チャイナのハニートラップ工作に米民主党スウォールウェル議員が堕ちていた状況証拠が浮上 ——「チャイナは米国権力の中枢にいる最上位の人たちを抑えている」とテレビ番組内で語る中国人教授の動画もネットに流出
先週、ジョン・ラトクリフ国家情報長官が「チャイナは米国の国家安全保障にとってNo.1の脅威」とウォール・ストリートジャーナル紙に意見記事を寄稿した。その中で、ロシアやイランといったどの国よりもチャイナの工作員たちが、米国政府の政策が親中路線となるよう、アメリカの政治家たちを標的にしていると警告していた。
そして12月7日(月曜)、FOXニュースのタッカー・カールソン司会者は、チャイナのSNS上で拡散されその後削除されたリーク動画を入手し放送した。この動画の中で、「チャイナは米国の権力の中枢にいる最上位の人たちを抑えている」と1人の教授が語っている。
カールソン司会者は次のようにこの動画を紹介している:
ロシア(疑惑)についてあれほどヒステリックに騒ぎ立てていたまさに当人たち(編集部:民主党議員たち)、彼らはウラジミール・プーチンについても大声で叫んでいた人たちが、彼らが非難していたのとまさに同じことを自らが行なっていた・・・彼らは、外国勢力の代理人として活動していた。我々にとって世界的に最重要ライバル国家であるチャイナ政府のために。ロシア疑惑というでっち上げは、事実上、注意を逸らすための陽動作戦だった。これは、でっち上げなどでは全くなく、それどころか私たち全員にとって現実で、脅威をもたらすものを隠蔽していた・・・
私たちは、この先しばらくの間、アメリカの政治エリートや金融エリートたちと、チャイナの共産党政府との間の関係性について報道することに時間を割く予定だ。チャイナ共産党政府は、彼らを非常に金持ちにした。私たちは今晩の番組を、信じられない動画であるこの証拠から始めたいと思う・・・
この動画は、1週間以上前の11月28日に録画された。みなさんがご覧になるこの男性は、北京の教授である。この動画は、ウォール街と国際貿易に関するチャイナのテレビ番組に彼が出演したときのものだ。彼は北京にある大学で勤務している。彼は、学術界にいる多くの人間がそうであるように、彼の国の政府のために働く「しもべ」である。この動画は、チャイナのSNSに投稿されるとすぐに削除された。その理由は、みなさんがこれを見ればわかるだろう・・・
タッカー・カールソン氏の番組動画はここ、もしくは以下のツイートで視聴することができる。
Tucker Carlson segment on a video deleted from Chinese social media of a professor saying that China "has people at the top of America's core inner circle of power & influence." pic.twitter.com/h3Ygy6UlHk
— Daily Caller (@DailyCaller) December 8, 2020
そして動画の中でこの教授は、チャイナのスパイがウォール街の金融機関のトップとして働いていると説明している。さらに聴衆に対して、この教授は1人の工作員は特に利用価値が高いと語っており、この工作員のことを「彼女」と呼んでいる。教授は、この女性が海外で長年働いてきたアメリカ人であり、現在はチャイナ国籍を取得していると説明している。
この教授はさらに詳細を披露する。オバマ政権は操るのが容易であり、彼らの方から(チャイナの工作を)手助けしてきたとも語っている。チャイナは、オバマ政権の中に多くの友人を得たとも語った。しかしトランプが大統領に当選した時、全てが変わったと教授は語っている。
経済学の教授であるこの人物は、1970年代からウォール街は米国政府の政策に巨大な影響力を持ってきたと語った。そしてチャイナ政府は、ウォール街に対して巨大な影響力を持っていると続けた。そしてこの両者の間での合意は、長い間うまく機能してきた。しかしトランプが2016年に予想を覆して選挙に当選すると、ウォール街は激怒した。ウォール街はトランプを修正することができなかったが、彼らは修正しようと試みたとこの教授は語っている。
カールソン司会者はこの動画を放送した後、次のように語っている:
これらのことは本当だ。彼が認めた。みなさんがなぜハンター・バイデンのラップトップについて話すことを許されなかったのか、これでお分かりですね。なぜ大企業たち、IT企業、残る全てが一つに連携して、あの話を封殺しようとしたのかを。なぜなら、あの中(ハンター・バイデンのスキャンダルの中)で、彼らも犯罪に関与していることが示されていたからだ・・・
このことは、彼(ジョー・バイデン)がチャイナと交渉する能力にどのような制約をもたらすだろうか?
