言論検閲しない動画共有サイトRumbleに、ピーター・ティール氏ら保守系ベンチャー・キャピタリストが多額の投資 |

言論検閲しない動画共有サイトとして人気が高まっているRumble（ランブル）に、保守系の有名ベンチャー・キャピタリストらが巨額の投資を行ったと同社が明らかにした。ウォーストリート・ジャーナル紙が5月19日（水曜）に報じた。

この投資を主導したのは、トランプ支持者として知られるPayPal創業者のピーター・ティール氏とVCファンドのNarya Capital（ナルヤ・キャピタル）。Narya Capitalは、自伝的書籍「ヒルビリー・エレジー　アメリカの繁栄から取り残された白人たち」でベストセラー作家としても知られるJD・ヴァンス氏と、コリン・グリーンスポン氏が共同設立した。

この投資契約の一環として、Narya Capitalの主任であるイーサン・ファラング氏がRumbleの取締役に就任する。

具体的な投資金額については公表されていないが、関係者がウォールストリートジャーナル紙に語ったところによると、金額は「かなり」のものにのぼるといい、これによりRumble社の企業価値は約5億ドル（約550億円）になるという。

Rumble社は、今回得られた調達資金で、グローバル市場でのプレゼンスを高め、動画インフラや最近提供開始したライブ配信機能を拡張する予定。

また、同社は既存のサービスを拡張するだけでなく、法人顧客に新たにクラウド・ソリューションを提供するためサーバの拡張も行う計画。

Statistaによると、1300億ドル規模であるクラウド・サービス市場は、現在、3社のテックジャイアント企業——アマゾン、マイクロソフト、グ−グル——がほぼ独占している状態であり、これら3社で市場の61％を占めている。

クラウド・サービス市場における各社のマーケットシェ

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Rumbleのクリス・パブロフスキーCEOは、同社が提供する予定のクラウド・サービスは、「ビッグ・テック企業を相手にした対戦」であると語っている。

また、パブロフスキー氏は、「Rumbleは真実の裁定者ではない」と語っており、ビッグ・テック企業により検閲を受けたクリエイターたちの多くの動画がRumble上でホスティングされている。

同様に言論の自由を謳った新興SNSサービスのParler（パーラー）が、今年1月、突然アマゾンのクラウド・サービスから利用停止にされたことは記憶に新しい。

ティール氏とヴァンス氏は共に最近、オンライン上の言論の自由を支持する発言を公に行っている。ティール氏は、4月にニクソン会議が主催した円卓会議で、ビッグ・テック企業がトランプ前大統領に対して行っている検閲を批判している。また、ヴァンス氏は、大手企業が「アイデンティティ・ポリティクス」を推進する現在の状況を「ウォーク・キャピタル（woke capital）」として批判している。

「アイデンティティ・ポリティクス」とは、社会的不公正の犠牲になっているジェンダー、人種、民族、性的指向、障害などの特定のアイデンティティに基づく集団の利益を代弁して行う政治活動のこと。出典：WikiPedia

以下は今月ヴァンス氏が登壇したカンファレンスの動画。開始後3:00:00あたりからヴァンス氏の講演：

【5月25日追記】

JD・ヴァンス氏のベストセラー書籍は、ネットフリックスによって映画化もされている。ニューヨークやワシントンDC、サンフランシスコ、LAなど輝かしいアメリカの大都市とは別世界に住む忘れ去られた白人アメリカ人たちを、その社会の内側から丁寧に描いている。

ニューヨークタイムズ紙やワシントンポスト紙を読むような大都市に住む民主党エリートたちをアメリカの「光」とすれば、トランプ前大統領は、エリートが見下すアメリカの「影」にあたる白人の下層社会を救済するために選ばれた大統領だったことがわかる。グレン・クロースやエイミー・アダムスなどの役者たちの演技も素晴らしい傑作。

興味がある方は是非ハンカチを用意して見てほしい。

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