ダンスケ銀行の元CEOが自殺:欧州を席巻中の大規模な資金洗浄犯罪の捜査が進む中
ダンスケ銀行エストニア支店の元CEOのアイバー・レヘ氏(冒頭の写真)が自宅近くで自殺しているのが見つかったとEesti Rahvusringhääling (ERR) 紙が報じた。ダンスケ銀行はデンマーク最大の銀行で、エストニアで行われた疑惑のある2000億ユーロの資金洗浄犯罪の渦中にあり捜査が進められている。
https://twitter.com/mcleary/status/1176825205622222848
【訳】ダンスケ銀行エストニア支店の元CEO、アイバー・レヘ(Aivar Rehe)氏の遺体が見つかったことを警察が確認した。
ERR紙が今週水曜に報じた内容によると、アイバー・レヘ氏は、2006年〜2015年にわたってダンスケ銀行エストニア支店を統括してきた。しかし数日前から行方不明となっており警察が捜索していた。しかし今週火曜の午後9時半ごろ、エストニアの首都タリン近郊にある自宅近くの森の中で遺体が見つかった。
エストニア警察は、行方が分からなくなっていたレへ氏を今週月曜から捜索していた。彼は精神的に不安定な状態で、自殺の兆候を示していたと複数のメディアで報じられている。
今週火曜には、地元警察はERR紙に対して、彼は「彼自身の生命および健康を脅かす状態」と語っていた。
そして水曜、ERR紙は状況証拠から、レへ氏が自殺したことは確実と報じているが、当然、口封じのために殺害された可能性も残っている。
ダンスケ銀行のエストニア支店は、過去最大規模の資金洗浄(マネーロンダリング)疑惑において中心的役割を果たしている。この疑惑は、ロシア、モルドバ、そしてアゼルバイジャンから2000億ユーロの怪しい資金が少なくとも10年前から流れ込んでいたとされる事件。2000億ユーロという金額は、エストニアのGDPの10倍に相当し、そのほとんどがロシアから入金されていた。
この疑惑が明るみになり、ダンスケ銀行エストニア支店に対して犯罪捜査が行われ始めている。しかしヨーロッパにおける大手銀行の幹部たちやアメリカの検事らは、ERR紙に対して自殺したレヘ氏は容疑者ではなかったと語っている。
10名の元行員(そのほとんどが下位・中堅の行員)が同捜査の容疑者となっている。検察は、既に同銀行の元CEOであるトマス・ボルゲン氏と元CFOのヘンリック・ラムラウ-ハンセン氏を起訴している。
ダンスケ銀行はデンマーク人の預金の約50%を保有している。しかしこの資金洗浄疑惑が2017年後半から2018年にかけて報じられ始めると、同銀行の株式の時価総額のうち少なくとも67%が過去19ヶ月の間に消滅している。
ダンスケ銀行の株価の推移
Via Bloomberg
今年初旬、レヘ氏はインタビューの中で、同行では資金洗浄の動きを検知するために必要なコンプライアンス・ツールは全て導入していると語っていた。同氏は、一般市民に対して捜査の結論が出るまで断定的な考えを持つのは待って欲しいと呼びかけていた。また、レヘ氏は、当時の反資金洗浄法(AML法)が、2019年の法律とは「かなり異なっていた」とも語っていた。
Photo via ohtuleht.ee
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