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【世論調査】80%の米有権者はアメリカが制御不能に陥っていると回答|ミネアポリス市議会は警察を組織解体する計画。HBOは『風と共に去りぬ』を削除

【世論調査】大多数の米有権者はアメリカが制御不能の社会状況に陥っていると回答|ミネアポリス市議会は警察を組織解体する計画であり、HBOは『風と共に去りぬ』を削除

映画『風と共に去りぬ』。黒人女性初のオスカー賞を受賞したハッティ・マクダニエル(右)(Photo via Fickr)

 

アメリカにとって、2020年は半年もたたずして荒れ狂った年となっている。まず、米軍がイランのソレイマニ司令官を暗殺した報復措置として、イランはイラクの米軍基地を弾道ミサイルにより攻撃した。その直後、武漢ウイルス(新型コロナ)のパンデミックが発生し、これまでに10万人以上のアメリカ人が死亡し、感染者数は200万人に達する勢いである。

 

そして数ヶ月間続いた自宅待機命令がようやく一部解除かと報じられ始めた矢先、白人警官がジョージ・フロイドさんを不当に殺害する事件が発生した。これに対して、全米で抗議デモとそれに便乗した暴動・略奪が広がっている。最近では、抗議デモ参加者たちの間で”Defunding the police(警察への予算を打ち切る)”という世論が盛り上がっており、ミネアポリス市の市議会議員らは、過半数が市警察組織の解体に賛成票を投じる意思を表明している

 

このニュースは、CNNが日本語に訳して報じている:

 

【CNN】『米ミネアポリス市議会、「警察解体」の意向表明 黒人男性死亡受け

 

そのミネアポリス市市議会の議長であるリサ・ベンダー氏が、今週月曜、CNNに出演した動画がネットを騒がせている(以下の動画)。

 

https://twitter.com/EddieZipperer/status/1269951088964370432

 

 

この番組の中でCNNの司会者は次のように質問している:

 

警察組織を解体するとか、警察なし(の社会)という言葉は、一部の人たちを不安にさせているというのを理解されているでしょうか。例えば、夜中に突然、自宅が不法侵入の被害に遭った場合、誰に通報すればいいのでしょうか?

 

この質問に対して、ベンダー市議会議長は次のように回答している:

 

その声は、私の地元住人たちの多くから、明瞭かつ大きな声で私の耳に入ってきています。私自身もそうですが、それ(いつでも通報すれば警察に駆けつけて欲しいという声)は特権の地位にある人たちから来ているというのを私は知っています。

 

制度がうまく機能している私たちは、警察に通報することでより大きな危害が引き起こされるかもしれないという現実に生活してみるとはどういう感じのものなのか、一歩引いて想像してみる必要があると思います。

 

 

ロサンゼルス市の市長も世論に押されてLAPD(ロサンゼルス警察)の予算削減を発表するなど、アメリカの都市部では極端に左寄りの政策に振り切れている。警察予算を削減すれば、人員不足で犯罪が増える可能性があるという想像力が、抗議デモ参加者達の間にも、そして政治家達の間にも完全に欠落している。

 

現在のアメリカ社会では、まともな意見を言おうものなら「レイシスト!」と袋叩きにあう状況であり、自由の国アメリカで、極端な左寄りの同調圧力が高まっている。

 

そしてしまいには、有料ケーブルテレビHBOが、名作映画『風と共に去りぬ』を配信停止にする事態にまで発展している。それが、黒人女性初のオスカー賞受賞者であるハッティ・マクダニエルの偉業を抹消することになるにもかかわらず。

 

BBC Newsはこのニュースを次のように報じている

 

HBO Maxは、1939年のこの映画が「当時の時代による産物」であり、「民族的かつ人種的な偏見」を表現しており、「当時も誤りであったし、現在も誤りである」と語った。

 

黒人奴隷の役柄を歴史から消し去ろうとする動きは、黒人女性として初めてオスカー賞を受賞した女優の業績を抹消しようとすることにもなる。その矛盾に、今のアメリカの活動家たちは気がついていない。

 

【訳】彼らは正真正銘のバカだ。黒人女性初のオスカー受賞者は、『風と共に去りぬ』に出演していたハッティ・マクダニエルだ。それが今、反レイシストという名のもとに、彼女の作品は視聴できないよう削除されている。

 

* * *

 

こうした混沌とした社会情勢を受けて、アメリカ人のほとんどが自国の国内状況に悲観的になっているという世論調査結果が出ている。この世論調査は、ウォール・ストリート・ジャーナル紙とNBC Newsが共同で実施しており、2020年5月28日〜6月2日の期間中、有権者登録している米国民1000人を対象に行われた。

 

 

ほとんどの有権者たちは米国が制御不能に陥っていると考えている

「最近の米国を考えた時、あなたは一般的に次のどの気持ちを抱きますか・・・」

 

Infographic: Most Voters Think The U.S. Is Spiraling Out Of Control | Statista You will find more infographics at Statista

 

制御不能である:80%

制御下にある:15%

ある程度その両方:3%

わからない:2%

 

 

 

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