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テキサス・レンジャーズの本拠地開幕戦はチケット完売でスタジアム満席——なぜテキサス州でコロナ感染者数が減少を続けるのか説明がつかないとファウチ所長

テキサス・レンジャーズの本拠地開幕戦はチケット完売でスタジアムが満席に——なぜテキサス州でコロナ感染者数が減少を続けるのか説明がつかないとファウチ所長

テキサス・レンジャーズ本拠地開幕戦の球場(Screenshot via FOX 4)

アメリカ大リーグ野球(MLB)チームのテキサス・レンジャーズは、収容制限のない状況では初の試合となる本拠地開幕戦を4月5日(月曜)に行った。約1ヶ月前の3月2日、テキサス州のグレッグ・アボット知事は、マスク着用命令やソーシャルディスタンスなどコロナ禍の制限を撤廃すると発表していた

 

パンデミックによる1年以上のロックダウンがすっかり過去のものになったかのように、テキサス州アーリントンにあるグローブ・ライフ・フィールド・スタジアムには少なくとも3万8238人の野球ファンが詰めかけた。

 

この日のスタジアムの様子を撮影した動画:

【訳】満員となった野球場がどんな感じかは、まさにこんな状態?!忘れるところだった。なんという光景!

 

地元テレビ局のFOX 4ニュース・ダラス・フォートワースは、この日の試合が「チケット完売」と発表されたと報じている

 

FOX 4とのインタビューで、この日スタジアムを訪れた野球ファンたちは次のように語っている:

レーン・スミスさん:「ずっと待っていた。私たちはとてもハイテンションになってる。やる気満々だ」。

 

カルメン・スミスさん:「1年間、安全のために注意してきた後に、大勢の群衆の中に入るのは多少は緊張する」。

 

トミー・ウェアさん:「おっしゃる通り、多少の不安はあるけど、みんな安全には注意しているようだし、私たちもできる限り安全でいるように心がけている」。

 

この日の試合は、新型コロナ(武漢ウイルス)パンデミックが始まって以来、米国内で収容制限がない状態で開かれる主要スポーツの試合としては初となるイベントの一つ。ただし、スタジアム内で不特定多数が集まる場所では、マスク着用などのセーフティー・ガイドラインをスタッフたちが呼びかけた。

 

さらにこの日のスタジアム内の写真を投稿したツイート:

 

アボット知事による「反パンデミック政策」は、他の民主党の州知事やバイデン政権から大きな非難を浴びていた。ジョー・バイデンに至っては、「ネアンデタール人(原始人)のような思考」とアボット知事を批判していた。

 

さらにこの試合の前日、バイデン政権コロナウイルス・タスク・フォースでアドバイザー役を務めるマイケル・オスターホルム氏は、左派系メディアNBCの政治討論番組“Meet the Press”に出演した際、この先数週間以内に「今回のパンデミックが始まって以来最大となる感染者数が世界的に報告されるだろう」と恐怖を煽っていた。

 

しかし、バイデン政権が恐怖を煽っているにもかかわらず、テキサス州の公衆衛生当局は4月5日(月曜)の新規感染者数は約1000人と報告し、2020年6月以来、最低を記録している。

 

テキサス州における1日の確認された新規感染者数の推移(棒グラフ)

(黄色い線は7日間の平均)

(Graph via dshs.texas.gov)

 

マスク着用やソーシャル・ディスタンスの規制を廃止したテキサス州で、なぜ新規感染者数が急激に減少しているかについて、大統領へのシニア・アドバイザーを務めるアンソニー・ファウチ所長や他の疫学者たちは説明できず苦労している。

 

ファウチ所長は、4月6日(火曜)朝に左派系ケーブル・ニュース局のMSNBCに出演した際、こうしたテキサス州の状況について次のような質問を受けた:

テキサス州に行くと・・・そこは2019年のような状況です・・・レストランは満席で・・・野球場も満席です・・・それでも、新規感染者数は下がり続けています。

 

ファウチ所長はこの質問を事前に知らされていなかったのか、面を食らったような表情を見せ、次のように回答した:

それは混乱させるものである可能性があります。なぜなら、(データには)時差や遅延が起こっている可能性があるからです。往々にして、数週間、待つ必要があります・・・それ(遅延や時差)には多くのことが影響します。・・・

 

しかし(その原因は)よくわかりません。それは彼らが屋外で行っているからかもしれない。1対1で単純比較するのは非常に困難であることはあなたも理解できるでしょう・・・テキサス州のデータが減少を続けることを私は望みます。そうなれば素晴らしい。しかし、(感染拡大のための)予防策を撤回して・・・特に屋内での食事やバーが混み合ってくると、常に懸念が生じます・・・(新規感染者数の増加に)遅延が発生する可能性があり、そして突然、感染者数が上昇に転じるのです。・・・

 

以前にも、(ロックダウンを止め)再開した場所で私たちは騙されたことがありました。当初は何も起きませんでしたが、数週間後に突然、感染者数が爆発的に増加したのです。・・・

 

私たちは慎重にならなければいけません。私たちは(テキサス州の状況について)早々に判断することはしません

 

しかしテキサス州がマスク着用の義務化を廃止して「100%再開」してから27日以上が経過している(アボット知事がマスク着用の義務化の廃止を宣言してから35日が経過)。ファウチ所長が言うデータの「遅延」だけでは説明がつかない。テキサス州は、新規感染者数だけでなく、死亡者数、入院患者数、ICUの利用率、検査結果の陽性者数の全てが下落している

 

テキサス州の新規感染者数(赤線は7日間の平均)

(灰色のグラフ3つは左から順に、検査数、入院患者数、死亡者数)

 

(Graph via NY Times

 

当然、アメリカ国民からは以下のような意見が投稿されている:

【訳】ファウチ所長が、テキサス州ではマスク着用やソーシャル・ディスタンスを行うようにという彼のアドバイスを無視しているにもかかわらず、同州の新型コロナ感染者数が減少していることについて語る。ファウチ所長、私たちはあなたにうんざりしている。私たちがこのパンデミックやマスク着用にうんざりしているのと同じように。

(太字強調はBonaFidr)

 

テキサス州で少なくとも1度ワクチン接種を受けたことがある人は同州の全人口の28%、そして完全にワクチン接種を受けている人は同16%と報告されている

 

バイデン政権は、4月6日(火曜)にワクチン配布のスケジュールを2週間前倒しすると発表し、アメリカ国民の成人全員が4月19日にはワクチン接種を受ける資格があるようにすると発表している。

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