米FDA諮問委員、「直感で賛成に投票した」とモデルナ社製コロナワクチンの追加接種を推奨した理由を語る——同社がブースターショット承認のために提出したデータは「十分に説明されていなかった」
アメリカ食品医薬品局(FDA)の第三者委員会である「ワクチン・関連生物製品諮問委員会」は、10月14日(木曜)、65歳以上の高齢者やリスクが高いその他の人々にモデルナ社製Covid-19ワクチンの追加接種(ブースターショット)を行うことを全会一致で推奨した。
「ワクチン・関連生物製品諮問委員会」による今回の決定に拘束力はないが、モデルナ社製ワクチンの追加接種に対するガイドラインとなる。今回の決定により、モデルナ社製ワクチンのガイドラインは、ファイザー/BioNTech社製ワクチンの3回目接種のガイドラインと同じになる。
そして「ワクチン・関連生物製品諮問委員会」のメンバーであるパトリック・ムーア博士が「直感で賛成に投票した」と発言したことに保守系メディアの注目が集まっている。ムーア博士は、ピッツバーグ大学医学部の分子遺伝学・生化学教授。
保守系メディアは、ムーア博士のこの発言を記事の見出しにして大々的に報じている:
【Information Liberation】「本当に真面目なデータに基づいているというよりも、むしろ直感だ」:モデルナ社のブースター承認に関してFDA諮問委員が語る
一方、主流メディアでもムーア博士のこの発言は広く報じられている。ただし、その発言は記事の文中に埋もれる形となっている。NBC系列のCNBCは記事の6パラグラフ目で次のように伝えている:
木曜にモデルナ社製ワクチンが全会一致で賛成票を獲得した後、委員会メンバーのパトリック・ムーア博士は、同社がブースター接種の承認のために提出したデータは「十分に説明されていなかった」と述べ、同博士が「直感」で賛成に投票したと付け加えた。
「データ自体は強固ではありませんが、今回の投票(結果)を支える方向にデータが向かっていることは確かです」と彼は述べた。
(太字強調はBonaFidr)
ニューヨークタイムズ紙や、ウォールストリートジャーナル紙も、「本当に真面目なデータに基づいているというよりも、むしろ直感だ」というムーア博士の発言を、見出しではなく記事の中で紹介している。
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そしてFDAは最初に接種したコロナワクチンとは異なる種類のワクチンを追加接種で受けることを認める計画であると10月18日(月曜)にニューヨークタイムズ紙が報じている。
この動きは「ジョンソン・エンド・ジョンソン社製ワクチンの魅力を減退させ、医師や他のワクチン接種サービス提供者に柔軟性を与える」ことが可能となると同記事は伝えている。言い換えると、このFDAの判断には、mRNAワクチンを製造する大手製薬企業によるロビー活動の影響が垣間見える。
先週金曜には、国立衛生研究所(NIH)から資金提供を受けた「研究者」たちが、異なる種類のワクチンを追加接種する研究結果を、FDAに助言を与える専門委員会に発表していた。この研究では、ジョンソン・エンド・ジョンソン社製ワクチンの単回投与を受けた人がモデルナ社のブースター接種を受けた場合、15日間で抗体レベルが76倍に上昇したのに対し、ジョンソン・エンド・ジョンソン社の追加接種を受けた場合は4倍にしか上昇しなかった。
しかし、今年初旬、同じニューヨークタイムズ紙は、別の研究結果を紹介しながら、異なる種類のコロナワクチンを接種することはCDCのガイドラインと矛盾しており、「専門家たちを懸念させている」と報じていた:
英国は混合したワクチン接種への道を開き、専門家たちを懸念させている
ガイドラインによると、同じ種類のワクチンの2回目が入手不可能な場合、別のワクチンで代用してもよい。
(本文)・・・この(英国の)新しいガイドラインは、米国におけるガイドラインと矛盾している。米国疾病管理予防センター(CDC)は、(緊急時使用)許可されたCovid-19ワクチンは「互換性がない」と指摘し、「混合して利用されるワクチン製品の一連の安全性と有効性は評価されていない。一連(のワクチン接種)の両方の投与とも、同じ製品で完了する必要がある」と記している。
さらにこのニューヨークタイムズ紙の記事は、コーネル大学教授のコメントを引用して、英国は「科学を完全に放棄してしまったようだ」とまで批判していた:
科学者の中には、英国がこの新しいガイダンスによりギャンブルを行っていると言う人もいる。コーネル大学のワクチン専門家であるジョン・ムーア氏は、「この考え(異なるワクチンを利用できるという考え)には何のデータもありません」と語っている。英国政府関係者たちは、「科学を完全に放棄して、ゴタゴタから抜け出す方法を憶測で見出そうとしているように見える」と述べている。
(太字強調はBonaFidr)
国立アレルギー感染病研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長はそうは思っていないようだ。10月17日(日曜)、珍しくFOXニュースの番組に出演した同氏は次のように語っている:
もともとジョンソン・エンド・ジョンソン(のワクチン)を接種した人は、ジョンソン・エンド・ジョンソンでも、他の製品との混合でも、ある程度柔軟に対応できるようになると私は確信しています。
FDAの諮問委員が「直感で賛成に投票した」ことは「科学を完全に放棄する」ことにはならないのだろうか?
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