「ソフトランディングの可能性は遠ざかっている」サマーズ元財務長官が米国経済はクラッシュするという見方を暗に示す
クリントン政権で財務長官を務めたローレンス・H・サマーズ氏がブルームバーグの番組に出演し、先行指標は経済活動の急激な落ち込みリスクを示唆していると語った(以下はその番組動画)。
サマーズ氏は、慎重に言葉を選びながら質問に回答し、これまで主流ではない経済学者がずっと警告してきたこと、つまり短期的なプラス指標は判断のミスリードを招くもので、むしろ長期的指標は差し迫った景気後退と米国経済の急激な落ち込み(つまりは経済クラッシュ)を示していることを本質的に認めた。
パンデミックによるロックダウンの間、8兆ドル以上のヘリコプターマネーが米国経済に注入され、それにより小売業とサービス業の活動が目覚ましく急増した。それは主に低賃金の雇用を大量に生むことに拍車をかけた。ロックダウンは2,500万人以上の雇用喪失を招いたが、政府の景気刺激策は1,200万人の雇用を回復させた。 しかし、この活況は、はかない束の間のものだった。そして同様に目覚ましかったのは、急激なスタグフレーションの高まりだった。米国経済における物価高は続き、FRBは利上げに踏み切ることを余儀なくされている。
FRBはここ数週間、着実にタカ派的(金融引き締めに積極的)なスタンスを表明しており、インフレの緩和や「ソフトランディング」は当然予想されると言い張るメディアや政治家の主張とは相反するものとなっている。
現在、米国経済が置かれた状況は、ポール・ボルカー元FRB議長の下での1980年代前半といくらか似た動き(今日のインフレ統計は真のインフレを隠そうと80年代とは大きく異なる計算をしていることに要注意)にあり、金融系の主要メディアは、金利が予想よりはるかに高くならざるを得なくなること、そして景気のハードランディングは避けられない結末であることを認識し始めている。
サマーズ氏は、避けられないハードランディング(不況型崩壊、大恐慌)の後、彼が考える解決策についても言及している。それはもちろん、グローバル政府と世界銀行のようなグローバルな金融機関が主導する経済政策である。
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