【インタビュー】「世界的な通貨実験は大炎上して終焉を迎える」金融ライターのジョン・ルビノ氏——商業不動産担保証券(CMBS)を抱えた年金基金は危機に陥り、その他セクターに飛び火する可能性がある
アナリストで金融ライターのジョン・ルビノ氏は、今年2月、「2023年ついに世界の主要通貨が最終局面を迎える」と語り、世界に劇的な大変動が引き起こされることは不可避と予言していた。
それから約1ヶ月後の3月、シリコンバレー銀行(SVB)が破綻し、米国連邦預金保険公社(FDIC)と米国財務省が実質的に銀行システム全体を緊急支援することになった。
しかし金融問題はまだ終わっていないとルビノ氏は言う:
基本的に、金利は10年間、人為的に低く抑えられてきました。
その間に、非常に多くのオフィスビル(商業不動産)が建てられ、それらは低金利で融資されました…今、オフィスの空室率は急上昇しています。それはすなわち、オフィスビルはもう儲からないということです。彼らが2~3%で借りていた借金を、5%、6%、7%で借り替え(ロールオーバー)しなければならなくなりました。 つまり、ただでさえ採算の合わないオフィスビルが、金利の上昇でさらに採算が合わなくなることを意味します。
さて、今、彼らはこのオフィススペースを売却したいと考えているのですが、取引を成立させるために行わなければならない値下げは、30%~50%…中には80%も下落しているところもあります…
地方銀行はすでに先月問題を起こしましたが、これらの商業不動産が思ったほど価値がないことがわかったとき、彼らはもっと大きな問題を起こすことになるでしょう。このペーパー(商業不動産担保証券=CMBS)は年金基金に含まれているのですが…彼らは危機に陥るでしょう。
つまり、不動産が他のいくつかのセクターで起きる危機のきっかけになる可能性があるのです… 政府はこのまま放置してそれを炎上させ、1930年代のような恐慌になるか、あるいは目の前にいる全員を救済することになるでしょう…(後者が選ばれる場合)その代償としてインフレが進み、ドルは暴落することになるでしょう。
ルビノ氏は「もう解決策はない」と言う:
これらのオフィスビルに(入居者を)補充する方法はありません。 倒産せずにそれらの(ローンの)借り換えをする方法もありません…
今年のいつかの段階で私たちはマイナス成長に逆戻りし、(米国経済は)血の海になるでしょう。 もう解決策はありません。彼ら(商業不動産の所有者)はそれがやってくるのが目に見ているのに、どうすればいいのか皆目わからない…
このセクターは私たちが注目しておきたいセクターであり、次の大きな危機のきっかけとなるでしょう…
次の救済措置ではさらに多くの新しいドルが生み出され、それがドルを押し下げ、そして解決策のない「死のスパイラル」に陥ることになります。それはもうすぐそこで起きるのを待っている状態です。次の救済は、あまりに巨額となるため、通貨(米ドル)と国債(米国債)の保有者を恐怖に陥れるでしょう。
そうなればゲームオーバーです… 残された疑問は、単純に、いつ人々がこのことを理解するかということだけです。 それが、今の私たちが置かれた状況です。
インタビューの最後に、ルビノ氏は次のようにまとめている:
これは、基軸通貨としての米ドルがどうなるかということよりもはるかに大きな話です。 これは、世界的な通貨実験の終焉であり、それは非常に激しく炎上して終焉を迎えることになります。 これは、見ていて楽しいというようなものではないでしょう。
ルビノ氏は、食料、水、道具、金、銀、車、野菜を育てられる庭など、有形資産を準備するようアドバイスしている。
この約48分のインタビュー動画で、ルビノ氏は他にも様々なアドバイスや知見を披露している。
【関連記事】
「2023年ついに世界の主要通貨が最終局面を迎える」
国が破綻するまでの10ステップ【日本の事例】
【インタビュー】「アメリカはすでに財政破綻しており、それが政治を腐敗させている」 金融ライターのジョン・ルビノ氏
サブプライム住宅ローン危機2.0?
BonaFidrをフォロー