第2回米大統領選・民主党テレビ討論会:ハリス候補の知られたくない過去をガバード候補が暴露
7月30日・31日、米大統領選挙に向けた民主党テレビ討論会の第2回目がデトロイトで開かれ、全米に生放送された。(第1回目の民主党テレビ討論会については、「2020年の大統領選は終わった? 極左に偏る民主党候補者たちではトランプに勝てない」を参照。)
現在、世論調査では民主党候補者の中でバイデン元副大統領がトップを走っており、そのため彼に議論を挑む候補者が多かった。そんな中、最も白熱した議論となったのが、カマラ・ハリス上院議員(カリフォルニア州選出)とタルシ・ガバード下院議員(ハワイ州選出)だ。カマラ・ハリス上院議員は、最新の世論調査で4位につけており、今月初旬の調査では2位にまで浮上している有力候補者。(冒頭の写真の左がハリス議員、右がガバード議員。)
(Source: realclearpolitics.com)
ハリス上院議員は、もともとカリフォルニア州検事で非常に雄弁であり、前回の討論会でもバイデン元副大統領に辛辣な攻撃を行って人気がさらに上昇していた。以前、「民主党の大統領候補はカマラ・ハリス氏に決定か?」でも報じた通り、前回の大統領選挙においてヒラリー・クリントンの選挙陣営で采配を振るった選挙専門の弁護士が、ハリス候補者の選挙キャンペーンに参画している。
しかし第2回目の討論会で、ハワイ州選出のガバード議員から知られたくない過去を指摘され、論破されてしまう一幕があった。2日間にわたって行われた第2回目のテレビ討論会で、最も劇的で候補者の本性が現れた場面だったと言っても良いだろう。(ガバード議員は米国議会初のサモア系議員であり、米国議会初のヒンドゥー教徒でもある。2004年にハワイ国家陸上警備隊の一員としてイラクに派兵されている。)
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第1回目の討論会で、ハリス議員がバイデン元副大統領のこれまでの政策を人種差別的だと強く非難したことが前回の討論会の「見せ場」となった。そのことを受け、再び二人の対決に持って行こうと、討論会の司会者がハリス議員にマイクを向けた。
するとハリス議員は、「カリフォルニア州の司法長官として自身の業績に誇りを持っている」と語り、バイデン元副大統領などの国会議員が可決した人種差別的な政策を修正するために州政府レベルで奔走したと印象付けるスピーチを行った。
しかしそれを聞いていた壇上のガバード議員は、ハリス議員による自画自賛と過去の過ちの隠蔽を許さなかった。
ハリス議員のスピーチの後、ガバード議員が次のように語り始めた。
ハリス議員は、(カリフォルニア州検事の時代に)1500人以上もの人々をマリファナの法律違反で刑務所に送っているが、当時、彼女自身がマリファナを吸ったことがあるか聞かれた際にそれを笑っていた。・・・ハリス議員は自身の業績に誇りを持っていると言ったが、私は彼女の業績に対して非常に深刻な懸念を抱いている。
紹介するにはあまりに多すぎる事例がある。例えば、無実の罪で死刑囚となっていた人物を釈放するための証拠があったのに、それが提出されることを彼女は阻止した。最終的に、裁判所が(検察官であった)彼女に対して命令し、この死刑囚を釈放させることになった。
彼女は、刑期を終えた囚人たちを安価な労働力としてカリフォルニア州のために利用するために、刑務所で収監し続けた。さらに彼女は、現金による保釈金支払いの制度を持続させることに固執し、これにより貧しい人たちにとって仮釈放を申請することが困難になるという貧困層にとって厳しい政策を採った。
・・・結論を言うと、人々の生活と人生に多大な影響を与える役職にあなたが就いていたとき、あなたは彼らの側に立ったことを一切行っていなかった。それよりも最悪なのは、無実の人が死刑囚として収監されていたケースで、あなたはその人の無実を証明する証拠が提出されるのを阻止した。裁判所によってその証拠を公開するよう命令されるまで阻止した。その行為に対する言い訳など一切ない。ハリス議員は、彼女の「統治時代」に苦しんだ人々に対して、謝罪する義務がある。
両候補者のディベート部分は、ここで視聴できる(動画開始から3分50秒あたりから):
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