新型コロナの後遺症としてEDが引き起こされる可能性あり——マイアミ大学の研究チームが新論文を発表
新型コロナ(武漢ウイルス)に感染した男性には、その後遺症としてED(勃起障害)が引き起こされる可能性があるとする新たな研究論文が、5月7日に医学雑誌World Journal of Men’s Healthに掲載された。
同論文を共同執筆したマイアミ大学のラマサミー博士は次のように語っている:
我々の研究では、COVID-19が肺や腎臓以外の臓器系にも広範な内皮機能障害を引き起こすことがわかっている。COVID-19が原因で起こる根本的な内皮機能不全は、このウイルスが内皮細胞に入り込み、陰茎を含む多くの器官に影響を及ぼす可能性があるために起きる」とマイアミ大学ミラー医科大学の生殖泌尿器科プログラム准教授、兼ディレクターであるランジス・ラマサミー(Ranjith Ramasamy)医学博士は述べている。
「我々のパイロット研究では、以前はEDを訴えていなかった男性が、COVID-19の感染後にかなり重度のEDを発症したことを発見した」とラマサミー博士は語っている。
ラマサミー博士とマイアミ大学の研究者たちは、男性患者たちが回復した後もウイルスが何ヶ月もの長期にわたって男性の陰茎に留まる可能性があることを発見した。さらに研究者たちは、COVID-19によって引き起こされる「広範な血管の機能障害」がEDの原因になっているのではないかという仮説を立てている。
ラマサミー博士は、「血管自体が機能不全を起こし、勃起のために十分な血液を陰茎に供給することができなくなる。ウイルスが陰茎に血液を供給する血管に影響を与え、EDを引き起こすことがわかった」と語っている。
新型コロナウイルスは、肺、腎臓、脳などの他の臓器にもダメージを与えると言われている。しかし今回、新型コロナに感染したことがある2人の男性から陰茎組織を採取した結果、マイアミ大学の研究者たちはEDが「永続する可能性がある」と考えている。
新型コロナウイルスがEDを引き起こす可能性があると主張する研究は、これが初めてではない。今年3月、ローマ大学の研究者たちは、医学誌Andrologyに「“Mask up to keep it up”: Preliminary evidence of the association between erectile dysfunction and COVID-19(訳:「それを立たせておきたいならマスクを着けろ」:勃起不全とCOVID-19との関連性に関する予備的証拠)」というタイトルの論文を発表している。
同論文では、新型コロナに感染した男性がEDを発症する可能性は5.6倍高まると記している。
マイアミ大学のラマサミー博士は、新型コロナに感染後に、EDの症状がどれほど広範囲に起きているかを理解するためには、さらなるデータが必要であると語っている。
2020年の米国における出生数は、6年連続で下落して360万人となり、1970年代以来の最低を記録したと、今月4日にブルームバーグ通信が報じている。
これら2本の研究論文は、グローバル経済にとっては大きなデフレ要因として今後のしかかってくる可能性がある。
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