フェースブックは携帯電話のカメラを使ってインスタグラムのユーザ情報を密かに収集している?|同社に対して連邦裁判所で訴訟が起こされる
今年8月、フェースブックは写真共有アプリであるインスタグラムのユーザについて、彼らの生体認証データを違法に収集していると報じられていた。そして今週、フェースブックは携帯電話のカメラを使ってインスタグラムのユーザに対してスパイ行為を行なっているとして、同社に対して訴訟が起こされたとブルームバーグ通信が報じている。
インスタグラムのユーザであるブリタニー・コンディ(Brittany Condi)さんは、9月17日(木曜)にサンフランシスコ連邦裁判所で起こした訴訟の中で、フェースブックがインスタグラムのユーザたちの携帯電話カメラに許可なくアクセスしていたと主張している。コンディさんは、フェースブックが「それ以外の方法ではアクセスできない、金銭的価値の高いユーザ・データ」を収集するためにユーザに対してスパイ活動を行っていたと訴えている。
さらにその訴状の中で、「同社のユーザたちに関する非常にプライベートで私的な個人データを獲得すること」により、インスタグラムとフェースブックは「価値ある(ユーザに関する)知見および市場分析データ」を収集していたと記している。
今回起こされた訴訟は、今年7月のメディア報道に続くものである。当時メディアは、インスタグラム・アプリのコード内に見つかった1つの「バグ」により、ユーザの許可なく彼らの携帯電話カメラが起動されているように見えていたと報じていた。インディペンデント紙が7月に報じた内容によると、数人のユーザは、彼らのiPhoneのコントロールセンターのトップ画面に、カメラが起動していることを示す緑色のアイコン(以下の画像)が表示されているのに気がついたと語っている。これが理由となり、ユーザたちはインスタグラムが彼らに対してスパイ行為を行なっていると考えるに至っていた。
(Screenshot via KevRoy’s Twitter)
(Screenshot via KevRoy’s Twitter)
この7月の報道に対して、インスタグラムはこれは単なるエラーであると説明し、ユーザに対してスパイ行為を行なっていたという疑惑をすぐさま否定している:
「我々は、ユーザたちの指示がある時のみユーザのカメラにアクセスする。例えば、ユーザがフィード画面からスワイプしてカメラに移動する時などである。我々はiOS 14 Betaの中に1カ所のバグを発見しており、現在その修正を行っている。iOS 14 Betaは、一部ユーザたちがカメラを使っていないのにそのように誤って表示してしまう。・・・こうした事象が起きている場合、我々はユーザのカメラにはアクセスしておらず、コンテンツは一切記録されていない」と、広報担当者は8月中旬The Vergeに語った。−The Verge
しかし8月に起こされた別の訴訟では、フェースブックは顔認証技術を使ってユーザの生体認証データを収集していると訴えられている。
フェースブックは、2017年12月の時点ですでにユーザの通話内容や携帯電話のマイク機能から音声データを収集し、ユーザに対してスパイ行為を行っている可能性があると報じられていた。
こうしたフェースブックによるユーザに対するスパイ行為疑惑は、鎮静化するどころかますます高まっている。2018年にはテレビCMの中に人の耳には聞こえない隠された信号を挿入することで、その「信号」をキャッチした携帯電話を強制的に起動しユーザの会話を秘密裏に録音する技術をフェースブックが特許申請していると報じられている。
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