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タリバンがカブール空港を制圧:米国最長の戦争に一旦の終止符——前日に7台のバスに乗った米国人女性グループが空港ゲートに到着するも追い返される

タリバンがカブール空港を制圧:米国最長の戦争に一旦の終止符ーー最後の米軍機が飛び立つ前夜に7台のバスに乗った米国人女性グループが空港ゲートに到着するも追い返される

カブール空港を離陸する最後のC-17米軍輸送機「MOOSE94」Photo via @rolandoteleSUR

米国東海岸時間の8月30日(月曜)夜、最後の米軍機がカブール空港を出発した。米軍が正式にアフガニスタンから撤退したことを受け、米軍のユニフォームや装備をまとったタリバンの戦闘員たちが空港の格納庫に入り、米軍が残していったチヌーク・ヘリコプターを調べている動画が投稿された。

 

【訳】#タリバンの戦闘員がカブール空港の格納庫に入り、 #チヌーク・ヘリコプター(複数機)を調べている。

 

https://twitter.com/nabihbulos/status/1432471079004557314

【訳】米国による撤退と空輸搬送が終了した後、#タリバンの戦闘員は、数分前までアメリカの支配下にあったカブール空港に侵入した。米国政府は20年に及ぶ#アフガニスタン戦争を終結した。

 

【訳】カブール空港で歓喜の銃を発射するタリバン。

 

アフガニスタンからの米国の歴史的撤退が完了したこの日、ジョー・バイデンによる演説があると期待されたが、ホワイトハウスはジョー・バイデンによる国民に向けた演説は、米国東海岸時間の明日(8月31日)午後1時30分に行われると発表した。ただし、30日(月曜)、ジョー・バイデンの名前で声明の発表は行われている。

 

【訳】部隊を乗せた最後の米軍機(コールサイン「MOOSE94」)。全てが終結。ハミド・カルザイ空港はタリバンの支配下に入った。

 

米国時間の30日(月曜)午後(アフガニスタン時間の31日火曜)、米軍中央司令部のトップであるケネス・マッケンジー将軍は次のように発表した:

私はここに、我々のアフガニスタンからの撤退完了を発表する。・・・(アフガニスタンでの)軍事的フェーズは終了した・・・(これからは国務省が)主導権を握る。・・・

 

私は3日前に亡くなった者たちに心を痛めている。

 

マッケンジー将軍は、避難を希望していたアメリカ国民の「大多数」が避難したと発表した。

 

しかし、トランプ政権のスタッフだったエミリー・ミラー氏は、現地で救助活動を行っている元米軍特殊部隊の「マーク」から8月29日(日曜)に次の情報を得たとツイートしている:

【訳】「我々はカブールで対応している。アメリカ人女性が乗ったバスが7台ある。司令官(CG)は(空港)ゲートを開けるのを拒否した。我々には下院議員が同行しており、彼は国務省に連絡を取らせた。(しかし)ドナヒュー少将(MG)が拒否した。10分前にこれらの女性たちはタリバンに連行された。彼女たちはもう死んでいる可能性が高い」。

 

【訳】特殊作戦部隊のリーダーから、バスに乗っていた女性たちについてのアップデート -  「彼女たちは安全だと聞いた」。国務省が関与していると彼は語った。

 

米国人がカブール空港のゲートで追い返されているという情報はデマだというアフガニスタン・イスラム共和国臨時代理大使のロス・ウィルソン氏のツイートに対して、ミラー氏はその情報こそデマだと反論ツイートを投稿している:

【訳】「これはまさに100%の嘘だ。誠実さがないということですらない。ただの嘘だ」。 – 空港での救助活動を行っている大手NGOのセキュリティー・オフィサー(が語っている)。

 

(引用されたウィルソン臨時代理大使のツイート)

これはハイ・リスクな作戦だ。米国民が大使館員や米軍によってカブール空港への立ち入りを拒否されたという主張は誤りだ。

 

エミリー・ミラー氏は自身のサイトおよびツイッターで、アフガニスタンで救出活動(ボランティアによる秘密救出作戦「パイナップル・エクスプレス」)を行なっている米軍の元特殊部隊や民間警備会社のセキュリティー・オフィサーから伝えられる最新状況を更新している。

 

一方、元アメリカ海軍特殊部隊(ネイビーシールズ)のダン・クレンショー下院議員(テキサス州選出・共和党)は、8月30日(月曜)次のように語っている

我々は、2001年9月10日よりも悪い状況に置かれている。当時、我々は戦争をしていなかったが、誰かが私たちと戦争状態にあった。それが今どうなっていると思うか?彼らはまだ私たちと戦争をしている。ジョー・バイデンは戦争を終わらせたことなど一度もない。それはいつもの虚像でしかない。それは、「我々は戦争を終わらせるつもりだ」といういつもの政治家による偽りの約束でしかない。しかし、それ(戦争終結)には敵の意見も必要であり、最近では彼らはそのことを明確に意思表示している

 

現地で従軍した我々の多くは、悔しい思いをしている。誤解しないで欲しいのは、我々の活動は無駄ではなかったということだ。この20年間で我々が得たものはある。我々が得たものは、もはや9・11のようなことが起こっていないことであり、それは何もないということではなく、何らかの成果である。しかし、今後アルカイダが改革を進め、余裕ができ、活動を再び外部に展開できるようになったとき、このような攻撃からアメリカを守るために誰がそこにいるのか、私にはわからない。

 

2001年会計年度~2022年会計年度までに、米国政府がアフガニスタンの戦争に投じた費用は、合計2兆3130億ドル(約254兆円)であるとブラウン大学は算出している

(Graph via Brown University

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