ソフトバンクGの孫正義社長、「リーマンのような危機」により世界市場が暴落する可能性があると警告|ニューヨークタイムズ紙主催のオンラインサミットで
米国現地時間の11月17日(火曜)朝に開かれたニューヨークタイムズ紙主催の「ディールブック・オンラインサミット(DealBook Online Summit)」で、ソフトバンクGの孫正義社長は、コロナ災禍の第2波が激化するに伴い、この先数ヶ月以内に世界市場を暴落させうる「危機」が差し迫っている可能性があると警告した。
公式アカウントがその時の動画をツイートしている:
In the short run, I’m pessimistic,” says SoftBank’s @masason at the #DealBook Online Summit https://t.co/FGlqjPG068 pic.twitter.com/9ml4EClaaH
— DealBook (@dealbook) November 17, 2020
【訳】「短期でみると私は悲観的だ」とソフトバンクの孫正義がディールブック・オンラインサミットで語った。
このバーチャル会議で、ディールブックの編集者であり金融系ケーブル局CNBCの司会者でもあるアンドルー・ロス・ソーキン氏は、孫社長に、通常であれば部屋の中で最も楽観的なのは孫社長であると語り、孫社長の口から悲観論が聞かれることはまれであることを指摘した。
しかし孫社長は、ここ最近、態度を急速に変えている。その理由の一つは、ソフトバンクGが、最近、その投資部門Northstarで37億ドルという大損失を出していることが関係しているのかもしれない。
同社は今年8月末、ナズダックの大手IT関連株FAANG株に対する非常にリスクの高いコールオプション取引を行なっていたことが報じられていた。この取引で、ソフトバンクGは40億ドルの含み益があると報じられていた。しかし最近は、ソフトバンクGの投資ファンド部門であるビジョンファンド(Vision Fund)からは、幹部たちが次々と退社しているとニュースになっている。
ソーキン氏は、孫社長に、世界市場を暴落させる「最悪のシナリオ」、そのきっかけは何なのだろうかと質問した。
この質問に、孫社長は、たとえワクチンが開発されたとしても、「どこかの大手企業」が「崩壊」する可能性があり、そうなれば世界中の金融に混乱を巻き起こすという「ドミノ効果」が生まれると答えている。
孫社長はさらに、「たった一つの銀行」が「リーマンのような危機」を引き起こす可能性があるとも語った。
この先数ヶ月以内に、どのようなことでも起きる可能性があると孫社長は警告している。ただし、ワクチン開発に関する前向きなニュースのおかげで、状況は多少、好転していると考えているという。しかし孫社長は「最悪のシナリオに備えている」と語っている。
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