全米の新型コロナ死者数のうち43%は老人ホームで発生|スタンフォード大学教授は全米の実際の致死率の中央値は0.04%と論文で発表
これまでに全米で報告された新型コロナウイルス(武漢ウイルス)の死者数のうち、43%は老人ホームや長期療養施設の入居者もしくはその職員であるとニューヨーク・タイムズ(NYT)紙が報じた。一方、全米で報告されている新型コロナウイルス感染者数のうち、こうした施設関係者が占める割合は11%。
実際の数を見てみると、米国で新型コロナウイルスにより死亡したと報告された人数は12万5000人を超えている。そのうち5万4000人が老人ホームや長期療養施設の関係者となっている。
(Map via the New York Times)
ニューハンプシャー州がそのトップとなっており、同州における新型コロナ関連の死者数のうち80%が長期療養施設の関係者となっている。次いで、ロードアイランド州とミネソタ州が同率2位で77%、そしてコネチカット州が73%で3位となっている。
NYT紙は次のように報じている:
州ごとに見ると、長期療養施設の高齢者が関係する死亡者数の比率は、さらに厳しいものとなっている。24州において、長期療養施設の入居者およびその職員の数が、このウイルスによる合計死者数の半数以上を占めている。
老人ホームに関係する感染者もまた、母集団と比べて高い致死率となっている。こうした施設における致死率(死者数を感染者数で割った数)の中央値は17%である。これは全米の5%という致死率と比べて著しく高い。–New York Times
一方、スタンフォード大学で疫学および公衆衛生が専門のジョン・イオアニディス教授は、今月初旬に発表した論文の中で、新型コロナウイルスの致死率は当初考えられていたものよりもかなり低いという研究結果を導き出している。同教授は、人々の抗体を調べた結果、70歳以下の感染者の致死率の中央値はわずか0.04%であると発表している。
イオアニディス教授は同論文の中で次のように記している:
それ(致死率)は物理定数のように固定されたものではなく、地域、人口構成、感染者や死者等の混ざり具合、各地域の要因によって大きく異なることがあり得ることは認められるべきだ。・・・
70歳以下の感染者の致死率は・・・0.00〜0.23%であり、その中央値は0.04%である。・・・
(政策の)決定者たちは、(感染により)深刻な結果を招くリスクが高い人々や状況においてウイルス感染が広がるのを防ぐような政策をとることが可能である。
こうした政策は、社会全体に一律に適用するロックダウンではなく、特定の高リスクの人口や状況に特化してより厳密なものにすることが可能かもしれない。
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