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【まとめ】米・副大統領テレビ討論会|ペンス副大統領が「失言マシーン」のハリス候補を圧倒

【まとめ】米・副大統領テレビ討論会|ペンス副大統領が「失言マシーン」のハリス候補を圧倒

米副大統領テレビ討論会(Screenshot via Twitter)

10月7日(木曜)、ソルトレーク・シティーにあるユタ大学で副大統領テレビ討論会が行われた。副大統領候補によるテレビ討論会は一度しか行われない。カマラ・ハリス上院議員(55歳)が、マイク・ペンス副大統領(61歳)と12フィート(約3.7メートル)距離を取った状態で直接対決した。

 

ハリス上院議員は、ジョー・バイデン候補より22歳若く、マイク・ペンス副大統領はトランプ大統領より13歳若い。そしてこの討論会の進行は、USA Today紙のスーザン・ページ氏によって行われた。ページ氏は下院議長であるナンシー・ペロシ議員(民主党)の伝記を執筆した経歴がある。

 

アメリカの大手メディアは、全米の世論調査でバイデン候補がトランプ大統領を2桁リードしていると報じている。しかしRealClearPoliticsが集計している各種世論調査の平均値によると、2016年のときの世論調査の平均値を基準とした場合に、激戦州における現在のトランプ大統領の相対的な支持率は、前回よりもわずかに上回っている。

Source: RealClearPolitics

 

* * *

 

この討論会で議論されたテーマは9つあった。各テーマごとにどちらの候補者がより説得力があったかを簡単にまとめると次のようになる:

 

1.新型コロナ対策: ペンスの勝ち。トランプ政権による対策は失敗続きだと攻撃するカマラ・ハリス候補に対して、ペンス副大統領は、「人々の命を政治利用するのはやめなさい」と一蹴する発言が効いた。

2.候補者の健康問題: 引き分け。どちらの候補者も自らの健康問題について回答しなかった。

3.経済: ペンスの勝ち。ペンス副大統領は、バイデン候補が増税を予定していることについてハリス候補を論破した。ハリス候補が言葉に詰まり沈黙してしまう場面もあった。

【訳】マイク・ペンスが、カマラ・ハリスを容赦なく瞬殺。彼女は文字通り沈黙し言葉が出なくなった。

 

4.気候変動: ペンスの勝ち。ハリス候補が共同立案者となっているグリーン・ニューディール政策について、ハリス候補は矛盾を指摘されるも反論できず追い詰められた。

 

進行役であるUSA Todayのページ氏からも、ハリス候補がグリーン・ニューディール政策を共同立案しているにもかかわらず、バイデン候補は先週行われたテレビ討論会でこの政策を明確に否定したことを指摘。ハリス候補は、自分たちの政策の矛盾を説明できなかった。

 

【訳】ジョー・バイデン候補は「科学を信じている。(しかし)彼ら(トランプとペンス)は科学を信じていない」とカマラ・ハリスは語った。

 

さらにハリス候補は、「ジョー・バイデンは(石油・ガスの掘削方法である)フラッキングを禁止しない」とも語った。しかしこれが失言となり、ハリス候補の過去の発言との矛盾がふたたび露呈している。

【訳】嘘をつくのをやめろ。

 

やめろ、やめろ、やめろ。

 

カマラ・ハリスの(過去の)発言:「私はフラッキングを禁止することに賛成する」。

 

5.対チャイナ政策: ペンスの勝ち。ハリス候補は様々な事実を並び立てたが決定打に欠けた。一方、ペンス副大統領はバイデンがチャイナの「応援団(チアリーディング)」をしていると本質を突く発言でしめくくった。

 

【訳】—副大統領討論会—マイク・ペンス副大統領はカマラ・ハリスにこう言った:「(トランプ政権が)チャイナとの貿易戦争に負けたと?ジョー・バイデンはそれ(チャイナとの貿易戦争)すら一度も行ったことがないではないか」。

 

6.外交政策: 引き分け。両者ともに共同候補であるトランプとバイデンの業績をそれぞれ披露し引き分け。

 

7.連邦最高裁判所: ペンスの勝ち。ハリス候補は、9人いる最高裁判事の人数を増やすことで司法制度を歪めようとする「コート・パッキング(1937年司法手続き改革法案)」を実施するつもりなのかという質問に答えなかった。バイデン候補も、前回の討論会でこの質問に答えることを拒否している。

https://twitter.com/abbysaenz/status/1314026242639826945?s=20

【訳】ペンス:あなたとバイデンは連邦最高裁に対してコート・パッキングを行うつもりなのか?

 

ハリス:トランプは、連邦地方裁判所を白人(の判事)で埋め尽くした。

 

進行役:サンキュー。次のテーマに移ります。

 

8.人種問題: ペンスの勝ち。ハリス候補は、過去のトランプ大統領の発言を、文脈を無視して引用したり誤った印象を与える引用の仕方をした。それに対して、ペンス副大統領はハリス候補の誤りを指摘し論破した。また、より多くの黒人を微罪で起訴したという、ハリス候補の検察官時代の「負の業績」についてもペンス副大統領は指摘した。

 

【訳】社会正義の戦士を標榜するカマラ・ハリスが、元検察官である自身(の過去)と真っ向から対立。検察官として、彼女は数えきれないほどのアフリカ系アメリカ人を投獄した。

 

9.政権移譲: ペンスの勝ち。ハリス候補は「今すぐに投票を」と視聴者に呼びかける一方、ペンス副大統領は過去4年間、民主党側が前回の大統領選挙の結果を覆そうと国家権力を使ってスパイ行為や弾劾裁判をしかけてきたことを明確に論じた。

 

【訳】ペンスの発言:「大統領選挙の結果を受け入れるということについてあなたが語るのなら、私はあなた、ハリス上院議員に言わなければいけないことがある。あなたの政党は、過去3年半にわたって前回の選挙結果を覆そうとしてきたではないか」。

 

この副大統領テレビ討論会について、その前半部分をトランプ大統領が端的に総括している:

【訳】マイク・ペンスは非常にうまくやっている!彼女(カマラ・ハリス)は失言マシーンだ。

 

そして後半部分は、ウォール・ストリート・ジャーナル紙のキンバリー・ストラッセル氏が的確に総括している:

【訳】前半は混乱したものだった。後半は、ペンスのもの(勝利)。彼女は外交政策について回答がなく、コート・パッキングについても回答がなかった。さらに、法と秩序についても彼女からはほとんど回答がなかった。

 

実際に発言をした時間数で見てみると、ハリス候補が38分48秒話したのに対して、ペンス副大統領は35分22秒であった。ハリス候補は、より長く話したが内容が伴わなかった。

 

そして最後に、進行役を務めたスーザン・ページ氏は素晴らしい仕事をしたと称賛されている。両候補に対して厳しい質問を行い、一方が手持ち時間を超えて話し続けた際にも丁寧に遮り、討論会をスムーズに進めた。前回の大統領テレビ討論会とは全く異なるものであったのは言うまでもない。

 

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