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レバノン政府が12億ドルのデフォルトを発表:同国にとって史上初の債務不履行

レバノン政府が12億ドルのデフォルトを発表:同国にとって初の債務不履行

3月7日、レバノンの首都ベイルートでデフォルトを正式発表するディアブ首相(Photo via Reuters)

先週末の土曜、レバノン政府が同国史上初となるユーロ債のデフォルト(債務不履行)を起こした発表した

先月、レバノンが財政難に陥っているため、3月9日に償還日を迎えるユーロ債の最終利回りは1700%以上へと高騰しており、事実上のデフォルト状態であることはここ(以下の記事)ですでに報じていた。

レバノンの国債利回りが1000%以上に高騰:カルロス・ゴーン被告の逃亡先がデフォルトの危機

抗議運動が絶えない中東の小国レバノンでは、最近、政権交代が行われ、また過去数ヶ月のうち半分ほどしか銀行は営業していない状態となっている。レバノン国内では流動性(現金の枯渇)の危機に瀕しているため、銀行から預金の引き出しや海外送金が厳しく制限されている。ほとんどの国民にとって、1週間に200ドルしか預金を引き出すことができない状況となっている。そのため、レバノン・リラの対ドル為替レートは昨年10月以降急落しており、同国の公的債務は、GDP(約895億ドル)の170%近くにまで膨れ上がっていた

レバノンのハッサン・ディアブ首相は、公式声明の中で、今週月曜に償還日を迎える12億ドルの債務の返済が行われないことを発表した。テレビ中継された公式発表の中で、ディアブ首相は次のように語っている:

レバノンが耐えられる以上に債務が巨大化している。レバノン人が持つ利払い能力以上に巨大化している。

過去何年にもわたって犯してしまった過ちに対する代償を、我々は払っている。この代償を、我々の子供たちの世代に回すべきだろうか?

今回のデフォルト危機は、レバノンにとって1975年〜1990年に起きた内戦以来、最悪の不安定化要因となる災厄であると表現されている。このデフォルト発表により、月曜に償還日を迎えるレバノン政府発行の国債(最後の取引価格は1ドルあたり57セント。最終利回りは約8000%)は、返済されることはない。

レバノン国内の銀行が、この3月9日に満期を迎えるユーロ建てレバノン国債の一部を所有している。そのため、同国の銀行はデフォルトに長い間反対していた。しかしこれら銀行の顧客たちは、彼らの預金が急速に減耗し続けていることを恐れている。

一方、ディアブ首相は、レバノン国民だけでなく西側諸国からの批判にも応えようとしているようだ。地中海に面したレバノンは、何十年にもわたって政府の腐敗が問題となっている。ディアブ首相は、債務を再建するために、引き続き「全ての債権者たちと同国の国益に添う形で」交渉を続けることを約束した。

さらにディアブ首相は公式発表の中で次のように語っている:

レバノン人たちが自分たちの銀行口座から預金を引き出せない状況にあるとき、我々はどのようにすれば海外の債権者たちに返済を行うことができるだろうか?

(レバノン人たちは)国がますます増加する債務に溺れているというのに、まるで何事も問題ないというような妄想の中で生活してきた。

レバノンでは、かつて内戦中であってもデフォルトを起こさなかった。同国史上初となるデフォルトに対して次のように説明されている:

アウディ銀行の調査部門トップ、マルワン・バラカット氏によると、レバノン国内の銀行は1月末時点で、同国の発行済300億ドル分のユーロ債のうち127億ドル分を保有していた

同国中央銀行は57億ドル分を保有し、残りは外国の債権者が保有していたと同氏は語った。

地元メディアの報道によると、レバノンの銀行は最近、保有するユーロ債の大部分を海外の融資会社に売却している。

反政府抗議活動の参加者たちは、昨年10月以降も街頭で活動を続けており、債務の返済に反対するロビー活動を行っている。(返済を進めることで)国の準備金が減耗し、彼らの銀行口座からの現金引き出しにさらなる制限がかけられることを恐れているためである。

今年1月に発足したばかりである新政権の首相であるディアブ首相は、公式発表の中でさらに警戒すべきことを発言している。それは、レバノン国民の40%以上がまもなく貧困層に転落すると予測する世界銀行の数値に言及したことである。先週末の土曜にデフォルトを発表したことで、国民の半数近くが貧困層に転落するスピードはさらに早まったと言えるだろう。

一方、新型コロナウィルスはレバノンにも飛び火しており、2月末以降、少なくとも32人が感染していることが確認されている。

「それがコロナウィルスだろうと他のどんな病気だろうと、そしてどんな問題であろうとも、レバノン政府は何も対応できる準備ができていない」と、レバノンの不動産仲介業者は今週ロイターの取材に対して語っている

レバノンに逃亡したゴーン被告は、自国がデフォルトを起こしたニュースをどのように見ているだろうか。

【追加情報】

この記事を投稿した数日後、ホリエモンがベイルートでカルロス・ゴーン被告へインタビューした様子をユーチューブに投稿している。

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