アマゾンがベストセラー『チャイナ・ウイルス』を発売禁止
書籍のオンライン販売事業から始まったEコマース最大手のアマゾンは、現在では都合の悪い書籍を発売禁止にすることで有名になっている。「新型コロナに関する医療関係の偽情報」とみなした書籍は、ことごとく発売禁止にしている。しかし、アマゾンによる発禁対象は、医療分野だけでなく政治分野の書籍にも広がっている。
ジャーナリストのエズラ・レバントさんが執筆した書籍『チャイナウイルス:ジャスティン・トルドーの親中イデオロギーがいかにカナダ人を危機にさらしているか(原題:China Virus: How Justin Trudeau’s Pro-Communist Ideology is Putting Canadians in Danger)』は、7月10日に発売開始された。しかし発売当日、アマゾンはこの書籍を発売禁止にし、この書籍のページを削除した。これをReclaim The Netが報じた。
レバントさんが書籍を上梓するのは今回が初めてではない。彼が前回に発表した書籍『ザ・リブラノス:メディアが報じないジャスティン・トルドーの腐敗(The Libranos: What the media won’t tell you about Justin Trudeau’s corruption )』(*)は、今年初め、アマゾン・カナダ全体でナンバー・ワンのベストセラー書籍となった。(*この書籍のタイトル『リブラノス(Libranos)』は、『リベラル』とイタリア系マフィア家族を描いた人気テレビ・ドラマ『ザ・ソプラノズ』を掛け合わせた造語と思われる。)
これまでの彼の書籍を見て明らかなように、レバントさんはあえて物議を呼ぶようなテーマを選び人々の注目を集めるという、炎上を狙った書籍が多い。しかし、彼の最新の書籍が発売禁止になる理由は何だったのだろうか?
アマゾンがエズラ・レバントさんに送ったメール(以下はその画像)の中で、同社は彼の書籍がコロナウイルスの情報に関して「公式の情報源」と矛盾する情報が含まれていると説明している。
(Screenshot via Reclaim The Net)
【訳】こんにちは、
以下の書籍に関して連絡させていただきます。
チャイナウイルス:ジャスティン・トルドーの親中イデオロギーがいかにカナダ人を危機にさらしているか
COVID-19ウイルスを取り巻く情報の性質が急速に変化してきているため、このウイルスに関する医療情報に関して、私たちは顧客が公式の情報源を参照するようにしています。その結果、私たちはあなたの書籍を販売いたしかねます。
アマゾンは、当社のコンテンツ・ガイドラインにある通り、どういったコンテンツを販売するか決定する権利を有します。
アマゾンの書籍販売に関するコンテンツ・ガイドラインは以下のサイトで閲覧できます:(URL略)
もしご質問がある場合、もしくは間違ってこのeメールを受け取ったと思った場合、このメッセージに返信してください。
アマゾン
しかし、レバントさんは、この書籍のオフィシャル・サイトで説明しているように、この本は医療に関するアドバイスを提供していない。彼は、この本が「純粋にカナダ・チャイナ間の政治に関する議論である」と主張している。
また、この本が発禁となったのはこれが初めてではない。もともと、この書籍は販売まで漕ぎ着くのに苦労している。レバントさんの弁護士は、この書籍の販売を認めてもらうために、アマゾンに書簡を送付していた。
この書簡の中で、彼の弁護士は次のように説明している:
この書籍は、医療関係の書籍ではないことに注意していただきたい。これは、医療関係の理論には触れていない。これは、このウイルスの医学的発生源に疑問を呈しておらず、分析も検討も行っていない。このウイルスの感染拡大に関する医学的情報についても同様だ。これはむしろ、トルドー首相に関する政治学の分野の書籍である。
レバント氏は、以下の根拠を元にAmazon KDPがその判断を考え直すことを強く要請する:
1.上記の通り、この書籍は医療関係の本ではない。これはその性格上、政治的なものだ。
2.レバント氏とRebel News Network Ltd.は共同で、過去に他7冊の書籍を製作し販売している。それぞれペーパーバックと電子書籍の形式。これら書籍はいまだにアマゾンに掲載されている。これらには以下のベストセラー書籍が含まれている:
a. ザ・リブラノス(The Libranos)
b. ストップ・ノットリー(Stop Notley)
c. トランピング・トルドー(Trumping Trudeau)」
3.レバント氏は、これまでアマゾンで自身の書籍を販売するにあたり、クオリティー・コントロール問題を抱えたことは一度もない。
4.この書籍と類似のジャンルの他の書籍は、アマゾンで販売されている。
(太字および下線強調はオリジナルのまま。)
しかし、この書籍がアマゾンの発売禁止という判断を覆すことはなかった。しかし数日前、アマゾンから何の説明もなく、この書籍はカナダ向けのAmazon.caで購入可能となった。
購入可能となって数日後、この書籍はベストセラーとなり、カナダのキンドル版書籍の中で1位になった。ペーパーバック版は2位となった。しかしその後、アマゾンは再び判断を翻し、この書籍のページを削除した。
アマゾンがこの書籍を再び発売禁止にしてから、レバント氏はこの本の電子版を、自身のホームページで発売している。ただし、価格は設定しておらず、購入者が決めた金額を寄付してもらうという形をとっている。
そして本原稿の執筆時点で、アマゾンは2度の発禁判断を再び翻し、レバントさんの書籍の販売を可能にしている。メディアでニュースとなり人々の注目が集まったことで、この書籍を発禁し続けることが難しくなったと判断したか?
この本の一節を朗読するレバントさん:
【関連記事】
BonaFidrをフォロー