グーグルの株価が急落|司法省が反トラスト訴訟でまもなく同社を提訴とWSJ紙が報道
全米ではパンデミックにより自宅待機命令が出され、自宅からのリモート勤務が広がっている。そのため、規制当局によりシリコンバレーの大手IT企業に対する独占禁止法違反の捜査は一時中断されると思われていた。しかしその予想は裏切られたようだ。
米司法省と州検事総長の一団は、アルファベット社のグーグルに対して反トラスト訴訟を提訴する可能性があること、そしてその訴訟計画が随分と進んでいることをウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙が報じた。
本件に詳しい複数の人物によると、司法省は、早ければこの夏、提訴に向けて動くという:
このスケジュールは、バー司法長官が以前3月、司法省はこの夏に最終判断を行いたいと考えているとコメントしていたことと符号する。「我々は、初夏にそれを実現させたいと望んでいる。そして『実現させる』とは、意思決定を行うタイミングを指す」と、バー司法長官は当時語っていた。
各州の検事総長たちによる捜査のほとんどは、グーグルによるオンライン広告ビジネスに集中している。
テキサス州のパックストン検事総長は、今回のパンデミックは各州による捜査を遅らせてはいないと声明の中で語っている:
我々は、グーグルに対して(民事の召喚状を)発行しており、第3者(の事業者)に影響をもたらしている。我々は、この捜査を秋までには終結したいと考えている。・・・
もし我々が起訴することが見合っていると判断する場合、我々はその直後、すぐに提訴するつもりである。
この報道を受けて、この日の日中の取引は終了していたが、時間外取引でグーグルの株価は1.46%急落している(原稿執筆時)。
WSJ紙が指摘するように、もし訴訟が起こされた場合、それはグーグル社の事業に直接的な脅威をもたらす可能性がある。また、米国政府が1990年代末にマイクロソフト社に対して起こした反トラスト訴訟と並んで、米国史上最大級の反トラスト訴訟の一つとなる可能性がある。
さらに、もし提訴されれば、このグーグルに対する反トラスト訴訟は、今年11月3日に予定されている米国大統領選挙の前に行われることになる。パンデミックにより、今年行われる大統領選挙には電子投票が導入されるという噂が広がっており、この訴訟がそれに与える影響は少なからずあることが予想される。
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