ロシア政府がエドワード・スノーデンに永住権を与える|絶好のタイミングでアメリカ政府に揺さぶりをかけるプーチン
今年の大統領選挙にもロシア政府が介入しようとしていると、一部アメリカの政治家やスパイ機関の元幹部たちが騒ぎ立てている最中、ロシア政府は新たに計算し尽くされた一撃をアメリカ政府に繰り出した。ロシア政府は、米国家安全保障局(NSA)の元アナリスト、エドワード・スノーデンに正式に永住権を与えた。
NSAは国防総省の諜報機関であり、CIAやFBIと並ぶアメリカのスパイ機関。エドワード・スノーデン(現在37歳)は、2013年、ハワイにある米軍基地で勤務していたとき、NSAが違法に世界中の人々の携帯電話を盗聴していると告発したことでアメリカ政府に追われる身となった。現在はロシアで亡命生活を送っている。彼は以前から南米の一国に亡命することを求めていたが、意図せずしてプーチン大統領のロシアで「立ち往生」してしまったと語っている。
スノーデンの弁護士は今週木曜、ロシアの永住権を取得したことで、彼が希望すればロシア国籍を得る道が開かれたと発表した。しかし、もし彼が米国に戻る場合、彼が主張することになる正当防衛の司法手続きにおいて、ロシアの市民権を持っていることが有利に働く可能性は低い。
スノーデンの弁護士であるアナトリー・クチェレナ氏は、ロイター通信に対して次のように語っている:
「彼の(ロシアでの)滞在許可は失効日が迫っていました。そこで我々は延長の申請を行いました。・・・私たちは4月に書類を提出し、永住権を(今週木曜)取得しました」。
しかし同弁護士は、スノーデンがロシア国籍を実際に取得する可能性をはっきりと否定している。
スノーデンは、米国の国家安全保障に関わる機関が国家権力を濫用しているとロシア国内から積極的に発言を続けており、書籍を出版しているほか、メディアとのインタビューも頻繁に行っている。
スノーデンの最近の投稿:
I did a dangerous thing for a man in my position. pic.twitter.com/mjlNNp9mEJ
— Edward Snowden (@Snowden) October 2, 2019
【訳】私は、私が置かれていた立場にいる男(*)のために危険なことをした。
(*元CIA/NSA長官のマイケル・ヘイデンを指していると思われる。)
最近、スノーデンが出演したアメリカのネット番組では、スマートフォンがどのようにユーザを盗聴しているかについて警鐘を鳴らしているほか、ウィキリークスの創設者、ジュリアン・アサンジが不当な扱いを受けていると語っている(政府の機密情報を漏洩した人物は法的責任が問われるが、それを公開したジャーナリストには法的責任がないにもかかわらず、アサンジがその罰を受けていることは法的に矛盾していると指摘している):
またこの夏、トランプ大統領は、スノーデンは恩赦を与えられるべきかもしれないと公に発言し、報道陣や国家安全保障に携わる官僚たちに衝撃を与えた。
当時、トランプ大統領は、「この件についてよく検討してみるつもりだ。彼(スノーデン)は公平に扱われていないと考えている人たちが多くいる。私はその声を聞いている」と語っている。トランプ大統領によるこの発言は、ワシントンDC界隈の官僚機構という「泥沼」にいる人たちにショックを与えている。
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