彼らは浸透工作を受けてしまっていると私は思う。
ジョー・バイデンとバイデン一家は、チャイナによって浸透工作を受けていると私は思う。私は、彼(この動画で「告白」するチャイナの教授)は正しいと思う。そして、バイデン一家は、浸透工作を受けた唯一の存在ではない。
* * *
これは右派による陰謀論にしかすぎないという批判への反証として、左派メディアのAxiosが1年間をかけて調査してきた結果が、12月8日(火曜)に報じられている。Axiosは、チャイナの工作員と疑われる女性が、アメリカ政治へ介入し影響力を行使するための足掛かりとして、アメリカの複数の政治家たちと親密な関係を構築していたと報じている。
クリスティーン・ファン(Christine Fang)という名前の女性(Fang Fang=ファン・ファンとも呼ばれていた)が、選挙資金の調達活動や広範な人脈構築、そして恋愛関係や性的関係を構築することで、政治家たちに近付いていたとアナリース・レビー記者は報じている。そしてクリスティーン・ファンは、特にエリック・スウォールウェル下院議員(カリフォルニア州選出・民主党)と親密な関係になったと報じている。
ファンは、2011年、カリフォルニア州立大学イーストベイ校に学生として入学した。そこで彼女は政治に関わるようになり、異常なまでの努力をして、アメリカの政治家たちと会い交友関係を構築することに成功している。
そして彼女は、カリフォルニア州のほとんど全ての有名政治家たちと接触するようになる。
ファンは、スウォールウェル議員といくつかの政治イベントで交流があったと報じられている。そして彼女は彼の再選キャンペーンのために選挙資金調達を支援し、彼の事務所で少なくとも1度インターンシップを行なっている。
ファンはまた、タルシ・ギャバード下院議員(ハワイ州選出・民主党)のためにも選挙資金調達を行なっている。さらに、ファンはアメリカ中西部の少なくとも2人の市長と恋愛関係もしくは性的関係を持っていたと報じられている。
クリスティーン・ファンと彼女が関わったアメリカの政治家たち
時計回りに左上から:ファンと当時ダブリン市議会議員だったエリック・スウォールウェル(2012年10月)。カリフォルニア州フリーモント市の元市長ビル・ハリソン、ジュディー・チュー下院議員とファン。マイク・ホンダ(当時)下院議員とファン、そして当時サンノゼ市市議会議員だったアシャ・カルラ。(Photos from Renren, Facebook, Facebook via Axios)
しかしファンの活動に疑いが向けられるようになり、彼女はFBIの監視対象となった。
「彼女は全米を飛び回っていた(そしてアメリカの政治家たちと親しくなっていた)。これは大きなレッド・フラッグだ。彼女は任務を負っていた」とFBI捜査官がAxiosに語った。
ファンは、自身のことを「アジア系アメリカ人コミュニティーと連邦議員たちをつなぐ架け橋」と触れ回っていたと、情報を提供した人物たちはAxiosに語っている。
そしてスウォールウェル議員の2014年の再選キャンペーン期間中、ファンは、彼のために「まとめ役」を務めたと1人の人物がAxiosに語っている。「まとめ役」というのは、彼女が他の人たちを説得し、彼の選挙キャンペーンのために献金を行うよう活動していたことを意味する。
2015年、FBIの捜査官たちはファンの活動に危機感を募らせるようになったと報じられている。そして彼らはスウォールウェル議員に警告を伝えると、彼はすぐさまファンとの関係を断ち切ったと、現職の米国諜報職員が語っている。
そして彼女に対するこの捜査が行われていた最中の2015年、ファンは突然、米国を脱出している。
彼女が関係を構築していたアメリカ政界の関係者たちは、一様に彼女が突然姿を消したことに驚いていたとAxiosは報じている。
彼女は、2015年6月のワシントンDCのイベントに参加する計画があったにもかかわらず、彼女は突然チャイナに戻る必要ができたためそのイベントに参加できなくなったと周囲に語ったと報じられている:
「彼女は突然姿を消した」と、カリフォルニア州クッパチーノの元市長ギルバート・ウォンはAxiosに語った。
スウォールウェル議員事務所は、Axiosに次の声明を提供している:
スウォールウェル下院議員は、この人物——彼が8年以上も前に会った人物、そして6年近くも彼は会っていない人物——に関する情報をずいぶん前にFBIに提出している。機密情報の可能性がある情報を保護するため、彼はあなた方の報道には関与しない。
ファンとスウォールウェル下院議員が一緒に映った写真
(Photos from Renren, Facebook, Facebook via Axios)
ファンに対する捜査が行われて以降、FBIはチャイナによる浸透工作についての捜査の優先順位を上げている。FBIは、アメリカの州政府および地方政府レベルに対するチャイナの工作に対処することを専門にした部署を、2019年5月に立ち上げている。
チャイナがもたらす脅威は、時間と共に高まる一方であるとアメリカの国家安全保障担当職員たちは語っている:
「彼女(ファン)は、数多くいる工作員のうちのたった1人にしかすぎない」と現職の米国諜報機関高官はAxiosに語った。
アメリカ政府職員たちは、ファンが米国に入国した本当の理由が、政治に関する諜報を収集し、米中間でますます高まっている問題に対して影響力を獲得するためであったと確信している。
ファンは、以来、米国には戻ってきておらず、彼女が何年もかけてカリフォルニア州で構築した人脈と一度も連絡をとっていないようだとAxiosは報じ、次のように締めくくっている。
ファンの事例は、北京(チャイナ政府)のために覚悟を決めたたった1人の人物が、いかに米国政界の機密情報にアクセスできるようになったかを示している。
この調査を1年間かけて行なった記者が、その調査結果について編集長に報告している動画:
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