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米政府がファーウェイを本気で潰しにかかる?:アメリカの金融システムを利用することを禁止する金融制裁を検討中とロイターが報道

Huawei

米中間の通商交渉は合意に至るどころか、ますます両国間の経済のデ・カップリングが進む兆しだ。今週火曜には、トランプ大統領が米中通商交渉そのものを来年の大統領選挙後まで延期する考えがあることを記者団に語り、アメリカの株式市場が急落する事態となっている。

 

さらにトランプ政権は、中国の通信機器大手ファーウェイに対してアメリカの金融システムを利用することを禁止することを検討しているとロイターが報じた

 

ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)による戦略は、もともとファーウェイを米財務省特定国籍業者リスト(SDN)に記載することであった。これは、ファーウェイをアメリカの金融システムから排除し、米ドルによる取引を行うことを禁止することを意味する。また、これと同時に、同社が米国の組織や個人と取引することも禁止することになる。

 

この禁止措置を支持する情報源の人物は、ロイターに対して、米中貿易戦争の発展の仕方次第では、数ヶ月以内にファーウェイはSDNリストに記載される可能性があると語っている。

 

今週の火曜朝、米中通商交渉は2020年の大統領選挙後まで延期する可能性があるとトランプ大統領が記者団に語ったことを考えると、「アメ(=通商交渉の合意)」が先延ばしにされたことで、今度は逆に「ムチ(=制裁)」が加えられることが考えられるため、ファーウェイがSDNリストに載せられる可能性は差し迫った状況であると言えるだろう。

 

また別の人物は、ホワイトハウスが政策メモランダム(覚書)の草稿を準備しており、この案件について数回の会議が開かれたと語っている。このことから、トランプ政権が貿易戦争を通して中国経済へダメージを与えることにどれほど積極的であるのか垣間見ることができる。

 

アメリカの金融システムからの完全排除という「最後の手段」を選ぶ代わりに、トランプ大統領はこの夏、ファーウェイをブラックリスト(エンティティー・リスト)に載せ実質上の禁輸措置を採っている。これにより、アメリカの部品供給業社は、ファーウェイへ製品を輸出するために個別の許可をアメリカ政府から得る必要がある。この輸出規制措置は、中国に通商交渉で合意させるための圧力として、金融システムからの排除という「最後の手段」を使う一歩手前の措置と言える。

 

シンクタンクの民主主義防衛基金(Foundation for Defense of Democracies)で、サイバー分野の専門家であるアニー・フィクスラー氏は、ファーウェイをSDNリストに載せることは、「ファーウェイにとって、世界各地で広範囲に及ぶ影響をもたらすことになる」とロイターに対して語った。

 

さらに、フィクスラー氏は、ファーウェイが世界の金融システムで米ドルを使うことを禁止することは、同社にとって壊滅的なことになるとも語った。もしアメリカ政府がこの金融制裁を発動すれば、中国政府はアップルなどアメリカ企業に対して報復措置を取ることが当然予想される。

 

ファーウェイも、アメリカ政府からさらなる経済制裁が課されることは予期している。2020年に向けて米中貿易戦争はますます激しさを増す様相を見せる中、ファーウェイは早速、同社の研究所をアメリカからカナダへ移転する計画であると発表している

 

「R&Dセンターは、米国からカナダへ移転される予定である」と、ファーウェイのCEOである任正非(じん せいひ、Ren Zhengfei)氏がトロントのGlobal and Mail紙語った


今週火曜に報じられたトランプ発言から考えると、米中通商交渉は、2020年の大統領選挙前に完全合意に至る可能性は随分と低くなったと考えるべきだろう。逆に、早ければ12月15日の追加関税引上げが引き金となり、米中貿易戦争は急速に激しさを増す可能性がある。

 

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