チャイナ政府はアメリカの研究者たちにCOVID-19の起源を研究することを制限|共和党議員団が教育省に宛てた書簡で明らかに
チャイナによる全米の大学へのスパイ工作は徐々に明らかになってきており、すでにハーバード大学の化学・生物化学学部の元学部長、チャールズ・リーバー容疑者の逮捕にまで発展している。そしてこれは「最初のドミノ」が倒れたに過ぎず、今後はイェール大学やMITでも文字通り「ドミノ倒し」に逮捕者が出る可能性があるとNewsweekが報じている。
全米の大学は、チャイナから「契約」もしくは「贈与(寄付)」という形で、2013年1月〜2019年6月までの6年半の間に、合計10億ドルにものぼる資金を受け取っているとブルームバーグ通信が今年2月に報じていた。政府データを分析したブルームバーグによると、全米の約115にものぼる大学が、大陸チャイナを拠点にした組織・個人から金銭的な贈与か契約金(もしくはその両方)を受け取っている。そのうち、最大の金額を受け取っていたのはハーバード大学であり、9370万ドルを受け取っていた。そのうちの大多数は贈与(寄付金)であった。次いで2番目に金額が大きかったのは南カリフォルニア大学、3番目はペンシルバニア大学、4番目はスタンフォード大学、5番目はニューヨーク大学と続いている。
しかし、その後、これら大学はチャイナから受け取っていた契約金や贈与について65億ドル以上を政府に報告していなかったことが判明しており、現在、教育省が調査を進めている。つまり、全米の大学はチャイナから受け取っていた資金を7分の1(13%)以下しか報告していなかった計算になる。
連邦政府によるこうした全米大学への捜査網があまりに大規模に広がっているため、捜査関係者たちはこの捜査案件にコードネームをつけており、これを『潜伏した巨匠たち(Lurking Giants)』と呼んでいる。
そして今週5月4日、7つの下院委員会の共和党有力議員たちが連名で、教育省のベッツィー・デボス長官に対して、北京政府がアメリカ人学生たちを洗脳しようとしていると警告し、全米の大学を調査するよう改めて要請する書簡を送った。ロイター通信がこれを報じている。
🚨🚨🚨 NEW: 7 top House committee Republicans announce probe into China's infiltration of U.S. colleges
“We cannot allow a dangerous communist regime to buy access to our institutions of higher education, plain and simple” – @Jim_Jordan
More➡️ https://t.co/GwgpkDFkhn pic.twitter.com/C3JQbJIGyJ
— Oversight Committee (@GOPoversight) May 4, 2020
【訳】ニュース:7つの下院委員会に所属する7人の有力共和党議員たちは、米国の大学へのチャイナの浸透工作について調査を発表。
「我々は、危険な共産主義体制が、我々の高等教育へ金にものを言わせて浸透することを許すことはできない。単純明白なことだ」。
この書簡の中で、共和党議員団は次のように記している:
全米の高等教育システムへ海外から直接投資された資金の中で報告されていないものについて、教育省がどのように対処しようとしているか、その活動をよりよく理解するために我々はこの書簡を記している。
我々は、チャイナ政府がこの戦略的投資を利用して、アメリカの大学を、アメリカ人学生を洗脳するためのプラットフォームにしているという可能性について懸念している。
チャイナは、アメリカ企業、そしてアメリカ政府からでさえも機密情報や技術を盗むために米国の学術界に戦略的に投資を行っている。
さらに、これら共和党議員団はこの書簡の中で、フーバー研究所が2018年に発表した報告書にも言及している。この報告書は、全米の大学には最大110の孔子学院が設立されていることが確認されており、それがチャイナによるスパイ工作に利用され、知的財産の窃盗に関与していると記している。(冒頭で紹介したブルームバーグ通信も、全米で約115の大学がチャイナから資金を受け取っていると報じており、全米にある孔子学院の数とほぼ一致している。)
共和党議員団はこの書簡を次のように締めくくっている:
チャイナは、米国の高等教育機関へ影響力を持つために資金をばらまいていることに加えて、中共政府のプロパガンダに従わない、COVID-19の起源に関するいかなる研究をも制限している。(こうした行為は)連邦政府による納税者の資金を受け取っている米国の高等教育機関が、チャイナ、中共政府、もしくは他のそれと関連する組織から資金を受け取ることを許されるべきかについて問題を提起している。
先週末の5月2日(土曜)、コロナウイルスに関する研究プロジェクトを進めていたピッツバーグ大学のビン・リュー助教授は、自宅で銃撃を受け殺害されたというニュースが報じられたばかりである。リュー教授は、新型コロナウイルスの突破口を解明する一歩手前にあったと報じられている。
また、ラトガース大学・ワクスマン微生物学研究所のリチャード・エブライト教授は、「COVID-19ウイルスが武漢にある研究所で作られたものではないことを示す証拠がある」と語っているが、このラトガース大学も、海外から受け取った寄付金や契約金に関して報告を怠っていたため、情報公開法違反で教育省から調査対象になっていると2019年に通達を受けていると報じられている。
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