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国が破綻するまでの10ステップ【日本の事例】——徐々に、そして(2024年?)突然に【オピニオン】

Photo via Flickr

ジョン・ルビノ筆|2023年3月5日|Substack掲載

(太字強調はBonaFidr)

 

過去数十年にわたる不自然なまでの金融緩和は、とんでもない数の人々が必要以上に借金をするという「モラルハザード」の世界を作り出しました。

 

そして今、資金繰りが厳しくなり、企業や個人だけでなく、一部の政府までもが、破綻に関する古い言い習わしの「突然に」という部分が目の前に迫り、それを見つめています。

 

このような「金融の崖」に向かってゆっくりと歩き――そして突然に駆け出し崖を飛び降りる――ということに関して、日本はその見本であり申し子です。

 

ここでは、政府がそれをどのように行うかを10ステップで紹介します。

 

ステップ1:巨額の負債を積み上げる1990年代、不動産バブルが崩壊し、日本政府は選択を迫られました。一つは残酷な不況を受け入れ、債務不履行(デフォルト)によって債務の大半を解消するか、そしてもう一つはゾンビ銀行やゾンビ建設会社を単純に救済し、ただ最善を祈るかというどちらかの選択が迫られました。彼らは救済を選択しました。そして1991年にGDP40%だった政府債務は、2000年までにGDP100%に達しました。

 

日本政府の借金(対GDP比%)

1990年~2000年

 

ステップ2:金利を下げ、利払い費用を最小化するGDP100%に相当する負債に対して6%(の金利)を支払うのは破滅的な負担となるため、日銀は負債が増えるに伴い金利を下げ、政府の金利負担を許容できるレベルに維持してきました。

 

日本10年物国債利回り

1990年~2020年

 

ステップ3:実質的に無利子で借り続ける金利が下がる一方で、公的資金を吸い上げるゾンビ企業に加え、日本版の社会保障制度や国民健康保険を利用し始める高齢者が増えていきました。その結果、政府の支出は増え続け、財政赤字は拡大し続け、金利引き下げ圧力はさらに強まりました。日銀は、新たに生み出した円で国債を買い、金利をゼロ、あるいはそれ以下にまで引き下げることに成功しました(これはつまり、日本国債を購入する残りの民間セクターが、実質的にその恩恵(ツケ)を支払うことになったことを意味します)。政府は借金によりお金を稼ぐようになったため、もはやそれを止める理由はなくなったように思え、負債は現在のGDP262%にまで急増しました。これは、主要国の政府によって樹立された最も高い数字である可能性があります

 

日本政府の借金(対GDP比%)

2022年末の数字:262%

 

ステップ4:突然の急激なインフレを経験する2022年、新たに生み出されたすべての貨幣が、ついにインフレを引き起こしました。このインフレは、金融緩和を批判する人たちがずっと予測していました。日本の公式の消費者物価は、現在、年率4%で上昇し、利回り0%の国債の実質利回りはマイナス4%になりました。

 

日本のインフレ率%

 

ステップ5:通貨の急落を経験する他の多くの中央銀行がインフレ対策として引き締めを行っている中、日銀は低金利を維持するために債券を買い続けました。この利回り差に気づいた投資家たちは、円建て債券を買わなくなり、円の為替レートは米ドルに対して急落しました。

 

日本円vs米ドル

 

ステップ6:しぶしぶ金利の上昇を許す 2022年にはまた、日銀は、政府が発行するすべての債券を自ら買いたくなければ、金利を少し上昇させなければならないことに気づきました。そして彼らはそれを非常に迅速に行い、0%から0.25%、そして次に0.5%へと金利を上昇させました。

 

日本10年物国債利回り

 

ステップ7:利払い費に振り回されるさて、日本政府が発行したり、ロールオーバーしたりする債券には、すべてコストがかかっています。仮に平均利回りが現在の0.5%まで上昇したとしましょう。GDP260%に相当する借金に対して、支払利息はGDP1.3%に相当します。これは、すでに巨額の赤字、高まる全体の負債、ひいては支払利息も増加することに加えられる過重な重荷になります。

 

さてここから「突然に」の部分についてです

上記のすべては、すでに起こったか、あるいは今起こっていることです。次のステップは、近い将来に予定されていることです。

 

ステップ8: 必死で金利を下げようとする日銀は、金利の高騰が国家の破産を意味することを認識し、新たに作り出した大量の円で国債をさらに購入することで、この傾向に歯止めをかけ、流れを逆転させようとします。しかし、世界の他の中央銀行は緩和が遅いため、日本の国債の利回りと、例えば米国やドイツの国債の利回りとの差は拡大し続けます。

 

ステップ9: 円が暴落するのをなす術なく見守る政府債務が放物曲線を描いて増加し、その結果生じる債券の津波を買ってくれるのは日銀以外にはいないため、日本は完全な現代貨幣理論(MMT)の領域に入ります。その領域では、政府は新しく作った通貨で資金を調達します。残る他の世界の国々は、インフレの影響を認識し、円を投げ売りし、通貨の為替レートは急落します通貨が下落すると輸入コストが上昇し、インフレが進み、そしてさらに円安が進み、金利に上昇圧力がかかり、といった具合に、新聞記事の見出しをつける記者がいわゆる「デス・スパイラル(死のスパイラル)」と呼ぶものに陥ってしまいます。

 

ステップ10: ゲームオーバー日本は公式に通貨切り下げ/通貨リセットを余儀なくされ、それによりその後の自国の消費とインフレの能力が制限されます。政府を信頼し、旧通貨を保有していた人々は貧困化し、その一方でこの詐欺に気づき、現金や国債を現物資産に換えた人々は豊かになります。これはよく聞く話です。しかし、今回は重大な国でそれが起きようとしています。

 

疑問

主要国が金融の崖から転落する可能性は、その影響がどの程度広がるのか、そして米国の投資家はどのように準備するべきなのか、という疑問を投げかけます。そしてもちろん 「日本をどのように空売りするか?」という疑問です。その議論は、来週、別の記事で行う予定です。

 

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