そのパート1はここ)のようなライターたちは、このような制約的なカテゴリー分けとそれに伴う検閲から逃れるために、自分の執筆物をインターネットに移行している。
第2に、検閲への大きな呼びかけは、シリコンバレーの企業が望んでいるものではない。なぜなら、彼らにとってより多くの人はより多くの利益を意味するため、彼らのメディアをより多くの人たちに利用してもらうことをシリコンバレーの企業は望んでいるからだ。しかし、現在「告げ口家と検閲官」と化し、権力欲の強い輩たちとなったニューヨークタイムズのような伝統的メディアが、彼ら(シリコンバレーの企業)に検閲を行うようプレッシャーをかけている。彼らは利用禁止にされるべきだと自分たちが推奨する反対意見を嗅ぎつけ見つけ出す。
グリーンウォルドは次のように語っている:
彼らは部分的に権力のためにそれを行っている——自分たち以外の誰も情報の流れをコントロールできないようにするために。彼らは部分的にイデオロギーと思い上がりのためにそれを行っている——彼らは自分たちの世界観が議論の余地なく正しいと信じるあまり、反対意見はすべて本質的に危険な『デマ情報』なのだ。
このように、伝統的な活字メディアやテレビ・メディアは、フェースブックやツイッターなどと同じ考えにはなく、むしろ対立する正反対の意図を持っている。
要は、これらの(メディアの)交代と検閲は、デジタル革命によってビジネスが変貌を遂げたメディアの世界におけるカネと権力の問題なのだ。
私は、この分析が真実の半分でしかなく、より大きな問題をまだ隠していると思う。検閲は、ニューヨークタイムズやCNN、その他のメディア機関にいる権力に飢えた記者たちによって主導されているわけではない。これらのメディア全てやその社員たちは、玉ねぎの外側の層、つまりメッセージを送信し人々をコントロールするための手段でしかない。
これらのメディア企業やその社員たちは、明示的であろうと暗示的であろうと、言われた通りのことを実行しているだけである。そうすることが、彼らにとって金銭的利益になることを彼らは知っているからだ。 もし彼らがこの歪んで複雑なプロパガンダ・ゲームで自分の役割を果たさなければ、彼らは損害を被ることになる。そうしなければ、敢えてタマネギの芯まで皮をむく勇気がある厄介な人たちと同じように、彼らもまた排除されることになる。
各メディア企業は、相互に結びついた巨大な諜報機関——システム、複合体——の一部である。その目的は、多数を犠牲にした、ごく少数のための権力、富、支配にある。 CIAとメディアは、同じ犯罪陰謀団の一部である。
シリコンバレーの企業が検閲を望んでいないのに、オールドメディア企業からそうするよう圧力をかけられていると議論するのは合点がいかない。 これらのシリコンバレーの企業は、ニューヨークタイムズ、CNN、NBCなどと同様に、米国の諜報機関と深くつながっている。 彼らもまた、かつて「モッキンバード作戦」と呼ばれていた、メディアに潜入してコントロールし、利用するためのCIAのプログラムの一部なのだ。 そのようなプログラムが今日では存在しないと考えるのは、最も世間知らずな人たちだけだろう。
著書『サーベイランスバレー(Surveillance Valley)』の中で、調査報道を行うヤシャ・レヴィン記者は、フェースブック、アマゾン、グーグルなどのシリコンバレーのハイテク企業が、いかに監視と検閲の分野において軍産・諜報・メディア複合体と結びついているかや、インターネットがいかにして国防総省によって作られたか、さらにはエドワード・スノーデンによる暴露の後に発展した、いわゆるプライバシー運動に、これら影のプレーヤーたちがいかに深く関与しているかを記録している。
バレンタイン氏のように非常に詳細な方法で、レヴィン記者は、従来のメディアがその支配者であるCIAと持っている関係と同じように、軍産・諜報・デジタルメディアの複合体もまたそれと同じ犯罪陰謀団の一部であることを示している。それは一つのクラブである。
しかし、多くの人はこれを信じることが難しいかもしれない。なぜなら、これはあまりに多くの幻想を崩壊させてしまうからだ。これらのハイテク企業がニューヨークタイムズなどによって検閲を行うよう圧力をかけられていると主張するのもそうした幻想の一つだ。しかし真実は、インターネットがまさに最初から軍事と諜報のツールであり、それに命令を下すのは伝統的なメディア企業ではないということだ。
そういうわけで、現在行われている(主流メディアとは)反対の意見に対する大規模な取り締まり(検閲)、その背後にある究極の支配者は、メディア企業の所有者やその社員ではなく、主流メディアとフェースブック、ツイッター、グーグルなどのシリコンバレーの独占企業との両方を支配している諜報機関である。 これらのメディア企業はすべて、メッセージを発信し、人々をコントロールする手段である玉ねぎの外側の層にしか過ぎない。
それでは、これらの諜報機関は誰のために働いているのか?
自分達のためではない。
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