【ドキュメンタリー動画】ジョー・バイデン候補の息子は、チャイナ政府や人民解放軍と複数のビジネス契約を締結。アメリカの国家安全保障を危機にさらしている
ハンター・バイデンが行ったビジネス取引は、チャイナや人民解放軍に「役立つ」もの。新たに公開された映画が示す(原題:Hunter Biden’s deals ‘served’ China and Chinese military, new film claims)
ブルース・ゴールディング・筆(9月3日付けニューヨークポスト紙掲載)
チャイナでハンター・バイデンが行っていたビジネス取引は、中共政府および人民解放軍の「戦略的利益」に役立つものであり、アメリカの国家安全保障を危険にさらしてしまった可能性があると、新たなドキュメンタリー動画は示している。ニューヨークポスト紙はこの動画を独占的に試写した。
「龍の背に乗る:バイデン一族によるチャイナの秘密(原題:Riding the Dragon: The Bidens’ Chinese Secrets)」は、北京を拠点にする投資会社BHR Partnersの取締役の一人として、ハンター・バイデンが関与したいくつかの取引にスポットを当てている。
この映画はまた、ハンターがチャイナの政府関係者たちと面会することができた——そして10億ドルの投資資金を獲得することができた——唯一の理由は、「彼の父親がアメリカ合衆国の副大統領だったため」であり、また父親が当時大統領であったバラック・オバマによって指名された「チャイナに対する米国政策の窓口役」だったからであると指摘している。
この41分間の映画は、2015年の著書「クリントン・キャッシュ:外国政府と企業がクリントン夫妻を『大金持ち』にした手法と理由」(*)を執筆し、また以前ハンターが行なっているチャイナでのビジネス取引について記事を執筆したベストセラー作家のピーター・シュヴァイツァー氏がナレーターを務めている。
*訳者注:同書籍を元に製作された同名のドキュメンタリー映画を、アマゾンPrimeは全米で配信停止にしている(以下の画像)。アマゾンは配信停止の理由を明らかにしていない。
この映画は、BlazeTVネットワークがオンラインで公開しており、木曜(9月3日)に6つのセグメントに分割してユーチューブに投稿している。
2013年に設立された投資会社BHRを追跡したシュヴァイツァー氏は、「ハンターの新会社は・・・チャイナ政府の戦略的利益の役に立つような投資取引を世界中で行い始めた。・・・この新会社は、チャイナ軍の戦略的利益の役に立つような投資取引を行い始めた」と語っている。
この映画の中で紹介されている取引の中には、アメリカの自動車部品メーカーであるHenniges Automotiveを買収するために、BHRとAVIC Auto——チャイナ軍向けに飛行機を製造している国営企業の中国航空工業集団有限公司(Aviation Industry Corps. Of China :AVIC)の子会社——との間で締結されたジョイント・ベンチャー取引が含まれている。
Henniges Automotiveの製品は、軍用にも民生用にも利用できる「デュアル・ユース」とみなされているとシュヴァイツァー氏は語っている。
同映画はまた、元国営電力会社である中国広核集団(China General Nuclear Power Corp.)に対してBHRが2014年に行った投資にも焦点を当てている。
2016年12月、FBIは、米国内から「機密の核技術」をチャイナが違法に取得することを支援するために共謀したという理由で、中国広核集団の技術者であるSzuhsiung “Allen” Hoを逮捕した。
帰化したアメリカ国民であるHoは、翌年有罪を認め、2年の禁固刑が言い渡された。
また、2017年にFBIが中国華信能源有限公司(CEFC China Energy Co.)の幹部であるChi Ping Patrick Hoを、アフリカの政府関係者たちを贈賄した罪で逮捕した後、「彼が最初に電話をかけた相手の一人」が、ジョー・バイデンの兄弟であるジェームズ・バイデンであったとシュヴァイツァー氏は語っている。
昨年、ジェームズ・バイデンは、ニューヨークタイムズ紙に対して、Ho——その後、彼はマンハッタン連邦陪審により有罪判決を受け、3年の禁固刑が言い渡された——がハンターに連絡を取ろうとしていたこと、そして自分の甥(ハンター)の連絡先をHoに伝えたことを語っている。
「具体的にどういった理由で、彼はハンター・バイデンに電話をかけたのか?どのような手助けを彼は期待していたのだろうか?」という疑問をシュヴァイツァー氏は投げかけている。
「我々は、この問いに対する答えを知らない。しかし、我々が把握していることは、バイデン一族がチャイナのエリート層に属する人たちと非常に親密な関係を構築しているということだ」。
この映画の中で言及されている他の取引には、コンゴ民主共和国における巨大なテンケ銅山の所有権の24%を獲得するために、BHRが2017年にチャイナ・モリブデンCo.(China Molybdenum Co. Ltd.、洛陽欒川鉬業集団股分有限公司)と締結した契約が含まれている。チャイナ・モリブデンCo.は、武器やその他製品のための合金鋼を作るために利用される金属元素モリブデンを製造する世界最大の製造業者の一つ。
