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ニューワールドオーダーは“日本のNATO加盟”で始動 ジョージ・ソロスが30年前に発表した論文で予言——世界秩序を保つためにNATOは“自前の武器と東欧の兵士”を使えばいい

ジョージ・ソロス氏(Photo: Public domain)

ビリオネアーの“ヒューマニスト”という表の顔とは別に、様々な裏の顔を持つジョージ・ソロス氏が1993年に発表した論文『Toward a New World Order: The Future of NATO(訳:ニューワールドオーダーに向けて:NATOの未来)』に再び注目が集まっている。

今から30年前に発表されたこの論文は、ソ連崩壊をきっかけに、第2次世界大戦後の世界秩序が終焉を迎え「世界に無秩序が到来する」という仮説を基に、NATOが取るべき地政学上の戦略プランを描いている。

そしてこの論文の中の以下のパラグラフで、ソロスは現在の世界情勢を「予言」している。(太字強調はBonaFidr)

この設計にはただ一つ不備がある:日本を考慮に入れていないことだ。日本は、NATOに加盟するよう要請されるべきだ。そうすれば、ニューワールドオーダー(新世界秩序)の建築を始められるだろう。それは、米国を残存する超大国とすることをベースとし、そしてオープンソサエティーを統括原理とするものである。これは一連の同盟国によって構成され、その中で最も重要なものはNATOと、(NATOを通じて行われる)北半球を取り囲む「平和のためのパートナーシップ協定(PFP)」である。米国は世界の警察官として行動することを求められることはない。米国が行動する時、それは他国と協力して動くことになる。ちなみに、東欧のマンパワーとNATOの技術力を組み合わせることで、PFP協定の軍事力は大きく高まる。なぜなら、NATO諸国の行動意欲を制約する最大の要因である「ボディバッグ(遺体袋)」のリスクを減らすことができるからだ。これは、迫り来る世界の無秩序に対する有効な代替案である。

つまり、NATO加盟国は自国の兵士が戦死することを避けたいと考えるため、戦争する意欲が制約されるということをジョージ・ソロスは認めている。それを穴埋めする手立てとして、東欧の兵士(マンパワー)がNATO加盟国の身代わりとなって戦死するリスクを負う、ということを彼はここで暗示している。

ジョージ・ソロスが30年前に暗示したことが、まさに今、ウクライナで現実となっている。NATOのハイテク兵器で武装したウクライナ兵士が、今、ロシアと戦っている。ソロスは、ロシアがいずれ自分が推進するこのニューワールドオーダーに反対するナショナリズム国家になることを恐れていた。

フォン・デア・ライエン欧州委員長は、昨年11月、「これまでに10万人以上のウクライナ軍将校が殺害された」と口を滑らせている。さらにこの時、2月末からウクライナ市民は約2万人が戦闘の犠牲になっているとも彼女は語っている。(ウクライナ政府は、戦死者の数は「機密情報」だとして、フォン・デア・ライエン委員長の発言に怒っていると報じられている。)

ソロスが予言したように、ウクライナ社会は現在のロシアとの紛争における高い死者数を容認しているように見える。米国はベトナム戦争の約10年間で5万8220人の死者を出し、アメリカ国民の間で大きな反戦運動が起きた。しかし、ベトナム戦争よりはるかに短期間に、なおかつはるかに多くの死者を出しているにもかかわらず、ウクライナ国民からはほとんど抗議の声が聞こえてこない。

ウクライナで反戦運動や抗議活動が起きない理由は、野党や反政府メディアが禁止され、さらにはロシア正教会が非合法化され、市民社会の大部分が寸断されていることがこうした状況を助長しているからかもしれない。また、この戦争がウクライナの地で行われていることも、ウクライナ兵にとっては愛国心が煽られ、進んで戦争に参加する大きな動機付けとなっているだろう。

そして論文の結論として、ソロスは次のように書いている(太字強調はBonaFidr):

私がここでアウトラインを示したような「平和のためのパートナーシップ協定」は実現可能であると確信している。これは、ロシアと他の新興独立国の両方、および中欧諸国からも歓迎されるだろう。世界の無秩序をそのまま放置しておくよりは、これははるかに安上がりであろう。そしてこれは、歴史の流れをより良いものに変えるだろう。

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