ロンドン警視庁はアンドルー王子による未成年者への性暴力疑惑の捜査を中止すると発表 |

英国のロンドン警視庁は、10月10日（日曜）、アンドルー王子が関わる疑惑の捜査をこれ以上行わず中止することを決定したと発表した。

バージニア・ジュフレさんがアンドルー王子とジェフリー・エプスティーンから性的暴行を受けたと告発を行い、ニューヨークでアンドルー王子を相手に訴訟を起こす決定を行ったことを受けて、ロンドン警視庁は疑惑の捜査を行なっていた。サンデー・タイムズ紙など英米の主要メディアが一斉に報じた。

ロンドン警視庁のデイム・クレシダ・ディック警視庁官は、以前のインタビューで、「法の上にいる人は誰もいない」と語り、「私のチームに資料をもう一度調べるように依頼した」と語っていた。そのため、警視庁官の発言に期待をしていた人たちには今回の捜査中止の判断は驚きの結果となった。しかし、ロンドン警視庁は、アンドルー王子がジュフレさんと性交渉をもったとされる夜の警備記録を破棄したと昨年すでに報じられている。

ジュフレさんの弁護士であるシグリッド・マコーリー氏は、サンデー・タイムズ紙に対して次のように語っている：

アンドルー王子の犯罪への関与を示唆する明確で説得力のある証拠がある以上、ロンドン警視庁は捜査を再開し、誰も法の上に立つことはないという彼らの声明を堅持すべきである。

一方、ロンドン警視庁は、調査が「完了」したと発表しつつ、今後も「ジェフリー・エプスティーンに関連する案件の捜査を主導する他の法執行機関との連携」は継続するとしている。

ジュフレさんが起こした訴訟では、社交界の有名人であるギレーヌ・マックスウェルのロンドンにある自宅や、エプスティーンが所有する建物でアンドルー王子がジュフレさんに性的虐待を加えたと訴えている。ジェフリー・エプスティーンの共謀者として民事訴訟でも訴えられているギレーヌ・マックスウェル被告は、昨年、潜伏先のニューハンプシャー州でFBIに逮捕され、連邦検察によって起訴されている。アンドルー王子のいとこにあたるクリスティーナ・オクセンバーグさんは、ギレーヌ・マックスウェルが彼の「秘密の動画」を持っていると記者に語っている。

アンドルー王子は、BBCとのテレビインタビューでジュフレさんとの性的関係を「絶対に、そして断固として」否定すると語り、身の潔白を主張したが、その時、言葉をつまらせしどろもどろとなり、さらに「（当時私は）汗がかけない状態だった」というようなすぐに嘘がばれる言い訳を繰り返したことで世論から大批判を浴びていた。そしてテレビインタビューが放送された翌週には、アンドルー王子は公務から退くと公式声明を発表している。

英国の警察当局はアンドルー王子が関わるこの捜査案件を取り下げたが、米国ではアンドルー王子はいまだ「疑惑の人物」とみなされている。エプスティーンの共犯者とされるギレーヌ・マックスウェル被告は、米国での裁判を控えている。

＊　＊　＊

年初には、英国王室のヘンリー王子とメーガン妃がオプラ・ウィンフリー司会者と2時間にわたるインタビューを行ったことが大きく注目された。YouGovの世論調査データによると、この二人をめぐる騒動の結果、彼らの人気は大幅に低下している。英国王室の15人に対して肯定的か否定的かと質問したところ、ヘンリー王子とメーガン妃の「正味の好感度」（＊）はそれぞれマイナス13ポイントとなっている。

しかし、性的スキャンダルの渦中にあるアンドルー王子の好感度は、そんなヘンリー王子とメーガン妃すらも下回るマイナス56ポイントを記録し、15人の英国王室メンバーの中で最下位となっている。

最も好感度が高い（低い）王室メンバー

2021年第2四半期における英国王室メンバー（一部）の正味の好感度

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