BHRが同社とこの取引を締結したのは、チャイナがモリブデンを含む「レア・アース」の輸出規制を行ったことに対して、米国、EUそして日本が提訴したことを受けて、世界貿易機関(WTO)がその輸出規制を禁止する裁定を下した後のことであるとシュヴァイツァー氏は指摘している。
しかしこの事例を具体的に説明するために使われたスクリーンショット画像は、2012年のCNNの見出しである「オバマ政権は貿易に関する提訴を行いチャイナを攻撃」が使われている。この見出しは、実際には自動車輸出に関するニュース記事である。
BHRが行った別の投資案件——顔認識ソフトを販売するFace++と呼ばれるチャイナ企業に対する投資——についてもシュヴァイツァー氏は紹介しているが、これについてもThe Interceptによる記事の古いスクリーンショット画像が添えられている。
この報道は2ヶ月以上も前に訂正されており、同技術が「イスラム教徒を監視」するために利用されているとする見出しを撤回しているほか、同社の携帯電話アプリに関してヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights Watch)が行った「問題ある報告」——同記事の最初の文章で言及されている——は、「以降、撤回されている」と(訂正後の記事は)記している。
この映画の結論部分で、シュヴァイツァー氏は、「これらの取引は、バイデン一族に財産をもたらしただけでなく、それらは我々の国家安全保障にとって潜在的に危険な結果をもたらしている」と語っている。
映画の始まり部分で、シュヴァイツァー氏は、バイデン一家がこれらビジネス取引からどれくらいの利益を得たか「我々は確実に把握することはできない」ことを認めている。
しかし、ハンターがBHRの10%の所有権を握っていることから、その所有権は「数百万ドルの価値があり、チャイナとのパートナーシップが成功すればさらに価値は上がる」とシュヴァイツァー氏は見積もっている。ハンターは、彼の父親が(大統領選挙の)予備選を行っている期間中に世論の圧力を受けたため、昨年10月、BHRの役職から辞任する計画を発表している。
ニューヨークタイムズ紙によると、ハンターの弁護士は、BHRの取締役に就任している期間中、ハンターが報酬を受け取ったことや彼が持つ部分的所有権から利益を得たことを否定している。ニューヨークタイムズ紙は、ハンターの父親(ジョー・バイデン)が副大統領の職を去った後の2017年10月に、ハンターは同社の10%の所有権を得るために42万ドルを投資したと報じている。
この映画の中で行われている他の主張についても異論が唱えられており、(ハンターの投資会社にチャイナが行った)10億ドルの投資取引が、彼の父親に同行して2013年に北京を訪問してから10日後に締結されたという主張もその正当性が疑われている。
昨年、BHRの代理人は、雑誌ニューヨーカーに対して、この投資契約——ちなみにハンターはこの契約の調印者ではない——がこの(北京)訪問よりも前に締結されており、その直後に(チャイナでの)事業認可が下りていると語っている。
CNNの報道によると、ハンターの弁護士はまた、BHRの当初の資本金はわずか420万ドルだったと語っている。
ジョー・バイデンの選挙陣営は、この映画についてコメントすることを拒否したが、ハンターがチャイナで行ってきたビジネス取引についての様々な疑惑について取り扱った15件の「ファクト・チェック」ニュース記事のリストを提供している。
このうちの2件の記事は、BHRが契約を締結した時には、チャイナ・モリブデンが既にこの(コンゴ民主共和国の)銅山の過半数を所有していたこと、そしてBHRはその後、その所有権をチャイナ・モリブデンに「若干の」損失金額で売却する提案を行ったが、この取引は成立しなかったと報じている。
その他6件のニュース記事は、トランプ大統領が行ったコメントについて取り扱っている。トランプ大統領はこの映画には関わっていない。
(ニューヨークポストの記事はここまで。)
* * *
この記事を執筆したブルース・ゴールディング氏は、ハンター・バイデンがチャイナで行ってきたビジネス取引を擁護するかのように、ニューヨークタイムズ紙やCNNの報道を頻繁に引用している。しかしそれらは全て民主党支持の左派メディアの報道であるため説得力に欠ける。このドキュメンタリー映画が指摘する「疑惑」がどれほど真実に迫っているか確認するためには、政治的バイアスのない中立的な視点が必要となる。しかし少なくとも、今年の大統領選挙の候補者であるジョー・バイデン氏と彼の一族に、チャイナ利権で甘い汁を吸ってきたという疑惑があることは否定できない。
このドキュメンタリー映画はここで視聴することができる(自動翻訳機能で日本語の字幕を付けること可)。
【更新情報】このドキュメンタリー映画の日本語字幕版がここで公開されている。
【関連記事】
ハンター・バイデン氏がテレビ出演:「副大統領の父親がいなければウクライナ企業の取締役にはおそらく就任していなかった」と認める発言を行う
BonaFidrをフォロー