米連銀は景気後退(リセッション)を「これ以上先延ばしすることはできない」とピーター・シフ氏
投資アドバイザリーサービスを提供するEuro Pacific Capitalのチーフ・グローバル・ストラテジストであるピーター・シフ氏は、米連邦準備制度理事会(通称Fed)が先月、金利を引き下げたのは「大きな失敗だ」とRTに語った。
シフ氏は、米国が景気後退することを連邦準備制度理事会は止めることができないとも語っている。
連邦準備制度理事会は2008年、金利をゼロにし、それを7年間も維持するべきではなかった。ゼロ金利と量的緩和により、米国経済には何世代にもわたって解決しなければいけない問題が生まれてしまった。しかし連邦準備制度理事会がまたすぐにゼロ金利に戻すのであれば(その方向に向かっているが)、問題を解決するのがさらに遅れてしまうことになる。
シフ氏によると、人工的に操作された低金利状態で、発展しうる活力ある経済を構築することは不可能だという。
それ(低金利)が成し得るのは、資産価格を押し上げ、バブルを生み出し、経済を痛めつける悪い投資を生み出すだけだ。成長のために低金利に依存するということは、財務政策が緊縮に転じた時に確実に景気後退するということだ。
暴走した国債発行、そしてトランプ政権による関税が最後の一撃となり、我々の経済を、避けられない景気後退へと突き落とすとシフ氏は語っている。
連邦準備制度理事会は景気後退の原因ではない。彼らは景気後退をこれ以上、遅らせることができないのだ。
もし金利が健全な経済を反映したレベルにまで自然に上昇することが許されるならば、国債の利子に支払う金額が増大し政府は債務不履行に陥る。だからトランプ大統領は人為的に金利を下げるのに必死だ。
シフ氏は、もし2020年の大統領選挙の前に景気後退が始まれば、トランプ大統領が再選する見込みはゼロだと言う。さらにシフ氏は、「我々は(将来の)自分たちから借金することで金持ちになっているのではない。我々は(将来の)自分たちから借金することで破産する」とも言う。彼が意味しているのは、一般的なアメリカ人世帯が累積している借金が問題だということを指している。アメリカでは、中産階級にとどまるために多くの借金をしなければいけない時代になっている。
シフ氏はGDPの数値を分析しながら、米国経済に蓄積している負債が重しとなり、将来は暗いと語る。この負債というのは、もちろん政府による借金だけではない。個人世帯が抱える借金の金額も過去最大級に膨れ上がっている。
2018年、我々は個人消費のためにさらに多くの借金をしなければいけなかった。しかし2005年にできた借金は2018年にできた借金より小さかったにも関わらず、その借金により生まれた経済規模は2018年より2005年の方が大きかった。このことから得られる教訓は、経済成長するためにますます大きなコストを伴っているということであり、米国経済はますます維持することが困難になっているということである。我々は、経済成長した割合よりもずっと多くの負債を増やさなければいけなかった。
私たちの負債が、経済成長よりも早く増大しているとしたら、私たちはより金持ちになってはいない。私たちはより貧しくなっている。もしそうなら、負債をせずに経済成長しない方がましだ・・・私たちは(将来の)自分たちから借金をして貧困に向かっている。私たちは(将来の)自分たちから借金をして金持ちになっているのではない。私たちは(将来の)自分たちから借金をして破産しようとしている。–Peter Schiff, via Seeking Alpha
シフ氏による経済分析はここで聞くことができる:
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